『昭和堂薬局』

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不妊治療の保険適応が実施されて2ヶ月が経った

 不妊治療の保険適応が4月から実施され、2か月が経ちました。当店に漢方相談に来ている方達も、それまでの助成金制度で不妊治療を実施していた方達も保険に移行が始まりました。そこで問題になってきているのが、現在行っている治療が保険適応範囲内なのかどうかという問題です。保険適応は範囲が決められています。通院回数や保険適応ができる薬などです。基本的に保険診療の中に自費診療が入ってしまうような混合診療はできませんので、そのようなケースは自費診療になります。一般に効果が認められたもの(スタンダードな治療法)が保険適応になっており、まだ新しい治療法でスタンダードになっていない治療法は保険適応になっていません。しかし、先進医療として子宮内膜検査や子宮内細菌叢の検査などは、保険適応の患者さんでも自費で受けることが可能になっています。

 

 当店のお客様は、スタンダードな治療で保険診療を選択して体外受精した方やスタンダードな治療ではなく自費診療をした方など様々です。(不満を言っている方もいらっしゃいます。)スタンダードな治療でやや不満足なケースでは、漢方や鍼灸で補えるといいのですけど…。

 

 まだ始まったばかりですから、今後その溝が埋まり、多くのお子さんを望んでいるご夫婦が喜んで治療を受けることができるようになるといいなぁと思っています。

 

 しかし、一昔前と比べると格段に進歩したと思いますし、厚生労働省の少子化に対する取り組みは評価に値することだと思います。不妊治療や子育てと仕事の両立支援事業など本気になってきている気がします。

 

 まだまだ満足いく段階には来ていないと思っている方が多いと思いますが、これから、さらに良い方向に向かっていくことを願っています。


昭和堂薬局 | 2022年6月9日

 

不妊の漢方にはコツがある!

 いよいよ、不妊症の保険適用がスタートしています。調剤薬局にはすでに不妊の薬の処方箋が来ているようです。

 

 不妊症の方たちの多くは、不妊症のクリニックで治療を受け、同時に漢方薬局や鍼灸院に行くケースがあります。

 

 中医学では、人によって違いはありますが、生殖を主る「腎」を補います。主に腎陽と腎精を補います。まれに基礎体温が全体に高いケースでは、腎陰も補っていきます。しかし、この際一般的によく知られている「八味地黄丸(腎陽を補う)」や「枸菊地黄丸(腎陰を補う)」では力不足です。

 

 また、仕事(ちょうど働き盛りの年齢)や不妊症から精神的な抑鬱傾向になると、「肝」という臓がうまく働いてくれなくなるので、排卵や月経がスムーズにできなくなってしまいます。これが続いてしまうと「瘀血」という血の滞りが起こってしまい、妊娠しても流産の原因になったりします。

 

 そのほか、女性は毎月月経で気血を経血として出すので、気血の不足を起こしやすく、体質的に脾気虚(胃腸虚弱)だったりする場合は、脾胃を補って気血を十分に作れるようにしていきます。

 

 少し大まかではありますが、こんな事をして妊娠できる体づくりをいていきます。(妊娠率を上げる)
不妊の漢方は、「この処方とこの処方を飲むと妊娠します。」というものではないと思いますし、いろいろな処方を沢山飲めばいいものでもないと思っています。問診して必要最小限から初めて、必要があったら処方を増やす方法を基本に考えています。(漢方薬局によってはたくさんの処方を提案するところもあるようですが…)

 

 また、経験的に足していく順番もあるように感じています。中医学は理論があり、それに従って進めていくと、そこそこうまくいくのですが、その先は経験がものをいう「匙加減」があります。
折角、漢方薬を飲むのですから、自分でネットで調べたり友達がうまくいった物とかではなく、漢方薬局で相談して服用していただいた方がいいのかなあと思います。


昭和堂薬局 | 2022年4月9日

 

いよいよ、4月から不妊治療の保険適応がスタートします

 いよいよ不妊治療の保険適応がスタートします。
 これを機会に不妊治療をはじめる方が多いのではないでしょうか。実際当店店頭でも、不妊治療の保険適応がスタートすることの話題をよく聞くようになってきています。
この機会に不妊治療をはじめる方は、高度不妊治療をすれば妊娠できると思っている方が多いのではないでしょうか。

 

 現在、日本では約15人に1人が体外受精で生まれています。しかし、1回あたりでお子さんを授かるのは20%程度です。そして、初回の体外受精でうまくいかなかったケースは、その後5年間での出生率は49%です。そう考えると高度不妊治療で子供を授かる確率は約60%ということになります。ある報告では、不妊治療のコンプライアンスが十分得られた場合は、妊娠率が15%上昇することが期待できるということです。不安がなく治療を受けることができると妊娠率が上がる可能性があるということになります。

 

 受精・着床・妊娠・出産のメカニズムは、まだわからないことが多くあります。しかし、出生率を上げるためにはメンタル面をケアすることが大切だということです。

 

 中医学においては、生殖を主る臓腑は「腎」です。不妊の中医学的対応は、補腎を中心に考えますが、ストレスによって「肝鬱」という状態にも対応していきます。中医学では、身体のバランスが崩れると妊娠しにくくなると考えるのです。不妊治療中の方が漢方薬を求める方が多いのは、この様な中医学の考え方の基づく、心身のバランスをとることの有用性を感じるからなのでしょうね。

 

 不妊治療が保険適応になることで、高度不妊治療に踏み切った方達は、期待と不安でいっぱいでしょう。これは夫婦で臨むことです。奥さんだけに多くの負担がかかりますが、ご主人もサポートしていかないとうまくいかないことは知っておいていただきたいです。


昭和堂薬局 | 2022年3月29日

 

不妊治療は、コロナ禍でも待ったなし

 「厚生労働省は1月26日の中央社会保険医療協議会(厚労相の諮問機関)に、不妊治療について、公的保険適用対象となる治療の適用範囲などを盛り込んだ診療報酬の改定案を示す。」こんなニュースが飛び込んできた。

 

 いよいよ4月から不妊治療の保険適用がスタートする。これを待っていた人たちも多いのではないでしょうか。

 

 しかし、生殖の力は28歳頃をピークに加齢によって衰えていきます。漢方的な表現をすると腎の力の衰えで妊娠しにくくなります。 ということは、なるべく早い段階で妊活を進めていった方がいいということになります。

 

 では、腎の力を保つもしくは衰えさせないためにはどうすればいいのか?時間を止めない限り加齢を止めることはできません。しかし、加齢による衰えは個人差が非常に大きいのです。毎日食べている物や睡眠時間を含め生活習慣などで大きく変わってきます。

 

 ここ数年、当店に不妊で漢方相談にお見えになる方のほとんどは共働きです。その中で仕事の忙しさによって衰え方に違いがあるように感じます。その中でも、睡眠時間が短いケースは婦人科系の不調が多いと感じます。

 

 また、腎の力を補うものの中で妊活によく使う生薬は、鹿茸、紫河車(胎盤エキス)、亀板などがあります。少し乱暴な分け方ですが、鹿茸は腎陽と腎精、紫河車は腎精、亀板は腎陰を補います。卵胞の発育状況や基礎体温の高低などから判断して使い分けていきます。

 

 月経周期を整えることは腎だけの問題でないことが多いので、状況に応じて漢方を組み合わせていくことになりますので、ご相談いただけるとよろしいかと思います。


昭和堂薬局 | 2022年2月2日

 

妊娠悪阻(つわり)

 妊娠6~12週ごろに悪心嘔吐があって食べることが嫌になったら食べ物の臭いが嫌になったりして、食べると吐いたり、酸っぱい物や塩辛い物を好み、ふらつきや倦怠感があるものを悪阻(おそ)と言います。
 軽症の場合は様子を見るケースが多いと思いますが、重症の場合は治療が必要になります。

 

① 元々脾胃虚弱(胃腸虚弱)な人が妊娠すると、益々胃が虚してしまうため胃気を下降できず、逆に上逆してしまうため悪阻(つわり)になります。
② 元々感情の変化が激しかったりすると肝気が鬱滞しやすくなりその影響で胃気が下降できず、逆に胃気が上ってしまうので悪阻(つわり)になります。
③ 胃が虚していると痰飲が生まれ、それが邪魔して胃気が下りなくなるために悪阻(つわり)になります。

 

 治療は、それぞれ①の場合は、脾胃を補って胃気が下りる様にします。②の場合は、肝気を伸びやかにして胃気が下りる様にします。③の場合は痰飲を取りはぶき胃気が下りる様にしていきます。

 

 辛いようでしたら、漢方薬を飲んでみるといいと思います。


昭和堂薬局 | 2021年12月28日

 

中医学による妊娠期に必要なこと

  •  妊娠期は、妊婦の健康と胎児の正常な発育を保護する必要があます。
  • ① 適度な運動と休息
     「産孕集」という古典には「妊娠中には、起居飲食ともに緩和であることが最上である。安静が過度となると気は滞り、過度の労働をすると気が衰える」と述べられています。妊婦は規則正しい生活をし、過度な労働、重い物を持つ、高い所に上るなど危険なことは避け、胎児を損傷しないように注意しましょう
    ② 適度な食事
     妊婦の飲食は、あっさりとした味で消化しやすく、栄養豊富なものが適しています。
    ③ 胎育に注意する
     妊娠後は、視るもの、聴くもの、言動、思想などすべてを正すと、胎児もそれによって感化される。「葉氏女科証治」では、「出産前には静養することが最も大切である。良し悪しを比較しなければ気は損傷しない。損得を争わなければ神(心)は疲れない。心が嫉妬しなければ血は自然と充実する。安寧で閑静にしていることが胎育である。」と書かれています。
    ④ 房事を慎む
     妊娠3か月以内、妊娠7か月以後は、流産、早産、邪毒感染を予防するため房事(性交)は避ける。
    中医婦人科にはこの様な事が書かれています。
  •  私も、不妊で漢方相談に来ている方が妊娠すると、妊娠中にどんな事を(養生)すればいいのか質問されますので、このような事は言っています。
     「動かな過ぎてもダメ、動きすぎてもダメ」って難しいですけど、家事など日常生活は普通にするってことだと思います。
     初めての妊娠だと不安ですもんね。

昭和堂薬局 | 2021年12月21日

 

不妊治療の保険適応のニュース

 12月15日、厚生労働省は来春から始まる不妊治療の公的医療保険の適応について、中央社会保険医療協議会に方針案を示し、大筋で了承されました。

 

 不妊治療開始時に子供一人に対し、40歳未満で6回、40歳以上43歳未満で3回までを上限とする。男性の年齢は設けられていない。

 

 治療法や検査は体外受精や顕微授精、男性に対する勃起障害の治療薬など、日本生殖医学会のガイドラインが「強く推奨」「推奨」とするものを原則として保険適用する方針です。

 

 こんなニュースが飛び込んできました。不妊で悩んでいる人たちで該当する方は喜んでいらっしゃるでしょう。

 

 私が受けた印象は、助成金とそれほど変わらないのでは?と思ったことと、私たちの所に相談にお見えになっている方の中には年齢で該当しない方もいらっしゃいます。しかし、日本も少子化対策に一歩前進ということは、喜ばしいことなのかなぁと思っています。


昭和堂薬局 | 2021年12月15日

 

11月19日は「国際男性デー」なんだそうです。 ―男性不妊を考えたときー

 

 男性に健康に関する問題として気になっていることが、男性不妊です。欧米諸国では、この40年間で精子濃度が50~60%低下しているとの報告があるようです。不妊の原因の半数は男性側にあります。しかし、精子濃度が半分に減ってしまっては…

 

 日本では、長い歴史の中で子供ができない夫婦は女性側に問題があると思われていました。現在は、そんなこと思う人はいないのでしょうが…

 

 しかし、不妊に悩む夫婦が最初に行くのは婦人科ですよね。イメージは昔のままなのです。また、妊活の漢方相談をしていて思うのは、ほとんどの男性が奥さん任せです。一緒に来る人の方が圧倒的に少ないです。これってどうなのですか?妊活に対する温度差?

 

 医療体制も大きな差があり、男性不妊に対応している泌尿器科医師は、全国に72人しかいないそうです。現在、15人に1人が高度不妊治療の体外受精で生まれているくらいの現状なのに…、その中には男性側の治療ができれば普通に妊娠できたかもしれないですよね。(過去に漢方相談に来ていた方に、ご主人の精子の問題で体外受精を選択された方がいらっしゃいました)

 

 男性不妊の中で最近増えているのが性機能障害なようですが、これは性教育の問題もあるようです。男の子にもきちんと性教育をしていく必要があるのです。ネットなどで間違った知識を持ってしまうことで、射精障害に至っていることも多いようです。(過去に当店にも相談が来ましたが…)

 

 原因によっては、漢方薬が効果的なケースもあると思いますし、逆に器質的な原因だと泌尿器科で手術が必要なケースがあると思われます。

 

 性ホルモンは、男性でも女性でも脳からの指令で精巣や卵巣で作られますから、このストレスの多い世の中で影響を受けるのは避けられないかもしれませんが、生活習慣や食生活の改善を見直すことを並行しながら治療をしていくといい結果が出やすいんじゃないかと思います。

 

 男性も結果を恐れず、悪い結果であっても逃げずに向き合っていけると子宝という目標を授かれるのではないかと思います。


昭和堂薬局 | 2021年11月19日

 

妊娠に必要な「心」の安定

 身体に対する不安は、誰にでもあることです。特に「妊娠したい」「子供が欲しい」と思っていても中々できないと不安になるものです。しかし、その不安が思いとは逆に妊娠しにくい状況をつくってしまっている場合もあります。その不安を取り除くことでよい結果に繋がっていくのです。

 

 女性の性ホルモンの流れは、脳下垂体―視床下部―卵巣と流れていきます。この軸の中で促進したり、抑制したりしながら、ひと月の周期を繰り返していきます。ストレスなどで、この流れがうまくいかなくなると生理不順や無月経、不妊症などになってしまいます。中医学的にも、西洋医学と同じような心―腎―子宮という生殖軸があり、この流れがうまくいかないと、安定した月経周期にならなくなります。西洋医学も中医学も表現は違いますが同じことなのです。

 

 中医学でいう五臓の「心」は、心=神で情志活動を担っています。(簡単に表現するとメンタルです。)また、子宮と心は繋がっていると考えます。心は全身の血脈を主っていますので、心血と心気が下降して月経を形成しています。そして、流れてきた気血が旺盛であれば、妊娠・胎育に有利になるのです。

 

 「心は神明(メンタル)を主る」ので、心配したり考え込んだり、心(こころ)に引っかかることがあったりすると心気が下降できなくなり、無月経や月経不順、不妊症などが起こります。

 

 中医学では、生殖を主る臓腑は「腎」です。腎の力がみなぎり、天癸という陰精が一定以上に満ちてくると生理が起こり、子供が作れるようになるのです。しかし、「腎」と「心」は対極にありバランスをとっている関係にあるため、どちらかが強くなったり、弱くなったりするとバランスが崩れてしまうのです。

 

 現代社会は不安がたくさんあります。子供をつくる(妊娠する)ということに対する不安も当然あると思います。今まで多くの人の妊活をお手伝いしてきましたが、不安がない人はいないと思います。みんな不安を抱えながら漢方相談に来ているのです。

 

 この様な人たちが漢方薬を飲むことで不安が薄れてくると結果に繋がっていくのです。

 

 中国の有名な中医師の先生方も、中医学の安神法を婦人科疾患の治療に使っているようです。私も妊活の過去の処方を振り返ると安心薬が含まれている処方を使ったりしています。

 

 女性の体は非常にデリケートです。心の少しの不安が身体に影響しているのですよ。

 

 うまくリラックスできるといいですね。


昭和堂薬局 | 2021年11月13日

 

子宮内細菌叢(子宮内フローラ)

 我々人間のさまざまな部位で常在細菌が注目されています。われわれ人間は細菌と共に生きています。常在細菌に助けられながら生活していると言ってもいいくらいです。
 以前は、子宮は無菌の状態だと考えられていました。しかし、1980年代に子宮内において細菌の存在を示唆する報告があり、その後、子宮内細菌叢の存在を裏付ける報告がなされました。
 近年は、細菌の解析技術の進歩により、子宮内常在菌の存在が明らかになりました。

 

 子宮内細菌叢の関する報告は多くありませんが、ラクトバチルス属が優位な状態が着床・妊娠維持に有益であることが言われています。
従来から皮膚・腸・口腔内などの細菌叢はよく知られています。また、その細菌叢の異常が糖尿病などの生活習慣病、アレルギーなどの疾患との関連が明らかにされています。膣内においてもその存在がよく知られており、その乱れが細菌性膣炎などお引き起こすとされています。

 

 子宮内細菌叢に関してはほとんどわかっていないのが現状ですが、構造的に腸と同じように、子宮内膜をムチン層が覆っているなどの共通点もあり、子宮内細菌がないかをしていることは明らかではないかと思われます。しかし、子宮内細菌叢がどのような状態が妊娠成立・維持に適しているのかはわかっていません。

 

 疫学調査では、腸内細菌叢が悪い状態になると妊娠中毒症や流産の原因になるという報告があります。また、同一人物の腸内細菌叢と膣内細菌叢は似ていると言われています。構造的に膣と子宮内細菌叢は似ていそうです。妊活中の方は腸内細菌叢をよくするようなことをしておくといいのかのしれませんね。


昭和堂薬局 | 2021年10月12日


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