『昭和堂薬局』

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中医学的にみる性差 ~女性の中医学的特徴~

 人には、男性と女性の違いがあります。解剖学的にも、生理機能的にも違いがあります。中医学において男女を陰陽で分けると男性が陽、女性が陰となっています。
また、女性には月経、妊娠、出産、授乳があり血を消耗しやすいという特徴があります。これらのことから女性にとって血が重要な要素になります。

 

 異なった側面からの見方をすると、気持ちが塞ぎ込むことで、気が停滞し、血が滞るといろいろな病気になりやすくなります。女性はその傾向が顕著であり、これは肝は血を蔵すこと、肝は条達(のびのびとする様の事)を好む性質があること、情志と深く関わっており、血の不足が肝経におよび気血の伸びやかさが失われることにより衝任(前回コラムで説明)を損傷し月経、妊娠、出産に関係する病が発生してきます。

 

 婦人科疾患において五臓のうち、肝を調節することが重要です。肝は女性の先天であるという言い方もあり、これは肝が女性の発育と生殖に携わることを表します。また肝は乳頭部を管轄していることから、乳房部の疾患も肝経に関わっています。

 

 女性は肝や血とかかわりが深いことがご理解いただけたでしょうか。
そこで、今回は、女性のよくある症状であまり取り上げられない症状の一つである「月経前に乳房部が脹る(ひどいと痛む)」に注目してお話ししてみたいと思います。

 

 月経前の乳房部の脹りは、女性のよくある症状です。しかし、この症状を訴えて来店する方はほとんどいません。しかし、この症状は女性の心身の健康や妊娠・出産に影響する可能性のある症状です。実際、子宝の漢方相談に来られる方で、高プロラクチン血症がある方のほとんどは、月経前の胸の脹りがあります。その逆、胸の脹りがあると高プロラクチン血症というわけではないのですが…

 

 生理痛や生理前の胸の脹りなどはあって当たり前と思っている方が多いようですが、健康であれば無くてよい症状なのです。その時はつらいけど生理前後だけだから我慢することはあまりいいことではないかもしれません。もしかすると何か(病気)が隠れてるかもしれないですから…


昭和堂薬局 | 2017年10月16日


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