『昭和堂薬局』

WhatsNew

 

東洋医学から診る熱中症対策

 梅雨明け宣言が待ち遠しいくらい大気が不安定な状態が続いています。この梅雨が明けるといよいよ夏本番となるのでしょうが、気をつけたいのが熱中症。ここ数年多くの方がご心配されていることではないでしょうか?

熱中症のことを東洋医学では”中暑”(チュウショ)と呼び、この”中”は、食中毒の”中”と同じで、暑さに中ったという意味で、暑気あたりのことを指し体内に溜まった熱を放散できず、体温の調節ができなくなった状態で、かつては熱射病、日射病、熱けいれん、熱疲労などと呼ばれていました。
では、このとき身体の中ではどのようなことが起こっているのでしょうか?
東洋医学では高すぎる気温を”熱邪”、特に夏季にのみ存在し高湿を伴う熱邪のことを”暑邪”と呼び、病の原因の一つになるとしています。
それぞれの邪には身体に及ぼす影響に特徴があり、”熱邪”が身体に及ぼす影響は次のようなものがあります。
①熱感があり、身体がほてる、冷たいものを欲する。
②炎上性がある。具体的にはのぼせや目が赤い、口やのどが渇く、頭が割れる様に痛むなどの症状があらわれる。
③神明をおかす。熱邪は精神や意識に障害を与えることがあり、暑くてイライラする、暑くて眠れないなどの現象は熱邪によって神明が影響を受けており、甚だしい場合は意識の混濁や失神等の症状があらわれます。
④毛穴を開泄して大量の汗を出し、必要以上の汗を出すために身体にとって必要な水分(津液・しんえき)を消耗する。またこの際に汗と共に”気”と呼ばれるエネルギーも放出してしまうために疲れやすい、だるいなどの症状をあらわします。
⑤発疹ができたり、出血したりする。具体的な症状としては、あせもや赤い湿疹ができたりアトピー性皮膚炎が悪化したりする。発疹部位から出血したり、熱邪の影響で鼻血がでたりすることです。
⑥けいれんする。熱邪が極まると”内風”という現象が起こります。”内風”とは身体の動きを伴う症状で、具体的には震え、眩暈、痙攣、しびれ、ひきつけ等の症状を指します。
熱中症はこの”熱邪”によって身体が犯されていると捉えています。
では、熱中症に対し東洋医学はどのような対策をしていくのでしょう。
端的に表すと、”身体から排出するもの・失ってしまうものと身体の中に入るもののバランスをとる”ことです。
夏の暑さにより発汗量や呼吸により失うものと、補充するもののバランスをしっかりとれるような漢方が必要ということになります。
水分が失われるので、水分補給や摂取量を増やせばいいのではないか?と思われる方がいらっしゃいますが、実際に汗として排出されるものは単なる水ではなく、あくまでも”津液”と呼ばれる体液です。
失われた”津液”をしっかり補い、補充することが必要になります。
具体的にこの”津液”を補うためにはどうすればいいのでしょうか。
簡単にできる方法としては、ミネラル補給できるスポーツドリンクなどに「麦味参顆粒」や「麦門冬湯」などの体に潤いをもたらす漢方を溶かして服用するのが効率の良い”津液”の補充方法です。
また、夏場は冷たいものの摂取過剰によって胃腸機能が低下し、体内の水分バランスを崩し、体が重く、だるくなったり、浮腫んだりします。
このような場合には胃腸機能を回復させて、偏在している水分を体外に排出し、体のバランスを回復させることが必要で「六君子湯」「参苓白朮散」などの漢方薬が用いられ、胃腸が冷えてしまい吐き気やめまい、下痢が続く場合は「扶陽理中湯」や「回陽救逆湯」などを用いて回復させます。
どうしても、お仕事やお付き合いなどで炎天下の下に行かなくてはいけない場合は、「感應丸(かんのうがん)」や「日水清心丸」という強心・清心作用を持つ漢方薬をカバンの中に入れておき、なんとなく変だなと感じたらすぐに服用できるようにしておくと良いでしょう。
ご自身でできる熱中症対策もあります。ポイントは単純なことで、体に冷えを溜め込まないこと。そして、もし溜め込んでしまったら早めに解消することです。
具体的にはどうすればいいのでしょうか。
答えは、朝一番とお休みになる前は冷たいものを避けて、温かいものを摂取すること。そして、寝ている間にお腹を冷やさないようにすることです。
また水分補給をする際は、一度に大量の水分を摂るのではなく一口ずつ少量の水分をちょこちょこと飲むことです。
これは一度に大量の水分を摂ることで一過性に胃酸が薄められ、身体の恒常性(一定を保とうとする働き)によって胃酸が大量に分泌され、胃粘膜が障害されてしまうのを防ぐためです。
東洋医学の知恵を用いて、夏を元気に過ごしましょう!
どんな対策をしたらよいのかわからない?!という方は、店頭にてご相談ください。
スタッフ一同、ご来店をお待ちしております。


昭和堂薬局 | 2014年6月29日

 

東洋医学から考える梅雨の過ごし方

 梅雨の季節が大好きという方はまずいないと思います。ジトジト、ジメジメして、蒸し暑く、洗濯物が乾かない、また急に冷えたりして体調管理が難しいなど、お悩みの方は多いのではないでしょうか。
 ジメジメして蒸し暑いということで身体がだるく感じたり、食欲が落ちたりするのですが、梅雨の季節は、水分代謝を良くしておかないと、いらない水が体内に貯まります。これを東洋医学では湿邪と呼びます。いらない水を上手に出すことを考えなければなりません。ただ湿邪がある人は、水を取るなと言うことではなく、摂取した水分を使い切れておらず、湿邪となっているためで、有効に活用できるような体作りをして、いらない水を体外に排出できるようにしなければなりません。
 湿邪の影響を受けやすいところは、まず皮膚です。次いで筋肉、関節と続きます。体内に侵襲するときには、胃腸も障害します。次に呼吸器系、腎臓と膀胱に及ぶことがあります。また精神面や神経の領域にも重要な影響を持ちます。
 皮膚は外気を最も敏感に感じ取ります。暑い時は汗腺を開き発汗することで体温を下げ、寒い時には反対に表皮を引き締め、体温を逃がさないようにしています。また皮膚呼吸をして、肺の働きを助けています。湿度が高くなると皮膚の持つ様々な代謝機能が阻害され、数々の弊害が表れます。

梅雨と皮膚疾患
 その第一は皮膚呼吸がうまく行かなくなる為に何となく息苦しく感じたり、重苦しく感じたりするようになります。
 皮膚病については、水虫を始めとするジュクジュクと水を持つ皮膚疾患はこの季節に悪化します。反対に乾燥の強いものは良くなることがあります。この季節は皮膚の働きが弱っているのでちょっとした刺激や食べ物で湿疹ができやすく、また紫外線が一番キツイ季節でもあるため、その影響で皮膚病が悪化する場合もあります。この場合には、刺激の少ないUVカットの日焼け止めを使い、大きなツバの帽子をかぶるようにして下さい。皮膚疾患については、悪化するのは早く、治すのには時間がかかります。専門医に相談することも大切ですし、アトピー性皮膚炎などは漢方療法をお考えになるのも良いと思います。

梅雨のお風呂の入り方
 梅雨の季節の湿度により悪化する神経痛や腰痛、膝などの関節痛や、アトピー性皮膚炎などの皮膚病や喘息の方は、養生法として足湯やお風呂で温まりましょう。
 お風呂の入り方は、40度~39度で15分以上お入り下さい。手は心臓のツボが多いですから腕はつけず、おなかから下で結構です。体を温めると水分代謝も良くなります。これらの病気の予防と改善に役立ちます。是非実行してみて下さい。


昭和堂薬局 | 2014年6月18日

 

何となく気になる便秘も要注意!その便秘「むくみ腸」かも?

 産経新聞やマイナビウーマンなどで紹介された「むくみ腸」。実際、便秘薬を使われている方の内、本当の意味で下剤が必要な方は数少ないのではと思います。便秘は、排便しにくい、排便回数が少ない、便が硬い、残便感がある状態です。しかし、漢方的には、センナなどの便秘薬を使っていいタイプは、熱秘タイプ(身体の熱量が多いタイプ)で大便が乾燥し、腹痛やお腹の張りがあり、赤ら顔で小便は黄色く、口臭があり、口が渇くようなタイプで、舌を見ると赤く黄色い厚い舌苔のある人たちです。冷えていたり、エネルギー不足や血の不足、エネルギーが巡らないなどの便秘に長期間センナなどの便秘薬を使用すると、お腹を冷やしてしまい、消化機能を傷害してしまう可能性があります。
 「読む便秘外来」(集英社)など数多くの著書がある順天堂大学医学部の小林弘幸教授は、「めまいや頭痛、便秘といった不定愁訴を起こす例が増えているようです。気圧の変動も大きく、自律神経のバランスを崩しがちです。交感神経が優位になり過ぎると血流が滞り、むくみ、冷えといった症状も起こります」と言っています。
 腸が内容物を送り出す「ぜん動運動」は副交感神経が優位なときに活発になります。腸は脳に次いで神経細胞が集まっており、自律神経のバランスを保つことが大切です。腸内環境が悪化すれば吸収された栄養を運ぶ血流が悪くなり、全身の機能低下へとつながっていきます。「大腸では便に含まれる水分を吸収していますが、その水分が排出されないと腸管がむくみます。これが『むくみ腸』です。腸がむくみを起こせば、血流が悪化してエネルギーの消費も悪くなり、肥満にもつながります」
 小林教授は「便が腸内で滞れば腐敗が進み、おならが臭くなり、次第に口臭や体臭にも現れます。毎日お通じがあっても残便感があるのは、腸がむくんでいる場合があります。まず、大切なのは腸内環境を整える食生活と適度な運動を心がけることです。患者さんにもおすすめしているのがヨーグルト。生きて腸まで届くタイプのビフィズス菌がとれるヨーグルトなら、腸内環境を整えるのはもちろん、便通改善にも役立ちますよ。ヨーグルトをとる際、食物繊維を豊富に含むものを一緒にとると、さらに効果を期待できます。食物繊維は便を柔らかくする水溶性の食物繊維と、腸のぜん動運動をうながす不溶性の食物繊維を同時にとれるのでおすすめです」と小林教授。
 実際に、食物繊維や乳酸菌、オリゴ糖などで大便の出が良くなり、肌の調子などが良くなる人は多くいます。もともと日本人は欧米人に比べ腸が長く、便秘しやすい傾向にあります。そのため、昔の日本人は食物繊維をたくさん摂っていました。しかし、現代人は、欧米型の食事を好むようになり、本来の熱秘タイプ以外の人達も便秘になっているのです。
 食物繊維や発酵食品を摂り、便秘薬に頼らない生活が必要です。
 それでも解消できない方は、その方にあった漢方薬や健康食品をお選びしますので、ご相談ください。


昭和堂薬局 | 2014年6月9日

 

トランス脂肪酸とは

 トランス脂肪酸は、トランス型の二重結合をもった不飽和脂肪酸です。天然の植物油などの不飽和脂肪酸は、シス型の二重結合をもった不飽和脂肪酸でトランス型は含まれません。例外的に、反芻動物(牛、山羊など)の肉や乳に2%くらい含まれます。これは反芻動物がもつ微生物により作られるものです。
 しかし、我々が摂取するトランス脂肪酸は、天然の植物油脂を固めるために水素を付加した時に生成されます。そのため、マーガリン、ファットスプレッド、ショートニングなどに多く含まれます。また植物油などを加熱することによってもできますので、長期間使用した植物油にも含まれています。
 トランス脂肪酸は構造上直鎖で、シス型脂肪酸は折れ曲がった構造をしています。このためトランス脂肪酸の代謝は、シス型の代謝と違う経路をとるのではないかと言われています。また、脂肪酸は体の中に吸収されるとリン脂質となり細胞膜をつくります。このため、細胞膜を構成する脂肪酸によって細胞の流動性や働きが変化すると言われおり、トランス脂肪酸は、虚血性心疾患や認知機能などに対するリスクが高くなることが言われています。アメリカの疫学調査では、トランス脂肪酸の摂取が多い人は炎症反応を示すCRPなどが高いことが示されました。この炎症状態を慢性炎症といい、慢性炎症は多くの病気の原因であることが最近解ってきました。生活習慣病や脳血管・心血管疾患、自己免疫疾患、アレルギー、がん、認知症などの疾患はこの慢性炎症が原因といわれています。これらのことから、トランス脂肪酸の摂取が多くの病気の原因のなる可能性を示しています。
 おそらく、今の日本の食生活を考えた場合、トランス脂肪酸を全く摂らない食生活は不可能だと思います。しかし、出来る限り減らす工夫は必要でしょう。またトランス脂肪酸摂取により慢性炎症を起こすのであれば、炎症を抑制するようにすることが必要です。炎症を抑制していくためには、ω3系の脂肪酸を摂っていくことです。亜麻仁油やシソ油、魚油のEPAやDHAなどがω3系不飽和脂肪酸です。亜麻仁油やシソ油はドレッシングや料理にかけるなど生で使います。EPAやDHAはサバなどの青背の魚に多く含まれています。しかし、亜麻仁油やシソ油などのαリノレン酸は吸収に個人差があるようです。また、小児の臨床試験でトランス脂肪酸の摂取によって、このαリノレン酸の代謝が阻害されEPAやDHAに変換しにくくなる可能性があることが解っています。慢性炎症が関わる病気の人などはEPAやDHAを積極的に摂る事をお勧めします。


昭和堂薬局 | 2014年5月26日

 

小学生低学年の1割が便秘 学校の和式トイレも影響?

 最近、便秘の子供が多くなっているようです。子供は腸内細菌の善玉が多く、腸の環境は良いことが一般的と考えられています。しかし、最近は便秘の子供が多くなっているといわれ始めました。
 実際に小学校低学年児童の1割が、3日以上排便がない便秘傾向にあることが、NPO法人「日本トイレ研究所」と王子ネピアの調査でわかりました。
 その報道の中で、トイレの大切さを学ぶ出前授業「うんち教室」に参加した首都圏の小学校1~3年生599人に聞き取りを行い、「3日以上うんちが出ない日が続く」と答えたのは70人(11・7%)。その内訳は「3日」が45人、「4日」が20人、「5日」が5人。「毎日出る」は215人(35・9%)だったようです。
 便秘傾向の背景には、学校のトイレに行きたがらないということがあるようで、都内の小学生97人に「学校のトイレでうんちをするか」と聞いたところ、22人が「しない」と回答。しない理由は、「和式だから」「落ち着かないから」「休み時間が短いから」などの理由が挙げられたようです。
 最近感じていたのは、子供が便秘傾向だとお母さんも便秘の方が多いことです。子供は、お母さんのお腹に居るときは無菌の状態で、出産時、産道を通るときに初めてお母さんの持っている常在菌に触れ、その後生まれた場所にある菌に触れ、母乳を飲んでいるうちに乳酸菌などの善玉菌が増え始め、その子供の腸内細菌が決まっていきます。そのため子供の便は、大人の便の様な匂いがしないのです。
 腸内細菌の環境が悪くなると、アレルギーになってしまったり、便秘、腸の感染症にかかりやすくなります。少し前の神戸の小学校や静岡で下痢、嘔吐の集団感染症が起こりましたが、今回の「日本トイレ協会」が発表したことと無関係ではないかもしれません。また、この便秘傾向の子供のアレルギーの有無なども調べてみると関係があるかもしれません。
 学校でうんちを我慢することや食の乱れで、便通がいいはずの子供たちの腸内環境が悪くなって便秘傾向になっているのであれば、将来が少し心配です。
 早い段階で腸内環境を整えておきましょう。お気軽にご相談ください。


昭和堂薬局 | 2014年5月21日

 

肥満、第3の要因に「腸内細菌の変化」

 産経新聞電子版に、「肥満やメタボリックシンドローム(内臓脂肪症候群)を引き起こす大きな環境要因に食べ過ぎや運動不足が挙げられる。3つ目の環境要因として、膨大な腸内細菌の集まりである腸内細菌叢(そう)が関係していることが、ゲノム(全遺伝情報)解析が進んだことで明らかになってきた。専門家は健全な腸内細菌叢を保つには欧米型の食事ではなく、伝統的な和食が良いと推奨している。」という記事が掲載されました。
 この記事によれば、昨年9月、米科学誌『サイエンス』に掲載された米ワシントン大のグループの研究論文に着目した。同論文によると、片方が肥満、もう片方が痩せ形の双子4組を選び出し、腸内細菌が大量に含まれるそれぞれの便を無菌のマウスの腸内に移植。すると、太った人の便を移植したマウスは太り、痩せ形の人の便を移植したマウスは太らなかったという。同論文から春日氏は「細菌叢の差違は肥満の結果もたらされたのではなく、肥満を引き起こす原因だったことが示された」と強調する。と言っています。
 以前このコラムでも書いていますが、高カロリーや高脂肪食により腸内細菌が変化し、食べ物の吸収率が高くなることが解ってきています。
 腸には約1千種、重さにすると1㎏の細菌が存在しています。この細菌と共存することで我々の身体は免疫などのバランスを保っています。また、私たち人間の身体では消化できないもの、特に食物繊維などは腸内細菌が消化の手助けをしています。日本人は伝統的な日本食を食べていた時代は、欧米人よりも多く排便をしていたといわれています。そのことから、米国などは日本食を積極的に取り入れています。そして、現在では日本人より多くの食物繊維を摂取するようになりました。
 しかし、逆に日本では、伝統的な食ではない欧米型の食に変化したことで肥満が増えています。産経新聞の記事にあるように「和食」を取り入れて腸内環境を変えることが肥満解決の重要な要素になります。
 当店ではダイエット相談をお受けしていますので、ご相談ください。
記事詳細http://sankei.jp.msn.com/life/news/140506/bdy14050610000003-n1.htm


昭和堂薬局 | 2014年5月12日

 

「くる病、乳幼児に増える」

 栄養が不足していた時代の病気と思われていた”くる病”が増えているという記事が毎日新聞に掲載されました。この病気はビタミンDが不足することで血中カルシウム濃度が下がり、骨の変形や成長障害などを引き起こす病気です。1990年代にはほとんど見られなくなった疾患ですが、2000年ごろから増え始めているそうです。
 毎日新聞には、ビタミンDが欠乏している乳幼児の増加の要因は、母乳栄養の推進・日光浴不足・偏った食事と述べています。母乳は乳児にとっては重要なもので、母親からの免疫を得られるなど利点が多くあります。しかし、これ以外の日光浴不足や偏った食事は注意が必要です。美白ブームや過剰に紫外線を悪者にしている報道などがあるのかもしれませんが、この記事は乳幼児のくる病についての記事なのですが、母親の身体でもカルシウム濃度が不足している可能性もあります。将来、閉経後骨粗鬆症になりやすくなるなど弊害も起こりやすくなります。偏った食事はもちろん問題ですが、日焼けしない程度に日光に当たることは必要なのでは…と思います。美容や健康のためにやっていることで、こんな落とし穴があるとは…
 食事も健康的にと思うあまり偏った食事になっている場合もあります。一般的には健康的な食事は野菜を連想する方が多いと思いますが、他の栄養素も必要なのです。
 日頃の生活習慣や食生活はバランスが大切です。やり過ぎには注意をしてください。


昭和堂薬局 | 2014年5月3日

 

意外に無関心な”おりもの”

 読売新聞の医師・小堀先生のブログに
 「妊娠を希望される女性には、膣乾燥に悩む傾向があるという研究があります。そのため、性交用潤滑剤(ローション)を用いている人も少なくないと考えられます。」との書込みがありました。http://www.yomidr.yomiuri.co.jp/page.jsp?id=96819
 実際、当店にも膣乾燥が原因で、性交がうまく行えないために体外受精をしていた方が相談に見えたことがありました。当店に子宝相談に来られる方達に”おりもの”については必ず聞いていますが、乾燥して性交ができないということまではあまり問診することがなく、更年期の女性の方以外はそう多くないと思っておりましたが、この記事から察すると意外に多いようですね。
 ”おりもの”は女性ホルモンと関係し、卵胞ホルモン(エストロゲン)によって、卵胞期(生理後から排卵まで)は”おりもの”はサラサラで量も多く、特に排卵前は量も多くアルカリ性になり、受精しやすい環境になります。その後、黄体モルモン(プロゲステロン)により”おりもの”はネバネバになり、精子が通過しにくくなります。
 このことから解るように”おりもの”の異常は女性ホルモンに関係している可能性があり、月経不順など婦人科疾患を患っている方は膣が乾燥している可能性があります。
 また”おりもの”は細菌感染から膣を守る働きもあります。人間の身体で粘膜が存在するところはすべて常在菌で守られています。皆さんがよくご存じなのが腸内細菌ですが、膣もデーデルライン桿菌(乳酸桿菌)で守られています。そのデーデルライン桿菌の作用で通常膣は酸性になっています。しかし、排卵期は精子を死滅させないためにアルカリ性になって妊娠に適した環境になるのです。
 子宝相談に来られる方達も生理や基礎体温の様子はよく把握しているのですが、意外に”おりもの”に関してはあまり把握していない方もいらっしゃいますが、排卵の時期や感染症の有無を現す重要なものなのです。
 ご自身の健康チェックのために”おりもの”も観察してみてください。


昭和堂薬局 | 2014年4月25日

 

ヒトの精子は減ってきている

 読売新聞電子版に医師・小堀善友先生のブログ記事に、行く末が怖くなる記事が載っていたのでご紹介します。
以下ブログ
 精巣がだんだんと小さくなってきている、もしくは精子が徐々に減少するといった報告がいくつかあります。皆さんも、ニュースなどで聞いたことがあるのではないでしょうか?
 原因は、環境の影響や、食生活などの生活習慣等も関連していると言われています。胎児期に、母体内で内分泌かく乱物質(環境ホルモン)にさらされることが、生殖能を障害するのではないかとする仮説もあります。
 ただし、こうした報告に対し、研究の規模や対象者の選び方、分析方法などをめぐり、批判があるのも事実です。
 昨年、精子の減少について詳細に調べられた報告(Hum Reprod. 2013;28:462-470)がありましたので紹介します。フランスからの報告ですが、1989年から2005年の17年間にかけて、126の不妊治療施設から収集したデータを解析しました。男性の年齢は18歳~70歳で、合計15万4721人の精液所見を対象としました。
 そのなかで2万6609人の男性の精液を調査しました。
 いずれも、パートナーの女性が、両側の卵管が閉鎖しているなど明らかな不妊の原因を持つケースでした。男性には不妊の原因がなく、精子に問題はないと考えられるケースについて、時代による変化を調べたのです。
 1989年と2005年を比較すると、精子濃度は32.2%も低下していました。35歳の男性における精子濃度は1989年においては7360万/mlであったのに対し、2005年においては4990万/mlという結果でした。また、17年間の調査期間において正常形態精子の割合も明らかな低下が認められたのです。運動率には大きな変化は認められませんでした。
 計算すると、精子濃度は年間1.9%の割合で減少しているということになります。ということは、将来には不妊症患者は増大するということでしょうか?
 そして、未来には精子が無くなってしまう?考えすぎでしょうか?恐ろしい結果ですね…。精子の危機を回避するために、研究を進めていく必要がありますね。

 近年の環境や食のことを考えれば、まんざら間違っているともいえないのではと思ってしまいます。
 しかし、自分達でできることをしていくことで、少しでも防ぐことができればと思います。
 すぐにでも取りかかれることは食ではないでしょうか。私たちは食事をするとき「いただきます」と言っていると思います。この「いただきます」とは食事から命をいただくということです。野菜やお肉などから命をいただくことで自分の命にしているのです。最近は命に見えない食べ物が多くなってきているように思えます。インスタント食品や加工食品などが、私たちに命をくれるのでしょうか。この中には添加物などの多く含まれています。添加物は国が許可を出しているものですが、どんな影響があるのか…
 少しでも影響を受けないようにするために、食を見直してみませんか。


昭和堂薬局 | 2014年4月16日

 

日本人間ドック協会が血液検査の新しい基準を発表しました。

その中で、男性の中性脂肪や女性のコレステロールの基準値の範囲が広がりました。
 特に女性のコレステロール値は年齢別に基準値を広げています。女性は閉経により女性ホルモンを卵巣でほとんど作らなくなるために、必然的にコレステロールが上がってしまい、閉経後の女性の半数以上が以前の基準値では正常範囲を超えていました。
 以前のコラムで書きましたが、コレステロール値が高めの人の方が脳卒中の羅漢率が少ないことが報告されています。
 また、コレステロールはホルモンの材料となるため、過度に下げてしまうことによる弊害も出てきてしまう可能性があるのです。このように年齢や性差を考慮して基準値を作ることが重要なのではないかと思います。本来は個人差もあるものです。その方の生活習慣や食生活などを考慮して判断していくものなのに、医療機関では多くの患者さんを相手にしているために範囲を設けているに過ぎないのではないかと思ってしまいます。
 近年、血圧や血糖値の基準値がどんどん下がってきたことを考えると、今回の新基準は非常に意味のあることだと思っています。ある意味で医師と製薬メーカーの関係を断ち切ったことのようにも思える発表です。東海大学医学部名誉教授である大櫛陽一氏が、”性別・年齢別の正しい正常値”と題して日本総合健診医学会において発表した数値を参考の一つとしてみるのも良いかもしれません。
 このように医療機関や製薬メーカーのためではなく、幅広い年齢層や男女差も考慮され、結果として私たち日本人全体のためになる新基準が出てくることを望んでいます。


昭和堂薬局 | 2014年4月11日


横浜ポルタ内にある漢方薬局。あなたの健康な体を取り戻すお手伝いを致します。