『昭和堂薬局』

WhatsNew

 

アトピーの80%は皮膚のバリア機能に障害がある

 私たちの皮膚の一番外側には角層が存在していてバリアの働きをしています。その角層は角質細胞と角質細胞間脂質が重なってできています。アトピー性皮膚炎の方の80%に角層バリアが障害されており、いろいろな外からの刺激をバリアすることができずに角層を通過してしまいそれがタンパク質抗原(アレルゲン)になって、アレルギー反応が起こります。
 バリア構造タンパク質にフィラグリンというものが存在します。このフィラグリンが皮膚のバリア機能を決定するうえで重要な働きをしています。また、フィラグリンはいろいろな変化を経て、最終的に角層最上層で天然保水因子になり、皮膚の潤いを保ちます。
 アトピー性皮膚炎の方の20%くらいの方にフィラグリンの遺伝子が異常の方がいることがわかりました。この方たちは手のひらのしわか深いという特長があります。しかし、このフィラグリン遺伝子異常がある人すべてがアトピー性皮膚延になるわけではありませんが、尋常性魚鱗癬や喘息を併発して重症になる方がいらっしゃいます。
 フィラグリン遺伝子が正常な方でも、何らかの影響で皮膚のバリア機能が障害されアレルギーが起こるとアレルギーを誘導する免疫担当細胞が分泌するサイトカインというものが、フィラグリンの発現を抑制することもわかってきました。
 角層は外からの侵入物から体を守っている働きに加え、約30%の水分を含んでいて保湿機能があります。角層が障害されてしまうとこの水分が皮膚の外へどんどん蒸発してしまい皮膚が乾燥してさらに外からの刺激を受けやすくしているのです。
 アトピー性皮膚炎の方は外からの侵入物のブロックと皮膚に含んだ水分が逃げないようにブロックすることが大切になります。アトピー性皮膚炎の克服するためには体の中で起こっているアレルギーが起こってしまう体の傾きを改善していくと共に、スキンケアなどをしっかりしてできるだけ外からの刺激を受けにくくしていくと共に皮膚の水分の蒸発をできる限り少なくすることが非常に重要になります。
 以前「○○のしずく」という石鹸を使用した方の一部に小麦アレルギーが起こりました。これはこの製品の中の小麦加水分解物に皮膚のバリアが弱っている方が反応してしまい、体が小麦に対して抗体をつくってしまったことで、口からとった小麦に対してアレルギー反応が起こってしまったのです。アトピー性皮膚炎ではない方でも皮膚の乾燥がひどい方はスキンケアや皮膚を潤す漢方などで皮膚を正常に働かせて体を守りましょう。
 スキンケアの方法やどんなものが良いのかわからないという方は店頭にてご相談ください。


昭和堂薬局 | 2013年11月26日

 

タイプの違う二つのアトピー性皮膚炎

 一般的にアトピー性皮膚炎は皮膚のバリア機能が障害され、細菌やタンパク質が皮膚を通じてアレルギーを誘導することはよく知られていますが、(外因性アトピーといいます。)アトピー性皮膚炎を患っている方の20%くらいの割合でバリア機能が正常の方がいらっしゃいます。このバリア機能が正常な方のアトピーを内因性アトピーといいます。
 外因性アトピーは皮膚のバリアが壊れたところから、抗原と呼ばれるタンパク質などが侵入して体の免疫機能が働いてIgEという抗体をつくりアレルギーが起こります。この時にT細胞という免疫担当細胞の中のTh2というT細胞が働いているのですが、内因性のアトピーは皮膚のバリア機能は障害されておらず、T細胞の中のTh1という細胞が働いています。これはある意味正反対の免疫反応が起こっているのです。
 外因性アトピーと内因性アトピーの特徴として外因性アトピーは乳幼児期から発症し、喘息や食物アレルギー、アレルギー性鼻炎などアトピー以外のアレルギーを合わせて持っている方が多くいらっしゃいます。
 それに対し内因性アトピーは他のアレルギーを発症しておらず、女性に多い特徴があり、金属に反応することが多く、アクセサリーのような非常に小さな金属にも反応している可能性があります。
 このようにアトピー性皮膚炎は二つの異なった免疫反応で起こっているので対応方法も違ってきます。また、外因性アトピーの中には遺伝子異常でバリア機能が障害される方もいらっしゃいます。重篤で難治性のアトピーの方は、この遺伝子異常の方が多いようです。この方たちの特徴として尋常性魚鱗癬を併発していることが多いようです。
 漢方薬で治療する場合は皮膚の状態などから漢方的にどうなっているか判断して、薬を選びます。外因性の方はバリア機能が障害されているのでスキンケアなども必要ですし、食事も改善する必要があります。
 一人ひとりに合った改善方法を考え、ご提案させていただいております。店頭にて気軽にご相談ください。


昭和堂薬局 | 2013年11月20日

 

アトピー性皮膚炎の慢性化の原因が解明されました。

 12日の新聞やテレビで「アトピー性皮膚炎の慢性化の原因が解明された」という報道がありました。これは佐賀大学医学部が「ペリオスチンはTh2型サイトカインに反応して慢性アレルギー性炎症を増悪する」という論文を医学誌に発表したのです。
 内容は、「ダニなどのアレルギー原因物質(アレルゲン)が皮膚組織に侵入するとTh2細胞(免疫細胞)が活性化され、IL-4、IL-13(炎症性メディエーター)が産生されます。IL-4・IL-13は線維芽細胞に作用してペリオスチンの産生を誘導します。ペリオスチンは表皮細胞上のインテグリン(細胞接着分子)に結合し、炎症性メディエーターを産生し、再びTh2細胞を活性化します。」このようにペリオスチンが産生されることにより悪循環が継続されるのです。
 ペリオスチンは骨の再生、心筋の修復、がんの増殖抑制などに関わっていることが判明し、注目を集めている物質です。このペリオスチンを排除するような抗体を投与することは、命に関わる副作用が出る可能性があり不可能です。このため、ペリオスチンとインテグリンの結合を阻害することができれば画期的な新薬になると言っています。
 果たしてそうなのでしょうか?
 確かに新しい薬になるとは思いますが、本当の意味の解決はこの解明された一連の生体反応を起こらなくすることではないのでしょうか。
 アレルギーはTh2細胞が優位になっていることで起こります。同じアレルゲンに出会ってもアレルギーを起こす人とアレルギーを起こさない人がいます。これはなぜなのでしょうか?アレルギーを起こさない人はTh1とTh2のバランスがよいのでアレルギーを起こさないのです。
 アレルギー体質の人は遺伝的要素もありますが、食生活や生活習慣が関係しています。特に日本人は胃腸虚弱の体質で、食の欧米化により日本の伝統食を食べなくなりました。日本の伝統食は腸内環境を整える食べ物が多くあります。腸内環境を整えると腸内の善玉菌が多くなり、Th1とTh2のバランスをとってくれるのです。
 また、最近は簡単便利な食べ物が多く、インスタント食品やスナック菓子などを食べることによる炎症体質もアレルギーや多くの病気の原因といわれます。
 アレルギーを起こさない体にするには食生活の改善が大きな課題だと思います。食生活の見直しでTh1とTh2のバランスとりペリオスチンを”大量につくらないこと”がアレルギーの解決方法です。食生活を改善しながら、炎症を抑える漢方薬をつかうことも可能です。
 生活習慣と食生活を見直し、アレルギーのない健康な体を手に入れましょう。



昭和堂薬局 | 2012年6月19日

 

アトピー性皮膚炎の人に朗報

 アトピー性皮膚炎を患っていて冷えがある人は、今までの考え方では治しにくいタイプでした。冷えと皮膚の炎症は一見すると相反する症状のためです。
 120年前、中医学の考え方で火神派という学派が興(おこ)りました。その考え方は「病気はエネルギー不足(専門的には陽虚)とエネルギー過剰(陽盛)で起こる」というものです。そして、多くの病気はエネルギー不足で起こると火神派は考えます。この考え方が10年位前から日本にも入ってきて私も3年前に知りました。火神派理論の有効性を訴える漢方の医師や薬剤師はいろいろな病気に使っているようですが、特にアトピー性皮膚炎に良いと言います。私自身もこの火神派理論の解説書を読みました。読んでみてアトピー性皮膚炎で寒気のある人に有効なのではないかと思っています。この理論に基づいて実際に使ってみると良い結果を得られることが多いようです。
 以前までのアトピー性皮膚炎は身体にとって必要な物質(専門的には血や陰)の不足で熱が発生していると考え物質を補い、熱を冷ますことが治療の中心でしたが、火神派理論では物質ではなくエネルギーの不足で起こると考えています。(火神派の理論があるのですが難しくなるのでここでは省きます)私の今の見解としてはアトピー性皮膚炎のタイプにより、従来からの物質を補う治療とエネルギーの不足を補う治療を使い分けるのがいいのではないかと思っています。アトピー性皮膚炎で漢方を飲んでみたけど良くならない人はぜひ相談してみてください。火神派が合うタイプかもしれません。


昭和堂薬局 | 2011年5月26日


横浜ポルタ内にある漢方薬局。あなたの健康な体を取り戻すお手伝いを致します。