『昭和堂薬局』

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ヤセ菌とデブ菌

「年末年始のイベントなどで食べ過ぎて太っちゃったけど痩せられない」という人が多いのではないでしょうか

最近の研究で、腸内細菌叢の変化が宿主である私達のエネルギー調節や栄養の摂取、免疫機能等に影響し、肥満や糖尿病などの代謝異常と密接な関係があることが明らかになってきました。(以前もコラムでお話ししていますが…)

皆さんご存知のように、過度の食事が肥満へとつながります。そして、体の見えない部分では、腸内細菌叢が変化していたのです。その変化が更に太りやすくしているのです。

健康番組などでも紹介されているので、ご存知の方は多いと思いますが、「デブ菌」はファーミキューテス(Firmicuties)門に属する菌です。「ヤセ菌」はバクテロイデス(Bacteroides)門です。ファーミキューテス門には200近い属がありますので、菌の種類は莫大な数にもぼるので、どの辺の菌が肥満に関係しているのかはわかっていませんが、ファーミキューテス門の菌が太ると増え、痩せると減ることは事実です。

一般的に腸内環境をよくするには、「ヨーグルトを毎日食べよう」と健康番組などでは言われています。でも、ヨーグルトに含まれる菌の中に以外に、ファーミキューテス門に属する菌があるんですよ。これらの菌が我々の腸の中で肥満の加勢をしているかはわかりませんが…

また、ヨーグルトは体を冷やしますから、冷え性で代謝が落ちている人には、益々太る方向に行ってします可能性もあります。

日本人には、麹菌や酵母菌、納豆菌などの昔ながらに日本人が摂ってきた菌が、体に合っているのかもしれません。

体にいいと思って毎日食べていたものが、もしかしたら逆効果?
意外な落とし穴に要注意ですね。


昭和堂薬局 | 2017年2月3日

 

肥満遺伝子

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 日経サイエンスに“姿現す肥満遺伝子”という題目のお正月明けで気にしている方も多い肥満について興味深い記事が載っていたのでご紹介させていただきます。

 

 今日、現代人の肥満が問題視されています。肥満が原因で糖尿病などの生活習慣病が増えてきました。その原因はある遺伝的な変化が原因ではないかというものです。
 人類の祖先となった類人猿は,ある種の酵素の遺伝子が変異した結果、飢餓を生き延びたとみられています。現代における肥満と糖尿病の蔓延は,大昔に生じたこの遺伝子変異のせいである可能性が浮かび上がってきました。
 その遺伝子変異は“ウリカーゼ(尿酸酸化酵素)”という酵素の遺伝子に生じたもので、この“ウリカーゼ”はもともと尿酸を分解する酵素で、この酵素の遺伝子が変異したことによって食べた物を、その場でエネルギーとして燃焼するのではなく脂肪として蓄えられるようになったからだと言っています。しかし、飽食の時代の現在では、この変異が肥満や糖尿病の一因になっているというのです。

 現代の多くの人が慢性的に贅沢な(欧米型)食事を摂り過ぎているため、尿酸を分解する“ウリカーゼ”を持たない人間は尿酸が上昇してしまいます。しかし、食習慣によってこの上昇は変化し、人によってはその食生活で尿酸が上昇したりしなかったりするのです。その原因食品の一つに果糖があげられています。確かに生成された砂糖や加工食品などに使われる異性化糖(ブドウ糖果糖液など)が多く使われています。これらが増えるにつれますます肥満や糖尿病が増えていると指摘しています。これら精製された果糖を減らし、その分新鮮な果物などからとれば、果糖や尿酸の影響を抑えるビタミンCや抗酸化物質が含まれるので様々な病気の予防につながるだろうと述べています。

 

 日経サイエンスで述べている疫学調査や科学的理論については割愛しますが、自然に近い食べ物を食べ、適度に運動することが現代人には必要だと思われます。確かに簡単に摂れる便利な食べ物や飲み物が重宝されていますが、それによって病気が起こっているのであれば、すぐにでも止めたいですよね。


昭和堂薬局 | 2016年1月11日

 

ダイエットを成功させるためには…

世界的に肥満が社会問題になっており、日本もその例外ではなく成人男性では約30%、女性で約20%がやや肥満または肥満であるそうです。以前より肥満がいろいろな病気の原因になることは、このコラムでお話してきました。糖尿病などの生活習慣病はもちろん、ガンや認知症に至るまで様々な疾患との関係が指摘されています。
 このような中、巷ではダイエット飲料やカロリーゼロをうたった商品が続々と発売され、ヒット商品になっているようです。しかし、それら商品に使われている人工甘味料が逆効果になることや体に害になるという報告も出てきています。
 これらの商品は体重を気にされている方が体に良いと思って使っているのでしょうが、ダイエット飲料やカロリーゼロ商品で逆に肥ってしまっては元も子もなくなってしまいます。
 そこで、「カロリーゼロにだまされるな」という本に紹介されていることをご報告しながら、ダイエットを成功させるために「これら商品は使っていいのか?」をお話ししたいと思います。

 人口甘味料には「ホルモンに作用する」「味覚を鈍化させる」「依存性がある」の3つがあり、このことで逆効果になってしまったり、過剰に摂りたくなったり、より甘いものを求めてしまったりするようです。
 この3つの効果が世の中の定説になっているのかは、まだ疑問が残るところですが、人工甘味料が不自然な甘さであることは確かです。ではこれら人工甘味料がどのくらいの甘さなのかご紹介します。
 サッカリンは砂糖の200~700倍、アスパルテームは160~220倍、アセスルファムカリウムは200倍、スクラロースは600倍、さらに新しい人工甘味料のネオテームは7000~13000倍の甘味…
 これだけの甘味があるにもかかわらず、摂っても血糖値が上がらないことが体にとって非常に不自然なことであり、通常砂糖を摂ると甘さを感じ、消化管から吸収されて血糖値が上がります。私たちは舌で味覚を感じます。最近ではこの味覚を感じる受容体がいろいろな臓器にあることが解ってきました。身体の様々なところに存在している味覚受容体がどのような働きをしているかは完全には解っていませんが、消化管の味覚受容体が甘味を感知すると消化管ホルモンが分泌されインスリンの分泌を促しているようです。
 私たちが人工甘味料を摂取すると甘味は感じるのに血糖値は上がらない、けれどインスリンは分泌されるということが起きる。つまり体がだまされてしまっているのです。この不自然な反応が体にいいとは言えません。
 少なくともこれら商品をダイエット目的で積極的に摂っているのであれば、現段階ではやめておくのが賢明だと思います。
 当店ではダイエットに関するご相談を承っておりますので、お気軽に店頭にてご相談ください。


昭和堂薬局 | 2014年2月20日

 

太ってしまうのはなぜ?

 肥満が社会問題になっています。
 ダイエットは肥満でお悩みの方の永遠の課題で、様々なダイエット方法が話題になっては消えていきます。また、肥満と生活習慣病の関係が大きな問題となり、肥満の研究が盛んに行われ、肥満のメカニズムが解ってきました。
 少し前までは、摂取カロリーと消費カロリーのバランスや遺伝などがいわれていましたが、それらでは説明ができなくなっています。

 では、どのようにして太っていくのか簡単に説明していきましょう。
 現代は飽食の時代となり人々は高栄養食を摂るようになり、腸内に棲息する細菌に変化が生じ、グラム陽性菌と呼ばれる菌が増えることになりました。このグラム陽性菌が増えるということはおおざっぱにいうと腸内環境が悪くなることを意味します。
 腸内環境が悪くなると腸管の細胞に影響を及ぼし、腸管のバリア機能が悪くなってしまい容易に体にとって不必要なものまでが通ってしまいます。これと同時に高栄養食を摂っているために栄養が使いきれずに脂肪細胞に脂肪として蓄えます。
 過剰にためてしまった脂肪の影響と体にとって不必要なものが腸管を通ってしまったことで、脂肪組織に弱い炎症(慢性炎症)が起こります。この慢性炎症は脂肪組織にとどまらず、全身、および脳でもこの慢性炎症が起きてしまうことがわかってきました。
 脂肪細胞に脂肪がたまるとレプチンというホルモンが出て、脳に栄養がたくさんあることを伝えます。また、食事によって栄養素(糖質、脂質、アミノ酸)の血中濃度が上がるとこれを脳がキャッチします。この二つの情報で脳は「食べるのをやめなさい」と「脂肪を燃やしてエネルギーを作りなさい」という命令をするはずが、脳においても慢性炎症が起きているので命令が出せなくなってしまいます。この結果、命令がこないことによってどんどん食べてしまい、脂肪も燃やさない状態になり、ますます太っていってしまい慢性炎症もさらに悪化し、生活習慣病に至ってしまいます。
 これらを改善していくためには腸内環境を整えることと慢性炎症を抑えることです。腸内環境を整えるには、やはり腸内細菌の善玉菌を増やすこと、食物繊維をきちんと摂取して腸の上皮細胞を刺激して腸管をいい状態に戻すことが必要です。また、慢性炎症を抑えるためには抑制系の脂肪酸であるオメガ3系(魚油など)を積極的に摂ることです。
 これからクリスマスやお正月で美味しい物をたくさん食べてしまう時期です。ますます…
 今までどんなことをしても痩せなかった人は一度ご相談ください。


昭和堂薬局 | 2013年12月20日


横浜ポルタ内にある漢方薬局。あなたの健康な体を取り戻すお手伝いを致します。