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亜鉛が注目されています

 亜鉛が注目されている
 私が大学を卒業し、病院に勤めはじめたころ、耳鼻科からよく亜鉛の水剤(液体の薬)が処方されていました。私は何のために処方されているのか分かりませんでしたが、先輩薬剤師に味覚異常は亜鉛不足が原因であることを教えられました。その後、中心静脈栄養(高カロリー輸液を中心静脈に直接入れる)や経腸栄養(簡単に言うと液体の栄養)が普及していき、微量栄養素の欠損による症状が明らかになって、研究が進み亜鉛の欠損症が注目されました。
 亜鉛の生理作用は、胎児の発育、皮膚の新陳代謝、生殖機能、骨格の発育、味覚および臭覚の維持、精神神経・行動への影響、免疫機能の維持などがあります。亜鉛の欠乏により起こることは、性的発育の遅れ、精子の減少、無月経、貧血、免疫機能低下、夜盲症、脱毛・皮膚炎、慢性下痢、創傷治癒遅延、精神異常、異常行動などがあります。
 亜鉛欠乏の原因としては、インスタント食品や加工食品の摂取、ダイエット、食品添加物の摂取、一部の薬や高齢者の食べ物の量的不足などがあげられます。また、亜鉛は人にとって必要不可欠な微量元素で、300余りの酵素の活性中心元素として働いています。これらのことからも、亜鉛不足はいろいろな病気に関係しているのです。
 胃潰瘍治療剤のポラプレジンク(亜鉛製剤・病院の薬)の発売により、臨床の現場で、胃潰瘍だけでなく多くの病気の治療の可能性が言われいています。代表的な物は、味覚異常・口内炎・褥瘡・糖尿病・慢性肝炎・炎症性腸疾患・胃潰瘍・不妊や妊娠の維持などがあります。
 では、亜鉛不足にならないようにするにはどうすればよいか?
 インスタント食品や加工食品、食品添加物を含む食品を避け、海産物(カキや海苔など)を摂るように心掛ける。無理なダイエットはしない。食べ物の量的な不足になりがちな高齢者などは亜鉛の入ったサプリメントを摂ると良いかもしれません。
 正しい食事を心がけることが病気にならないことの最善策です。自分の食事をもう一度見直してみてください。


昭和堂薬局 | 2010年9月24日


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