『昭和堂薬局』

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夏の養生訓

 

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 子供たちの夏休みが始まる頃、私たちは夏を感じますが、今年の二十四節気では5月6日の立夏から自然界は春から夏へと変化し、6月22日が夏至にあたり昼間の長さが一番長くなる頃で、暑さのピークを迎えるのは7月23日の大暑となります。
 春から夏にかけて気温が上昇するように、夏になると私たちの身体や血を動かしている陽気も盛んになるのですが、日本は島国で周りを海で囲まれているため湿度が高く、最近ではヒートアイランド現象や温暖化などで年々暑さが厳しくなっており、室内はエアコンで冷えやすくなっていますので、体温調節が非常に難しくなってきています。

 上手に夏を過ごすことが難しい環境となりますが、この時期の養生が秋~冬の体調に大きな影響を与えるといわれています。

 

「万物は春に生じ(誕生)、夏に長じ(成長)、秋に収め(収穫)、冬に蔵す(貯蔵)」

 

 夏は成長の季節ということになります。
 夏は陽気が盛んになるため大量の汗をかき、身体にとって必要な水(東洋医学では津液といいます。)が減少する時期で、水分の補給は大切ですが、あまり冷たくないものをこまめにチョコチョコと飲むのが基本です。
 口の中や喉は外気に触れることが多いため暑さを感じて、冷たいものをついつい飲みたくなりますが、喉より先にある臓腑は冷えてしまうとその機能が低下してしまい、身体にとって必要な気・血・津液が作られなくなり、夏バテの原因となるため、冷たすぎるものの摂り過ぎは注意しなくてはなりません。
 また、夏の湿度も胃腸機能を低下させます。この時期に味の濃いものや油の強い食べ物はさらに胃腸機能を低下させ、食欲を落とし、身体を重だるくさせます。
 人間も自然界の変化に従って、適度に汗をかき、体内の陽気が皮膚を通じて外界に発散するように心がけるべきです。
この“陽気”をうまく発散しないと、身体は暑さを感じ始め、冷房や冷飲を好むようになり、これを夏中続けると下痢をするようになります。また、夏に陽気を発散しないと胸に熱がこもります。
 胃腸が冷えて胸に熱がこもると食欲不振や下痢になりやすくなるため、普段から苦味と酸味のものを適度に食べるのがよいとされています。苦味は心に入り、心の陰気を補い、涼血の働きと暑気を払う作用があります。
 甘味は湿気を助長し、多く食べれば脾(胃腸)を傷めるため、甘味は控えめにし、酸味を加えると、食欲が改善され、夏の倦怠感がとれます。

 

貝原益軒の「養生訓」でも
 「夏は、“陰気”が腹中に沈んでいるため消化が遅い。それゆえ、多く飲食してはいけない。温かい物を食べて胃腸を温め、冷水をできるだけ避けた方が良い。生もの、冷たいものは避けること。冷麺をたくさん食べないこと。脾胃(胃腸)が虚弱な人は、とりわけ下痢に注意すべきである。」としています。
 中国の古書の一つである「千金方」は「冬温かなることを極めず、夏涼しきことを極めず」と教えています。

 

 季節にあった養生を少しでも実践することで夏を上手に乗り切りましょう。
 どうしても難しいという方は漢方薬の力を借りるのも一つの方法です。店頭にてご相談ください。

(ポルタ店店長 佐藤直哉)


昭和堂薬局 | 2015年6月1日


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