『昭和堂薬局』

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同じ漢方処方でもメーカーが違うと効き目が違う

 当店の顧客が、2人続けて「◯◯湯」を飲んでいますとドクターに申告したために、その人が意図しないT社の同じ漢方薬が処方された。ところが、処方された漢方を服用したが効果が感じられず、以前から服用していた当店が採用している漢方薬を購入して行きました。


 こんな話は時々あるんですが、続けてだったのでご報告させていただきます。

 

 2人とも以前から飲んでいた処方なので効果の違いに気がついたんでしょうが、初めて服用した人だったら、「漢方は効かない」って事になりますよね。

 

 また、当然お医者さんが出した漢方薬ですから医療用の100%のエキスです。当店が出していたのは、メーカーの違う100%のエキスの物と60%のエキスの物です。ですから、濃度が濃いから薄いからと言う事で効き目が違う訳では無いんです。

 

 実際、当店でも良かれと思って採用した漢方薬が全然効かなかったと言う事もあるんですよ。そのような時は当然メーカーを変えて効く物に変更します。

 

 同業者のご子息が大学で成分比較をしたという話を聞きましたが、だいぶ違う様です。この結果になってしまうのは、使用する生薬に質の違いと製造の仕方じゃないんですかねぇ。

 

 有名漢方メーカーだからいい訳でもなく、処方によっては、この生薬が入った処方はここのメーカーの物ががいいという場合もあります。

 

 当店ではその辺を吟味して選んでいるつもりでいます。

 

 折角、漢方を試して見るんだったら効きそうな漢方薬にしないとその処方が合っているのか分からないですよ。


昭和堂薬局 | 2024年3月14日

 

活血の漢方で「瘀血」を解消しよう。

前回の続きです。

 

 さまざまな原因で引き起こされる「瘀血」を解消して、本来の血液の流れに戻す働きが「活血」です。活血は日々の生活習慣改善が重要ですが、漢方薬の「活血剤」の力を借りることも一つの方法です。ただし、漢方だけに頼るのでなく生活習慣も改善する必要がありますが…

 

 その中でも、近年注目されているのが「丹参」です。日本ではまだあまり知られていませんが、「丹参」には優れた活血の働きがあり、中国では古くから使われてきた生薬です。また「川芎」「芍薬」「紅花」なども活血の働きがあります。

 

 瘀血はストレスなどによる気の滞りが原因になることもあります。気の滞りには「木香」「香附子」などがよく用いられます。


昭和堂薬局 | 2023年12月5日

 

今、多くなっている「瘀血」

 最近、コロナをきっかけにライフスタイルが変化しています。世の中はほぼコロナ前に戻ってきて、繁華街の人出は以前に戻りつつありますが、仕事はリモートで家から出なかったり、必要のないと出かけないなど体を動かすことが少なくなっている人達も多くいらっしゃいます。それに伴い気血の滞りで体調を崩す方も多く見受けられます。

 

身に覚えのある方も多いんじゃないでしょうか。

 

 漢方医学に「瘀血」という漢方用語があります。これをわかりやすく表現すると、うっ血や血行障害など血の滞り、血管外に漏れた血などのことです

 

 脂肪や塩分が多く、カロリーの高い食事や職場や家庭でのストレス、運動不足などの生活習慣が瘀血の発生原因になります。外傷や一部の病気が原因になるケースもあります。その瘀血は病理産物であると同時に、瘀血が新たな病気の原因になることもあります。

 

 そのような中で、活血化瘀剤が注目されています。この活血化瘀剤は、血液がドロドロしたような状態をスムースに流れるようにする働きがあります。まさに瘀血を改善する漢方薬です。

 

 肩こりや頭痛、心筋梗塞や脳梗塞、痛みの疾患、子宮筋腫などの女性の疾患など、瘀血と関わりのある疾患は少なくありません、活血化瘀剤を有効活用して、病気の治療や予防に、そして健康で穏やかな生活のために利用してみるといいのではないでしょうか。


昭和堂薬局 | 2023年12月4日

 

今、注目されている慢性子宮内膜炎

 今、不育症や着床障害の原因として慢性子宮内膜炎や子宮内フローラが注目されています。
 しかし、まだ慢性子宮内膜炎や子宮内フローラ検査の診断基準は定まっていないのが現状です。盛んに研究されていることは事実ですが、子宮内フローラが正常な症例と異常な症例で妊娠率に有意差があったとする研究も今のところ少ないようです。

 

 着床するために子宮内の免疫細胞が関係していることは事実です。そのことから考えると、子宮内フローラが着床のために何かをしていることも事実なのではないかと思います。

 

 そのことから考えると、ご夫婦で腸内環境を整える食生活や生活習慣、或いはプロバイオティクスやプレバイオティクスを飲んでみるのもいいのではないかと考えます。

 

 実際に、ご夫婦の健康面から見てみると、腸内細菌叢がいい状態が、将来の病気の予防にもなるのですから、やって損はないはずです。

 

 また、生まれてくる子供の腸内環境も意識していただきたいです。子供の腸内細菌叢は、胎児期から生後2歳くらいまでに確立します。また、お母さんからの影響が大きく、出産方法(自然分娩か帝王切開)や母乳か人工乳かなどいろいろな影響を受けます。その腸内細菌叢がいい状態だと健康な子ともに成長していくでしょう。

 

 子供の腸内細菌叢が、あまり良くないとアレルギー疾患や免疫系、炎症性腸疾患などのリスクが高まります。

 

 あまり、脅かしたくはないのですが、腸内細菌叢が脳の発達に重要なことが言われています。腸内細菌叢の異常と自閉症スペクトラムの関係が研究されています。

 

 自分達の未来のために、少し腸内環境のことも気にかけていただきたいと思います。


昭和堂薬局 | 2023年10月2日

 

9月25日に厚生労働省は、アルツハイマー病治療薬「レカネマブ」を正式に承認しました。

 認知症は高齢者の5人に1人と言われています。その中で、アルツハイマー型認知症は厚生労働省によりますと、2060年には800万人に上るといわれています。

 

 今回承認されたアルツハイマー型認知症治療薬は、原因物質ではないかといわれているアミロイドβ(ベータ)を除去する薬です。(この病気まだわかっていないことが多いんです。)

 

 しかし、アルツハイマー病の原因は多岐にわたっていて、アミロイドβの蓄積はその一つに過ぎないことから、治すものではなく、進行を遅らせるくらいです。あまり大きな期待はできません。それでも、既存の認知症治療薬よりも病気の根本に作用する薬ですので、ある意味、画期的だと思います。

 

 アルツハイマー病も含め、認知症という病機の背景には、慢性炎症があるといわれていますので、食生活、運動などで予防に努めることが一番いいんでしょうね。

 

漢方では、老化や脳に関係する「腎」を補う事と活血が中心になります。

 

 


昭和堂薬局 | 2023年9月26日

 

夏の体のダメージ解消しときましょう

 まだまだ、暑い日が続いていますが、少しずつではありますが朝晩は涼しく感じる日が出てきています。また、8月8日(立秋)から暦の上ではもう秋です。秋は肌の悩みが増えやすい時期です。涼しくなるにつれ、肌のくすみやカサつき、ゴワつきといった不調が気になり始める人も多いのではないでしょうか。

 

 こうした肌トラブルは、夏に受けたダメージが主な原因になります。真夏に浴び続けた強い紫外線、発汗やエアコンによる乾燥といったダメージが肌に蓄積されます。その結果、メラニンが蓄積され、肌の保湿機能やバリア力も低下して、シミやくすみ、カサつきなどが起こりやすくなるのです。

 

 夏に受けた身体のダメージを解消して寒くなって行く季節の準備をしなくてはいけません。

 

 秋は「肺」と関係が深く、肺は皮膚や体毛をコントロールし、肺の異常は空気の出入りする鼻に表れるとされます。また、肺は五臓の中で一番高い場所にあるので、「五臓六腑の蓋」と呼ばれ、気管やのどを通じて外界に直接接しているので、外気の影響を受けやすい臓器です。そのため、秋は大気の乾燥の影響を受け易く、秋に起こりやすい咳、鼻炎、喘息、皮膚のかさつきなどの症状は、乾燥した大気を取り込むことにより肺が乾くことが原因で起こるのです。

 

 一方、外から見えてしまう肌についていうと、肺は肌のバリア力や保湿力、解毒力を支える「気(エネルギー)」の生成や、潤いのもととなる「津液(体に必要な水)」の配る臓でもあります。そのため、乾燥で肺がダメージを受けると、バリア力や保湿力、解毒力が低下し肌の不調を招いてしまうと同時に、呼吸器系も弱くなりやすくなります。これらの力が落ちるとターンオーバーが乱れ、メラニンの代謝が遅れてくすみやシミの要因になります。また、潤い不足や保湿力の低下から、乾燥やかゆみを招くこともあります。

 

 このように、くすみや乾燥といった秋の肌トラブルには、体内の不調も大きく関係しています。スキンケアはもちろん、肺の潤い補給にも気を配り、体の中と外から透明感のある健やか美肌をつくりましょう。
これから冬を迎えると、肌にとってはさらに過酷な環境に。不調を放置すると、乾燥や冷えで肌の老化が加速する心配もあるので、夏の疲れはこの時期にきちんとケアしておきましょう。

 

 秋にとれる旬の食べ物には、「肺・大腸」の働きを補うものがたくさんあります。
そのひとつが梨です。年中見ることの多くなった果物のなかで、梨は店頭にのぼる時期も限られ、旬を感じることのできる数少ない果物のひとつではないでしょうか。最近は収穫が早まり、夏の果物というイメージが強くなりましたが、本来は秋が旬。九月から十一月にかけて収穫されます。水分をたっぷり含み、シャリシャリとみずみずしい梨には、肌に潤いを与え、のどの渇きを止め、声がれや咳を止める効果があります。まさに「燥邪」による秋のトラブルを防ぐのにふさわしい旬の食べ物といえましょう。

 

 同じく秋が旬の果物である柿も、咳を抑え、口の渇きを止め、乾燥による呼吸器系の働きを助けます。「柿が赤くなると医者が青くなる」ということわざがあるように、鼻やのどの粘膜を健やかに保ち、免疫力を高めるビタミンCも豊富に含み、寒さの厳しくなる冬に向けて、風邪をひきにくい体をつくるのに大いに役立ちます。
また、いも類や大根をはじめとする根菜類も「肺・大腸」に働きかける旬の食材です。たとえばさつまいもは口の渇きを止めて肺を潤すと同時に、便通を改善して大腸の働きも活発にします。豊富な食物繊維と緩下作用のあるヤラビンという物質の相乗効果により、腸内環境を整えて便通を促してくれます。

 

 その他、食べ物では、豆腐、豆乳、チーズ、手羽先、豚足、鴨肉、きのこ類、松の実、れんこん、モロヘイヤ、白きくらげ、すっぽん、ゆり根、里芋、長芋、海藻類、卵、梨、柿 など
 生薬では、余甘子(よかんし)、沙棘、西洋人参、紅景天、黄耆、枸杞の実、ツバメの巣、哈士蟆油(はしまゆ)、亀甲(きこう)、鼈甲(べっこう) などがおすすめです。


昭和堂薬局 | 2023年8月26日

 

アレルギーはなぜ起こるのか?

 現在、日本人の2人に1人は、何らかのアレルギー疾患にかかっていると言われています。
 アレルギー疾患の中では、「花粉症」の人に多く出会うのではないでしょうか。その他に「アトピー性皮膚炎」「喘息」「アレルギー性結膜炎」「食物アレルギー」などがあります。

 

 アレルギーは、私たちの体にアレルギーの原因になる物質(アレルゲン)が入ってくることにより起こります。花粉、ほこり、卵、ピーナッツ、甲殻類などがアレルゲンです。これらアレルゲンが体の中に入ってくると、これら異物を排除しようとして免疫機構が働きます。

 

 本来、細菌やウイルス・寄生虫などから身体を守る生体防御機構である「免疫」が、体に害を及ぼすことがない物質や食品に対して免疫反応を起こしてしまうことがアレルギー疾患です。

 

 では、なぜアレルギー疾患が増えているのでしょうか。
 その理由は、はっきりわかっているわけではありませんが、よく言われているのが「衛生仮説」です。現代は衛生環境が急速に改善してきたために、本来、免疫の対象であった細菌やウイルス・寄生虫などに出会うことが少なくなったために、花粉やほこりなどの「アレルゲン」に対して過剰反応を起こしやすくなっているという説です。これには、裏付けとなる論文がいくつかあるようです。

 

 実際、昔は感染症で亡くなることが多かったみたいですよね。天皇家や大名などは世子を残さなければならない立場の人たちは、正室以外に何人も側室がいて、びっくりするような数の子供をもうけて、何とか世子を残して家を維持していたのですよね。薩摩の島津斉彬なんて何人も子供作ってみんな亡くなってしまったようですね。(すべてが感染症ではないようですが…)

 

 私たち人間は、衛生環境の悪い中で何とか生きていくための進化によってできた「免疫機構」です。衛生環境がよくなったのは、この四・五十年のことで、人間の歴史から考えるとほんの少しの期間なのです。肥満に対する「飽食の時代」と同じですね。世の中の急速な変化に人間が対応できないんですね。

 

 しかし、日本人全員がアレルギー疾患ではないわけですから、何とかなります。若ければ若いほど可能性が多くなります。(私のところに来てみてください。)


昭和堂薬局 | 2023年7月29日

 

夏に多くなる不眠

 そろそろ、梅雨が明けて本格的に暑い季節になろうとしています。
そんな季節に多くなる症状に不眠があります。暑くて寝苦しいこともありますが、五蔵の理論でいうと、夏は「心」の季節です。

 

 では、東洋医学で夏になるとどんなことが身体で起こるのでしょうか。

 

 夏の暑さが厳しくなり、陽の気が最大になると、この「心」の働きも亢進し、オーバーヒートしやすくなります。

 

 私たちの体は、暑くなると汗を出して、体内の熱を逃がし、上手に体温を調節するようになっています。しかし、汗は同時に、血液中の水分とミネラル分も、一緒に排出してしまうため、血液の濃度は高くなり、ドロドロと流れにくい状態になります。汗をかけばかくほど体温は下がって涼しく感じられますが、一方で心臓は、流れにくい血液を全身に運ぶために、フル活動しているわけです。

 

 この発汗して体温を下げるシステムがうまくいかなくなると、熱中症になってしまいます。
しかし、何とか熱中症は回避しても、「心」がオーバーヒートすると、胸が苦しくなり、脈が早く打つ頻脈になったり、不規則になる不整脈を起こしやすくなります。血液循環も悪くなり、動悸、息切れ、不眠、動脈硬化、ひいては心筋梗塞などの心疾患につながりかねません。

 

 水分補給などで、熱中症や心臓は守れても、動悸、息切れ、不眠などが現れてくるのです。

 

 暑い季節は冷たいものをとったり、クーラーで部屋をガンガンに冷やしたりして身体を過剰に飛躍傾向にありますが、夜眠るためには一度体温を上げる必要があるのです。あえて寝る少し前にお風呂に浸かったり、お腹を温めたりして一度体温を上げると眠りやすくなりますよ。

 

 漢方薬は、重鎮安神薬(竜骨、牡蛎など)、養神安神薬(酸棗仁、遠志など)などを使います。


昭和堂薬局 | 2023年6月30日

 

「生理前に胸が張っるのって普通」と思っていませんか?

 周りの友達がみんなそうだから、私も大丈夫って思ってませんか?特に生理に関してはたまに来るのが楽だからなんて考えてると、いざ子供をつくりたいと思ったときに慌てることになります。生理前に胸があるってことも然りですよ。

 

 月経全症候群は、月経3~10日ぐらい前に精神的・肉体的に様々な症状が現れ、月経がはじまると消える女性の悩みの症状です。イライラしたり、急に悲しくなる、むくみ、過食、便秘など、場合によっては、仕事や日常生活に支障をきたすこともあります。

 

 「肝」は自律神経のバランスや性ホルモンのバランスをコントロールしていますが、実はストレスに影響を受ける臓器なのです。

 

 肝がストレスなどによって上手く働かなくなると、気の流れは悪くなり、性ホルモンのバランスが崩れ、PMSを引き起こしやすくなったり生理不順になったりします。さらに「気」が滞ると、血の流れや水の代謝にも影響を与え、様々な症状となって現れます。


 女性の体は非常にデリケートです。少し歯車が狂ってしまうと大きな不調につながり、ほっておくと後々改善に大変な労力が必要になってしまうこともあるので、早めに対策をしていきましょう。


昭和堂薬局 | 2023年6月3日

 

汗をかく季節になってきました

 段々と蒸し暑く汗をかく季節になってきました。

 

 中医学では汗とはどんなものと考えているのでしょうか?

 

 中医学では、「心は液に在っては汗なり」といわれ、五臓の「心」と関係が深いと考えられています。汗は、津液(体に必要な水)が陽気の作用によって、汗腺から外に出たものと考えます。正常な汗は、体温調節したり、皮膚を潤わせたりします。

 

 汗は暑い時に出ますが、中医学的には、汗と一緒に陽気も外に出すことで、熱を追い出していると考えます。そして適度に熱を追い出して体温調節ができると、陽気は体表面を閉じて汗を止めるのです。
逆に、湿度が高いこの季節では、外湿の影響で汗をかけなくなり、発熱、頭重、身体が重いなどが現れたりします。そんな時は、解表化湿のカッ香正気散という処方を使います。しかし、そうならないためには、日頃から適度な運動や入浴で発汗ができるようにしておきましょう。
熱中症にも注意が必要です。

 

 最初に、中医学的に、汗をかくとは、どんなメカニズムが書きました。津液という体に必要な水を陽気(体のエネルギー)で押し出すことにより起こります。ですから、身体に必要な水と体のエネルギーが奪われてしまうのです。特に、高齢であったり、虚弱体質、大病の後などの方は、エネルギーが少ないので注意が必要です。このエネルギー(気)と体に必要な水を失った状態を、中医学では気陰両虚と言います。気と陰を補う処方は、生脈散です。熱中症の予防に、薄めのスポーツドリンクに溶かして飲むと水分やミネラルも補えるのでいいと思います。

 

 そろそろ、熱中症で搬送されたというニュースが入ってきています。日ごろから予防に努めておくといいですよ。なってしまうと大変ですから…


昭和堂薬局 | 2023年6月1日


横浜ポルタ内にある漢方薬局。あなたの健康な体を取り戻すお手伝いを致します。