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怖い心筋梗塞

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 「テラスハウス」出演していた31歳の男性が心筋梗塞で亡くなったことは、記憶に新しいことではないでしょうか。私の身近な人たちがこの病気で亡くなったり、意識不明になったりしたので、皆さんの予防につながってくれたらと思いこのコラムを書いています。

 

 この病気は、心筋に栄養や酸素を送っている冠状動脈が何らかの原因で通りが悪くなり心筋が壊死してしまう病気です。

 

 独立法人がん研究センターのコホート研究(疫学研究)では、約4万人の日本人のデータから魚の摂取量と心筋梗塞の関係を検討し、2006年に発表しています。これによると、高齢になるほどリスクが上がり、また魚の摂取量が多い人ほどリスクが下がっています。
 元々、魚に含まれるω3系の脂質が注目されたのは、グリーンランドのイヌイットに心筋梗塞が少なく、彼らの食生活を調べたところ、ω3系脂質を多く含む食品を摂取していたことからでした。動物実験でも、マウスに心肥大・心不全を実験的に起させ、ω3系脂肪酸の心保護作用を解析したものでは、体内のω3系脂肪酸レベルが上昇するほど心筋の線維化が抑制されたそうです。

 

 もう一方では日本人の食の欧米化でω6系脂肪酸や飽和脂肪酸の摂取量が多くなっていることも、心筋梗塞を含め多くの炎症性疾患が多くなっている原因の一つだと思われます。

 

 最近では、健康番組でω3系の脂質を紹介したことでエゴマ油などのω3系脂肪酸を多く含む油が人気なようですが、今の食生活にエゴマ油をプラスするのではなく、ω6系脂肪酸が多い場合にはそれを少なくしてエゴマ油などのω3系脂肪酸を摂取して欲しいのです。

 

 我々の食生活の中でω6系の脂肪酸は多く使われています。例えば加工食品の表示に植物油脂という文字がよく出てきますが、これもω6系脂肪酸です。昔は健康にいいといわれていたマーガリンやコーヒ―フレッシュにも使われています。インスタントラーメンやカレールウなど挙げればきりがないほどです。

 

 また、現代は飽食の時代と言われています。それによる肥満も炎症系の病気になりやすくなります。肥満になってくると白色脂肪細胞がうまく働けなくなり、身体を守るアディポネクチンというホルモンの分泌量は低くなり、逆にTNF-αなどの炎症性物質を多く出し始めます。このことにより、炎症性の病気である糖尿病や血管系の病気などになりやすくなってしまうのです。

 

 自分の食生活を見直してみてください。魚は適度に食べていますか?加工食品やインスタント食品多くないですか?お腹いっぱいに食べていませんか?外食や買い弁当ばかりも問題です。

 

 健康にいい食事を目指すとよくベジタリアンになってしまう人がいらっしゃいますが、これもまたバランスの悪い食生活です。

ご自身や身内の方が食材から作る食事が基本です。どうしても買い弁当や外食になってしまう場合はサプリメントで補うことも仕方のないことだと思いますが、これも質が問題です。しかし、基本は食事で予防することが大切です。


昭和堂薬局 | 2015年12月8日


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