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運動が体にいい理由

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 みなさんは、運動が体にいいことは知っていると思います。
では、「どう体にいいのか」「どんな運動をするといいのか」ということまで認識している方は少ないのではないでしょうか。

 アメリカの大規模調査に基づく「米国運動ガイドライン」の最新版(2008年発表)では、早歩きなどの穏やかな運動を少なくとも1日30分間、週5日以上、あるいはジョギングなどの激しい運動を週75分間、それに加えて30分間の筋力トレーニングを少なくとも2日行うことを推奨しています。

 有酸素運動は筋肉が必要とする酸素を著しく高めるタイプの運動で、肺の活発な働きが求められます。一般的にはこのタイプの運動が健康にいいと言われています。しかし、ウェートトレーニングやバランストレーニングなど、動きの少ない運動にもそれなりの効果があります。
 
 では、どのぐらいの運動が穏やかな有酸素運動で、どのくらいからが激しい運動なのでしょうか。簡単な見分け方としては、「会話テスト」があります。

 穏やかな運動を始めると、心拍数が上がり呼吸が荒くなってきます。体を動かしながら会話や歌が歌えるうちは、まだ穏やかな運動といえます。しかし、一度に一言二言しか発せられなくなると激しい運動です。

 運動をしていくと、神経系は体の器官を活発にし、意識が鮮明になり、心拍数が上がり、呼吸が速まり、軽く汗をかき始めます。それと同時に筋肉の血管が拡張し、酸素を豊富に含む血液が筋肉に行き渡るようになります。

 筋肉細胞に入った酸素は、ミトコンドリアという器官に取り込まれ、そこで酸素を使って食べ物から消化分解されて作られるブドウ糖からエネルギーを作ります。この酸素を使ってできるエネルギーは酸素を使わなかった時の約20倍のエネルギーになります。

 また、運動を続けていくとブドウ糖の在庫がなくなり、脂肪が燃焼されるようになります。こうした体内での燃焼が起こると、乳酸や二酸化炭素などが発生し、これらが血液に入って濃度が上がってくると脳や肺、心臓でさらに生化学反応がおこり、老廃物の除去がより効果的に進むようになって体の負担を減らします。

 運動が日常的になると、大きな負荷に体が順応してスタミナが増します。1回の呼吸で多くの酸素を取り込み、1回の心臓の拍動で多くの血液を送り出すようになります。こうした変化は米国のガイドラインくらいの運動を数週間続けていくと現われ、健康増進につながります。

 次回は、もう少し詳しく運動が体にどんな作用を及ぼすのかをお話したいと思います。


昭和堂薬局 | 2014年8月22日


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