『昭和堂薬局』

WhatsNew

 

生体バリア6 ~肥満は病気の入り口~

 肥満は“カッコ悪いだけ”と思っていませんか?

 

 肥満は病気の入り口です。肥満は糖尿病や心筋梗塞だけでなく、がんを促進することが指摘されています。高脂肪食などの摂取により肥満になると、腸内環境も変化します。このことは以前からお話ししているのでご存知かもしれません。腸内細菌はグラム陽性菌のファーミクーティス門の菌の割合が増えて、グラム陰性菌のバクテロイディス門の菌の割合が減ってきます。すると二次胆汁酸を産生するグラム陽性菌が増加し、体内の二次胆汁酸であるデオキシコール酸の量が増えます。これにより腸肝循環で肝臓の間質に存在する肝星細胞が「細胞老化」を起こすことが明らかになりました。細胞老化を起こした肝星細胞は発がん促進作用のある炎症性サイトカインなどを分泌することで、肝実質細胞のがん化を促進する環境をつくることが示されました。

 

 また、以前の報告では、グラム陰性菌の細胞膜成分であるリポ多糖(LPS)が肝がん促進因子として働くとされていたが、最近の研究でグラム陽性菌の細胞壁由来成分のリポタイコ酸(LTA)が肝がん促進因子ではないかといわれています。また、このリポ多糖によって、炎症を起こしてしまう物質をつくる酵素の発現が上昇します。これらのことが、がん微小環境で抗腫瘍免疫の抑制やがんの進展につながる可能性が示されています。
(私もこのことは以前から疑問に思っており、減ってしまった菌の成分が影響することに不自然な感じがしていました。)

 

 病気になるということは、遺伝的要素や環境要因も影響するとは思います。しかし、毎日食べているものが影響していくこともあるのです。生体バリアについてこれまで、6回シリーズで話してきました。生体バリアを脆弱にしてしまう食事は高脂肪・低食物繊維食です。食事についてはその他いろいろあるとは思いますが、言い出すと限がないので今回は低脂肪・高食物繊維食をご提案させていただきます。


昭和堂薬局 | 2017年9月2日


横浜ポルタ内にある漢方薬局。あなたの健康な体を取り戻すお手伝いを致します。