『昭和堂薬局』

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不妊症の解説~高プロラクチン血症~

プロラクチンとは脳下垂体から分泌されるホルモンの一つで、乳腺刺激ホルモンとも呼ばれ、通常は妊娠~分娩後授乳期間中に乳腺を刺激して乳汁分泌を促し、また排卵を抑えるように働きます。しかし、このホルモンの分泌が妊娠していない時も異常に亢進して、無月経・無排卵月経・乳汁分泌(男性では、精力低下・女性化乳房)などを引き起こします。このようなものを高プロラクチン血症といいます。このことから高プロラクチン血症は不妊症の原因の一つと考えられています。
 プロラクチン値は日内変動(夜間高く、日中低い)するため値が正常な範囲の人でも、夜間に正常範囲を超えている場合があります。これを潜在性高プロラクチン血症といい、排卵障害や黄体不全の原因になります。
 中医学的に高プロラクチン血症を考えると、その原因の多くはストレスであり肝気欝結(かんきうっけつ)の状態を呈すると考えています。(詳しくはトップページ⇒不妊症~高プロラクチン血症~をご参照ください。)
 婦人科から高プロラクチン血症といわれた不妊に悩むお客様と店頭で接していると、実際にストレスを感じている方もみられるのですが、元々の性格として”気遣い屋さん”が多いように感じられます。
 気遣いができることは素晴らしいことだと思いますが、別の表現をするとストレスへの感受性が高く、我慢強いと言うこともできます。
 本人はそれが当たり前になっていて、気を遣っているようには思っていないのかもしれませんが、体は正直に反応してしまい、この結果としてプロラクチン値が上がっているケースもあると思われます。
 性格を変えることはできませんが、周囲の方々には打ち明けにくいことでも私達に話すことによって少しでも楽になっていただけたら…その上で、漢方薬や健康食品を用いて、あなたの気が付かないうちに抱えてしまっているストレスからくるホルモンバランスの乱れを様々な角度から補正するお手伝いをしています。


昭和堂薬局 | 2013年5月29日

 

元宝塚ジェンヌの女優45歳が心筋梗塞で入院

 「元宝塚ジェンヌの女優45歳が心筋梗塞で入院」と報道されました。
 心筋梗塞や脳梗塞などの血管病は、本来であればこの年代の女性において少ないはずであり、この女優の45歳という年齢では心筋梗塞にはあまり罹らない。これは女性がエストロゲン(卵胞ホルモン)で守られているためです。しかし、閉経後増加し70歳以降では男性のエストロゲン分泌レベルに近づいていきます。
 では、この女優はこの年齢でなぜ心筋梗塞になってしまったのでしょうか?
 考えられることは、強いストレスや女性ホルモンを分泌低下などが考えられます。女性の更年期は45歳~55歳であることを考えると、そろそろ女性ホルモンの分泌が不安定になってくる時期でもあります。女性ホルモンの分泌が低下すると脳の視床下部に影響して自律神経系に影響します。この結果としてストレスにも弱くなってくるのです。
 このことに関連するコホート研究が、2009年に独立行政法人国立がん研究センターより紹介されています。この研究は岩手県、秋田県、長野県、沖縄県の40歳~59歳の男女4万人を11年間追跡調査で、食事調査を含む生活習慣のアンケート調査から心筋梗塞・脳梗塞との関連を調査したもので、「大豆をよく食べる女性グループは脳梗塞・心筋梗塞のリスクが低下」という結果が示されています。さらに、この研究では、大豆製品の摂取量からイソフラボンの摂取量を算出し、イソフラボンの摂取が、日本人の女性、特に閉経後の女性で脳梗塞・心筋梗塞の発症リスクを低減させることを示しました。一方、男性では同様の結果は得られなかったようです。
 女性にとって、特に閉経以降の女性にはイソフラボンの力を借りるといいですね。


昭和堂薬局 | 2013年5月13日

 

排卵障害と食

 不妊症で原因が女性にある場合、多いとされる病因は卵管因子と内分泌因子の異常であり、その中でも内分泌因子の異常で排卵障害が起こされています。最近は、食生活の変化が内分泌に影響し排卵障害が起きているとも言われています。
 排卵障害を起こすものとしては、高プロラクチン血症、多嚢胞性卵巣症候群、副腎機能障害、甲状腺機能障害、体重減少性無月経、肥満、下垂体性無月経、黄体機能不全、黄体化非破裂卵胞などがあります。
 これらのうち原因となる疾患や薬剤がある場合を省くと、食との関わりが多くあるように思います。例えば、多嚢胞性卵巣症候群は肥満やインスリン抵抗性(インスリンという糖代謝に関係するものがうまく働かない状態)との因果関係が指摘されていることを考えると、現代の高脂肪食が関係している可能性があり、黄体化非破裂卵胞と慢性炎症の因果関係でも同じように高脂肪食が関係している可能性が考えられます。
 近年、慢性炎症と肥満やインスリン抵抗性の関係が解ってきています。この原因の一つには高脂肪食があり、高脂肪食を摂り続けることによる体に対する影響として腸内環境が悪くなることもわかっています。その腸内環境が脳に影響するとも言われ始めていることから、メンタル面にも影響がある可能性があります。
 障害が出てしまっている状態では、食を変えてもすぐには改善されないかもしれませんが、これ以上状況を悪くしない為に食の見直しは必要なことだと思います。
 以前から当コラムで食養生についていろいろと書いておりますので、参考にしてみてください。また、漢方やサプリメントを上手に利用することも改善への近道になりますので、店頭にてご相談ください。


昭和堂薬局 | 2013年5月8日


横浜ポルタ内にある漢方薬局。あなたの健康な体を取り戻すお手伝いを致します。