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秘伝の油?

少し前にテレビを見ていたら、九州のある地域で鳥の唐揚げをよく食べ、鳥の唐揚げ屋が多くあると言うような番組がやっていて、何軒かの鳥の唐揚げ屋を取材するのですが、ある一軒のお店でうちの油は秘伝の油で永年注ぎ足して油を使っているというのです。唖然としました。よく焼鳥屋さんなどが秘伝のたれと言っているのを勘違いしてしまったのでしょう。揚げ物に使っている油はリノール酸などの不飽和脂肪酸ですが、不飽和脂肪酸は、光や熱でトランス型の不飽和脂肪酸に変化します。トランス型脂肪酸はアメリカのニューヨーク州では食用には使用禁止になっているものです。ですから、油は新しく、なるべく使用回数を少なくしなければなりません。しかし、そのお店は秘伝の油を使っていたのです。その油はトランス脂肪だらけ、トランス脂肪酸は非常に不自然な形をしていて、構造がプラスチックによく似ています。そんなものを自分が食べることを想像してみてください、ゾッとしませんか。脂質は体に必要な物で、細胞膜を構成していますが、そこにトランス脂肪が入り込むと細胞膜が正常に働かなくなり、細胞内外の浸透圧を調節したり、細胞に必要な酸素や栄養を吸収したり、細胞内で発生した老廃物を排泄すしたり、情報を伝達するなどができなくなり、このことが体全体で起こると大変なことになります。
トランス脂肪を多く含む食品として代表的な物は、カップラーメンやポテトチップス、ファーストフードのフライドポテト、マーガリンなどです。これらは食べない方が良いでしょう。マーガリンはなぜ?と思う方は多いでしょうが、マーガリンは植物油に常温で固形でいられるように水素を付加したもので、トランス脂肪の代表的なもので、食べるプラスチックなのです。
食にはいろいろな間違いや勘違いがあります。我々は、少し手間をかけ、安全と思われる食材で、自分の手で作ることをお勧めします。
また、簡単に言うと、日本人はカタカナ食を控えると比較的健康的な食生活が送れるでしょう。


昭和堂薬局 | 2010年6月22日


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