『昭和堂薬局』

多嚢胞性卵巣症候群の原因

POCSの原因には様々な説があり、未だにはっきりとは解明はされていません。しかし現在のところは内分泌異常、遺伝的要因、肥満、あるいは糖代謝異常などが考えられています。
 POCSの診断基準は日本産婦人科学会によって明確に分類されているものの、その原因は単一ではなく複数の原因が重なり合っているとも言われています。
○内分泌異常
 視床下部→下垂体→卵巣というホルモン分泌過程でLH(黄体化ホルモン)とFSH(卵胞刺激ホルモン)が出て卵巣に働き、卵胞の発育を促しますが、PCOSでは、このうちLHの分泌が増えてFSHとのバランスの不調和が原因だと考えられています。LH-RH試験ではLH高値の状態になります。
○遺伝的要因
 POCSにおいて、X染色体の構造や数に問題があるという報告があります。実際にPCOSの方の姉妹や両親には、極端な多毛や肥満などの遺伝子的要因が見られることもあります。
 欧米では男性化徴候を重視していて、多毛や肥満、声の低音化、にきび、陰核肥大などの出現率が高いですが、日本では正常上限程度の症例も多いようです。
○POCSと肥満
 一般的に肥満女性にはPCOSが多いこと知られていますが、PCOSと診断されない肥満女性にも排卵障害の確率が高いことが報告されています。
 これは肥満が「アンドロゲン」の過剰産出を促進し、排卵率を下げてしまうことが原因と考えられます。またPCOSの治療後に妊娠した肥満女性が、流産率がやや高くなることが知られています。
○糖代謝異常
 POCSにおいて、インスリン抵抗性が関与していると以前から考えられています。実際にPCOS患者のインスリン抵抗性を調べてみると、血糖値や糖代謝に異常があるケースが多いことが報告されています。
 インスリン抵抗性が増大すると血中のインスリンが高濃度となり、卵巣でのアンドロゲン生産を促進するとともに、テストステロン(男性ホルモン)の濃度が高まると考えられています。


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