『昭和堂薬局』

不眠症

不眠症

不眠症は正式には『睡眠障害』といい、日本人の約5人に1人は不眠で悩んでいるといわれています。
『睡眠障害』は西洋医学的に入眠障害・熟眠障害・中途覚醒・早朝覚醒の4つに分類されており、
その原因として5つのP
1睡眠環境の変化から起こる生理学的原因(Physiological)
2ストレスや眠りに対する不安から起こる心理学的原因(Psychological)⇒一般的に言われる『不眠症』
3みや痒みなどの身体疾患から起こる身体的原因(Physical)
4うつ病などの精神疾患から起こる精神医学的原因(Psychiatric)
5薬物が引き起こす薬理学的原因(Pharmacological)
があると言われています。最近ではレストレッグスシンドローム(RLS:むずむず脚症候群⇒夜になると脚の奥がむずむずしてじっとできない、あるいは虫が這うような感じがして、結果として眠れない)による睡眠障害があることもわかってきています。

『睡眠障害』のタイプや生活背景によって睡眠薬を使い分けていますが、これらの薬は依存性があったり、持ち越し効果と呼ばれる日中まで薬の効果が持続してしまうこともあります。

東洋医学では

東洋医学ではこの『睡眠障害』のことを『失眠(しつみん)』『不寐(ふび)』といい、次のように考えて解決していきます。

まず、私たちはぐっすりと眠っている時は限りなく『意識』が無い状態になっています。
この『意識』は肝・心・脾・肺・腎の五臓の中で『心』が受け持っています。
(あまり想像したくない例えですが心臓が動きを止めてしまうと意識が無くなることを考えていただくとわかりやすいかと思います。)

このことを東洋医学では『心は神明(しんめい)を主る(つかさどる)』『心は心神(しんしん)を主る』と表現しておりますが、わかりやすくするためにひとつの例えを挙げてみます。

私たちの身体の中に『心』という家があって、その家の中には『心神』という小動物が住んでいます。
この『心神』は『心』という家の中で、血液からエサ(栄養)をもらって、血液を全身に流すポンプを動かす仕事をしており仕事量に差はあれど昼夜を問わず働き続けています。
この『心神』が働きやすくリラックスできる家(『心』)を作り、血液から充分なエサ(栄養)をあげることで、昼は『意識』が明瞭で、夜は『安眠』することができるのです。

胃腸の働きが不十分で、食べた物からの血液生産が少なければ『心神』はエサをもらえない状態で働くことになり、おなかが空いているために昼はボーッとして、夜は眠れないなんてことが・・・
あるいは、心配事やストレスがあることによって『心神』が夜になってもリラックスできないために『安眠』することができなかったりします。
この『心神』は、とても働き者なのですが、デリケートな『心神』を飼っている人もいれば、知らず知らずのうちに『心神』を自らいじめてしまっている人もいらっしゃいます。
あなたの『心神』が元気で、働きやすくリラックスできる家を作るためのお手伝いを私たちはさせていただいております。

この『心神』の働きや、その家である『心』の環境が乱れている状態を幾つかのパターンでご説明していきましょう。(全てのケースは書き切れませんのであしからずご容赦ください。)

1.『心神』が充分なエサ(栄養)をもらえないケース(専門的には「心血(しんけっ)虚(きょ)」といいます)
『心神』のエサ(栄養)となるものは食べたものから作られる血液か『腎』に蓄えられている『陰液』と呼ばれる物質のどちらかしかありません。
もう少し分類してみましょう・・・
①胃腸の働きが不十分で食べたものから血液の生産が少なく、『心神』は夜になってもおなかが空いて眠れない状態(専門的には「心(しん)脾両虚(ぴりょうきょ)」といいます)。この状態が長く続くと私たち自身の疲れが取れず、さらに血液の生産が落ち込み、それでも『心神』は無理やり働くため更に『失眠』が悪化してしまいます。眠れない日が続くと食欲が落ちたり、胃腸の具合が悪くなる方に多いケースです。
②『腎』に蓄えられている『陰液』が様々な要因によって少なくなってしまい、『心神』のおなかが空いて眠れない状態(専門的には「心腎(しんじん)不交(ふこう)」といいます。)加齢による不眠や眠りに対する不安感が強い方に多いケースです。

2.『心神』が働き続けなくてはいけないケース(専門的には「胃中(いちゅう)不和(ふわ)からくる痰火擾心(たんかじょうしん)」といいます)
1の状態とは逆のケースで、飲食のタイミングや量が不適切で夜中になっても胃の中に飲食物が残っており、この消化を行う胃腸を動かすために『心神』が夜中にもポンプを一生懸命動かさなくてはならない状態です。
夜遅くまで接待をしたり、夜遅く食べる方に多いケースです。

3.『心神』が落ち着けないケース(専門的には「心火上炎(しんかじょうえん)」「心火(しんか)旺(おう)」といいます)
ストレスやイライラすることがあり、このために『心神』が夜になってもリラックスできず、安眠ができない状態です。
ストレスを感じることが多く、嫌なことがあると眠りに影響する方に多いケースです。

最後に…

睡眠は人間の三大欲求のひとつであり、これが満たされないということは他人には理解してもらえず、辛い思いをされていることでしょう。
私たちはあなたのその辛さを少しでも和らげることができるよう真摯にお手伝いをさせていただきます。今このホームページをご覧の方で睡眠の問題を抱えていらっしゃる方は、一人で悩まずに私たちと一緒に解決方法を考えてみませんか?


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