『昭和堂薬局』

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ポジティブな感情がアレルギー反応を緩和する

 「医学のあゆみVol277.No13」という雑誌のトピックスに、「脳内報酬系の活性化はアレルギーを緩和する」が載っていました。

 

 それは、「花粉症や気管支喘息、アトピー性皮膚炎などのアレルギー疾患の臨床試験では、患者の前向きな感情が薬効と無関係に治療効果を高め“プラシーボ効果”が強く出て、薬効評価が困難になることが多い」らしいのです。そこで、マウスを使って、実験的に前向きな状態である脳内ドパミン報酬系を活性化して、アレルギー反応に与える影響を研究しています。

 

 結果、前向きな感情をつかさどるドパミン報酬系の活性化はアレルギー反応を緩和する。また、ポジティブな精神状態を生み出す脳内ネットワークとアレルギーを生じる免疫の仕組みが密接にリンクしていることを証明しました。

 

 以前より、プラシーボ(偽薬)効果は、この薬が効くのではないかという期待が報酬系を活性化して起こっているのではないかと言われていました。それを実証した事と神経が免疫系を調整し、アレルギー反応を緩和したことを証明した事は、単なるアレルギー症状を緩和する抗アレルギー剤では解決できなかった。本当の意味でアレルギーを治す事への可能性が見えてきたことではないでしょうか。

 

 東洋医学では、起こっているアレルギー症状から体の変化を東洋医学の尺度で判断し体のバランスを整えて症状を起こらないようにしていきます。また、養生していただくことで再度同じ様な状態にならないようにしていきます

 

 多くの方がアレルギー疾患で苦しんでいますので、もし、自分でポジティブな脳の状態を意識的に作ることができれば、アレルギーが緩和されるのかもしれませんね。ネガティブな思考の人が病気になりやすいのですが…


昭和堂薬局 | 2021年8月17日

 

もうすぐ、花粉症の季節がやってきます

 スギ花粉症の時期が近付くとともに、少しずつアレルギー性鼻炎を訴えている方が多くなってきています。
アレルギー全般、気管支喘息、アトピー性皮膚炎、食物アレルギーやアレルギー性鼻炎(花粉症)は、世界的規模で増加しており、日本人の約4割がアレルギー性鼻炎になった経験があると言われています。

 

 これらのアレルギー疾患は、いまだに解明されていない部分が多く、多くの研究者が精力的に研究し少しずつ明らかになっています。

 

 また、アレルギー疾患発症に腸内細菌叢が関わっていることが明らかになり注目されています。そのような中で、ヨーグルトなどの発酵食品がブームとなっています。しかし、このブームに警鐘を鳴らす専門家もいます。

 

 確かに、アレルギーのメカニズムは複雑で、またそれに関わる腸内細菌叢は個人差が大きく、細菌の種類も莫大な数があります。これにヨーグルトなどに含まれる乳酸菌を摂っただけで簡単にアレルギーが改善していくとはあまり思えません。人間の身体は、そんな簡単に変わるものではありません。

 

 腸内環境の部分でいうと、乳酸菌だけでなく短鎖脂肪酸が関係していることがわかってきています。この短鎖脂肪酸を産生する菌が必要になるのです。しかし、その菌がいても食物繊維を食べなければ作れないのですが…

 

 中医学的には、花粉は邪気です。邪気の侵入を防ぐためには体の表面を流れている気(衛気)が重要です。この衛気が充分あると邪気の侵入を防いでくれます。

 

 店頭でよく経験することは、花粉症以外の疾患の相談で漢方薬(補気薬)を服用していると花粉症の時期に症状が緩和することです。この衛気を増やす漢方薬の代表が玉屏風散(衛益顆粒)です。

 

 春に向けて食生活の見直しや漢方薬やプロバイオティクスなどで、花粉症の克服にチャレンジしてみてはいかがですか


昭和堂薬局 | 2019年1月23日

 

「新アレルギー治療~鍵を握る免疫細胞~」NHKスペシャル

 

 

 NHKスペシャル「新アレルギー治療~鍵を握る免疫細胞~」が4月5日に放送されました。

 

 放送では、抑制性の免疫細胞であるTreg(Tレグ)について解説していました。T細胞という免疫細胞はいくつか種類があり、現在はTh1、Th2、Th9、Th17、Th22、Tregなどが解っています。その中で、Tregは、抗原特異的に免疫応答を抑制し、免疫寛容(無害なものに免疫応答しないこと)維持・過剰な免疫応答の抑制に働きます。Treg細胞は胸腺由来のnTreg(natural Treg)と消化管で誘導されるiTreg(induced Treg)があります。消化管では食べ物などに対して免疫寛容をし、人間と共生している腸内細菌を免疫的に無視するように働いていると考えられています。また、消化管においてグラム陰性菌のクロストリジウム属の細菌がTreg細胞を誘導していることがわかってきています。このクロストリジウム属細菌は、土壌中や動物の消化管などに成育している菌です。放送中にありましたアーミッシュの人達が原始的な生活の中で家畜の面倒を見ていることがTregが多かった理由に挙げていますが、家畜や土壌に多く成育するクロストリジウム属菌に多く接している環境だとも考えられます。しかし、現代社会で生きる我々はどうすればいいのだろうか?いきなりクロストリジウム菌を大量に浴びてしまうのは危険です。クロストリジウム属菌の中にはボツリヌス菌という危険な菌もあります。また、現在の日本の除菌ブームは異常に感じます。たしかに、食中毒を考えると、まな板や包丁などは清潔に保った方がいいと思いますが、布団などは消毒液を掛けて殺菌するのではなく日光に当てた方がいいと思います。宣伝にあるような吹き付けるタイプの消毒液は界面活性剤系の消毒液で、吹き付けた後水分が蒸発した状態で高濃度になった、この消毒液が皮膚粘膜に付着することは避けたいものです。

 

 放送中で、ピーナッツオイルが入ったスキンクリームを乳児の時に使っていてアレルギーになったことが紹介されていました。ピーナッツのアレルギーは皮膚でアレルゲンとして認識してしまいピーナッツアレルギーになることは有名です。日本でも「〇〇のしずく」という石鹸で小麦アレルギーになった人が出て話題になりました。その他、セサミオイル(ごま油)を使ってアレルギーになる人もいます。皮膚は本来、外界の刺激から守るバリアになっています。しかし、何らかの原因でこのバリアがうまく働かずに免疫に反応してしまい、それをきっかけにこれらのアレルゲンを含んだ食べ物を食べてしまいアレルギーを起こしてしまうのです。また去年、国立成育医療センターが親や兄弟にアトピーがある乳幼児のスキンケアでアトピー発症が3割減少したと発表しました。この皮膚のバリア機能を保つことでアレルギーを減らすこともできるのです。スキンケアをすることは正解なのですが、使用したものにアレルゲンになり得る成分が入っていたことでアレルギーになってしまったのです。

 

 NHKスペシャルでは、最新治療として花粉症に対する舌下免疫療法が紹介されていました。これは、少しずつ花粉を体内に入れることで激しいアレルギー反応を抑えつつ、花粉専門の制御性T細胞(Tレグ)を増やす治療法です。しかし、スギ花粉に対するアレルギーを抑えることはできる可能性はありますが、他のもののアレルギーに関して効果はありません。また、アレルギーの人は、Treg自体が少ないので、この舌下免疫療法をしても効果のない人もいます。

 

 今、自分の免疫を正常にしていくためには、腸内環境を整えて腸内細菌のバランスをよくし、腸管での免疫応答を正常にしていくことです。そのためには、バランスの良い食事を心がけ、食物繊維や発酵食品をしっかり摂り腸内環境を整えていくことです。また、病気全般に言えることですが、アレルギーや肥満、生活習慣病、自己免疫疾患、ガンなど様々な病気は慢性炎症が関係していることが解ってきています。その慢性炎症を少しでも抑えられる可能性のあるものが、ω-3系脂肪酸です。最近、健康番組でやっているαリノレン酸で亜麻仁油やえごま油に含まれます。現代人は炎症を起こす時に使われるリノール酸を多く摂り過ぎていることも慢性炎症を起こしやすくしているのです。

 

 少しでも食のバランスを考えて、病気が生まれない身体にしたいですね。
 どうしてもという方は、サプリメントなどの代用品もありますのでご相談ください。


昭和堂薬局 | 2015年4月13日

 

また、今年もアレルギーの季節が近づいてきました。

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 花粉症が大きく話題になる季節が近づいてきました。花粉症でお悩みの方々にとっては嫌な時期ではないでしょうか?
 花粉症をはじめとするアレルギー疾患は、いまだに対症療法しかなく根本的な治療法が見出されていません。
 しかし免疫に関しての基礎研究は、この数年で画期的に進歩してきているのも事実です。免疫反応には、自然免疫、獲得免疫の二つがあります。
 

 自然免疫は、私達の体に花粉やハウスダストといった異物が入ってきた時、最初に対処する免疫反応で、この反応を担当する細胞としてマクロファージや樹状細胞があります。これらは、体内に入ってきた異物(抗原・アレルゲン)を獲得免疫系細胞(T細胞)に提示します。抗原を提示されたT細胞はこの抗原に対し免疫反応を起こします。
 簡単に免疫反応を述べると、花粉症の場合Th2細胞が抗体産生細胞であるB細胞に指令を出しIgE抗体を産生させて対応します。これによりマスト細胞などが動員されてケミカルメディエーターという物質が放出されてアレルギー反応が起こります。
 しかし実際、身体の中ではものすごく複雑な反応が起こっています。例えば、IgE抗体産生もTh2細胞だけでなくTfh細胞も関係している可能性があり、獲得免疫系細胞が動き出す前に、自然リンパ球なるものが存在することも解ってきています。(自然リンパ球と獲得免疫系のT細胞も関係性の詳細については、まだ解っていないのですが…)
この様に、部分的には劇的に進歩している免疫ですが、まだ解らないことが多く残されていて根本的な対策が見出されていないのです。
 

 そのような中、あらゆる病気に免疫が関わり“慢性炎症”という状態が病気を誘発していることも解ってきています。この“慢性炎症”は、肥満や糖尿病などの生活習慣病や自己免疫疾患、アレルギー、がん、認知症などあらゆる病気に関係しています。
 しかし、これらの病気の根本的な治療法が見出されていないのも事実です。
 最近の研究から解っている事の中でどんな事をすればこの“慢性炎症”を鎮めることができるのでしょうか?

 

 免疫学の専門書等を読んでいると、私達が日常生活で行うことで慢性炎症を鎮める可能性があることとして、腸内環境の改善と炎症を抑制する脂肪酸(油)の摂取ではないかと思われます。
 腸内細菌がT細胞を誘導していると言われています。腸内細菌の中で善玉菌である乳酸菌はTh1とTh2のバランスに関係しており、クロストリジア系の細菌がTh17細胞(自己免疫疾患に関係するT細胞)を誘導しています。またセグメント細胞が抑制能の強いTreg細胞を誘導していることが解っています。
 また、免疫が動くことにより良きにつけ悪しきにつけ炎症が起こりますが、これを終息させるためにαリノレン酸(ω3系脂肪酸)系が炎症を抑制し、免疫を終息させていきます。

 

 これらのことから、私達ができることは発酵食品の積極的な摂取と抑制系の脂肪酸であるシソ油や亜麻仁油、魚油のEPAなどの積極的な摂取です。日本人は伝統的な発酵食品や魚を多く食べてきました。しかし、現代の日本の食卓は欧米食が多くなり、それに伴い炎症を促進する脂肪酸(油)である大豆油やコーン油などの油を多く摂るようになり、発酵食品が敬遠され、その発酵食品として販売されているものも品質を簡単に維持するために菌を殺し保存料を入れて出荷しています。
 本当の意味での発酵食品ではなくなってきているのです。

 

 これらの事を解決していくには食生活の見直しが必要だと私個人は思います。自分たちが毎日食べるものですから、もう一度見直してみましょう。病気を予防する方法が見えてくると思います。
 どうしても食事の改善が難しい場合は、食に繋がる様な健康食品の力を借りるのも一つの方法でしょう。
 食事や生活環境を見直し、花粉の季節を元気に乗り切りましょう。あなたに合った改善方法を私達と一緒に考えてみませんか?ご相談をお待ちしております。


昭和堂薬局 | 2015年1月7日

 

今年こそ、花粉症を克服しよう!

 気象情報会社ウェザーニュースは1月29日、関東地方で花粉シーズンが始まったとの発表をしました。
 同社によると、今シーズンは昨年の花粉飛散量の8割程度だが平年と比べると1割程多いということです。
 今年の花粉の飛散量は昨年に比べ少ないとのことですが、花粉症の方は程度の差はあるものの、アレルギー症状は出ます。全国の耳鼻咽喉科医とその家族を対象とした2008年(1月~4月)の鼻アレルギー全国疫学調査で花粉症を有する方は29.8%という報告があります。この数字が日本国民全体にそのまま当てはまる数字とはいえませんが、それほど遠い数字ではないでしょう。

 では、なぜこれほど多くの方が花粉症になってしまったのでしょうか?
 これが原因というものは分かっていませんが、食生活や生活習慣、社会的問題などが考えられます。
 その中で私たちの努力で変えることが出来ることは食生活ではないでしょうか。
 便利で簡単に食べられるインスタント食品や加工食品を多くの方は利用しています。しかしこれらの多くには油が使われています。
 油の分類は4種類あり、動物の肉に含まれる飽和脂肪酸、オリーブオイルで代表される一価不飽和脂肪酸、サラダ油などのオメガ6系多価不飽和脂肪酸、シソ油などのオメガ3系多価不飽和脂肪酸があります。
 これらの脂肪酸のうちアレルギー性炎症に大きく関わるのがサラダ油に含まれるオメガ6系脂肪酸で、この脂肪酸は炎症を起こす油であり、その一方で炎症を抑える油、オメガ3系の脂肪酸摂取が減っていることが、更に炎症を強くしています。

 もう一つアレルギーに関わっているのが腸内環境。
 湿度の高い日本に住む私達日本人は胃腸が弱く、東洋医学では高い湿度のことを”湿邪”と呼び、この”湿邪”は胃腸機能を低下させるため便秘や下痢をする方が多いのです。

 今年は花粉の飛散が少ないのでチャンスです!
 前述したように今年は花粉の飛散量が少ないと言われているので、症状が軽く楽に過ごせる可能性があり、今年こそ食生活を改善し、アレルギーを克服するチャンスです!

当店からのあなたへの提案
その1:油を変えよう!
一般的な油であるサラダ油であるω6系脂肪酸の油をできるだけ控え、シソ油などのω3系脂肪酸を積極的に摂りましょう。

その2 腸内環境を改善しよう!
食物繊維や発酵食品(納豆やヨーグルトなど)を積極的に摂って腸内環境を改善しましょう。

その3 漢方で胃腸を丈夫にしよう!
日本人は胃腸虚弱な人か多く、胃腸を丈夫にすることが花粉症を克服することにつながります。

その1,2はサプリメントを利用する事で手軽に変えることが出来ます。
その3はその人の体質や傾向から当店があなたに合った漢方薬をお作りします。

花粉症を克服するためには早めの対応がカギになります。店頭にてお気軽にご相談下さい。


昭和堂薬局 | 2014年1月31日

 

意外に知らない秋の花粉症の原因

ネット配信の健康記事に次のようなニュースが掲載されました。
エスエス製薬では、秋の花粉症に関する意識と実態を探ることを目的に、全国の20代から50代の男女400名の秋の花粉症ランナー(※全国の20代から50代の男女400名で、秋の花粉症または花粉症のような症状を発症し、週に1回以上ランニングをしている人)を対象に調査を行なった。調査の結果、スポーツの秋にランニングを楽しむ人が多いこの季節に、秋の花粉症がランニングに悪影響を与えている事実や、鼻水を気にしながら走る人が多い実態も明らかとなった。ランナーに関しては、マスクを着用したまま走ったり、鼻炎薬を飲んで対処していても、眠気を感じるなど、適切な秋の花粉症対策ができていない人も多く、適切な対処をすることで、より快適な日常生活、ランニング生活を送ることができると考えられる。
秋の花粉症の症状について、薬を飲んでいない状況でランニングに限らず仕事や勉学、スポーツなど日常への影響があるかどうか質問したところ、「日常生活に非常に影響がある」及び「日常生活にやや影響がある」)と回答したのは51.3%となり、実に2人に1人は秋の花粉症が日常生活に影響していることがわかった。秋の花粉症についても適切な対処が必要と言えそうだ。
春のスギ花粉やヒノキ花粉による花粉症は有名ですが、秋の花粉の主な原因はブタクサやヨモギ、イネ科の植物による花粉で、春の花粉症同様、年々秋のアレルギーでお悩みの方が増えているように感じます。
東洋医学において秋は肺経の季節であり、肺‐大腸‐鼻‐咽喉と経絡によってつながりを持つと教えています。
さらに、肺経は脾経(胃腸のことを指します。)によって養われており、鼻の症状を考える上では肺経のほかに脾経のケアを考慮してくことが重要です。
今年の夏は猛暑となり、冷たいものを例年以上に摂取した方が多いのではないでしょうか?気温が高い時に胃腸にかけてきた負荷がこの時期に肺経の症状となって出やすくなります。風邪でもないのに咳が止まらない、喘息のような発作が続いているなど、秋の花粉症もこのひとつと考えられます。
脾経を立て直すには食べるものが重要で、細かく考えると様々な制約がかかってしまい、反って続かないことが多いと思います。大まかにいうと炭水化物(米やパン、麺類)や甘いものを減らし、タンパク質(肉や魚)・野菜・発酵食品を炭水化物や甘いものよりも多く摂るというイメージで腹八分目の食事を心掛け、またアレルギー反応は疲れやストレス、精神的な疲労によっても発生しやすくなるため、秋の夜長を楽しむのも風情ですが、あまり睡眠不足にならないような生活をすることが秋の花粉症を悪化させない養生となります。
生活やお仕事で養生が難しい方には漢方薬や腸内環境を整える健康食品などが有効で、これらの症状でお悩みの方は、店頭にて私達にご相談してみてはいかかでしょうか?


昭和堂薬局 | 2013年9月19日

 

花粉症の季節が近づいてきました。

花粉症の季節が近づいてきました。
 アレルギー疾患や炎症性疾患に対して油(脂肪酸)の摂り方がよく取り沙汰されます。
 ω-3系脂肪酸(αリノレン酸)を多く摂り、ω-6系脂肪酸(リノール酸)を少なくすることはよく知られることで、以前、当コラムにも書いたことがあります。
 ω-6系脂肪酸は炎症やアレルギーを強く引き起こし、ω-3系脂肪酸はそれを抑制します。これは脂肪酸の代謝産物の違いによることが解っています。
 しかし、この脂肪酸の摂り方を変えても(ω-3脂肪酸量とω-6脂肪酸量の摂取比を変えても)アレルギー症状があまり改善できないことがあるという臨床報告を読みました。
 その結論は脂肪酸の摂り方を変えてもトランス脂肪酸を多く摂取していると脂肪酸の代謝を障害してしまい、症状を改善できないというものです。
 人間はω-3系脂肪酸であれω-6系脂肪酸であれ、脂肪酸を自分の体の中で作ることはできません。食べ物から摂取しなくてはならないのです。しかしトランス脂肪酸は体にとって必要な脂肪酸ではありません。
 アメリカやヨーロッパではトランス脂肪酸含有量の規制や表示義務化が実施されていますが、日本においてはトランス脂肪酸平均摂取量が少ないということで、規制や表示の義務はまだありません。確かに動脈硬化を予防するためにはトランス脂肪酸摂取量の多い、少ないが関係あるかもしれませんが、アレルギーは少量のトランス脂肪酸で影響が出てきます。
 私がアトピー性皮膚炎の方の相談を受けていて経験することは、チョコレートや焼き肉を食べた後にアトピー性皮膚炎の症状が悪化することです。
 トランス脂肪酸を含む食品は多くありますが、食べる頻度が高いとその変化に気が付きにくく、焼き肉のように食べる機会が頻繁ではなく、通常、家で食べる量よりも牛肉を多く摂った後の皮膚状態の悪化は目に見えることからよく分かります。
 牛肉の中のトランス脂肪酸の量は少なく、数%に過ぎないのですがアレルギーの悪化がみられるのです。
 このことから考えられることは、アレルギーが毎日食べているトランス脂肪酸で悪化している恐れがということで、アレルギーのある方はこのトランス脂肪酸の摂取量を減らすことで症状の改善が可能であるということです。
 前回のコラムの内容を含め食が体に非常に影響していることがよく分かると思います。
以下にトランス脂肪酸を含むものを上げます。
人工的な操作によって発生したトランス脂肪酸を多く含むもの:
・植物性油脂(不飽和脂肪酸)に人工的に水素を添加して液状の油脂を固化させた硬化油脂(マーガリン、ショートニングなど)
・高温で精製された植物性油脂(大豆油、コーン油、米油、ナタネ油、綿実油、これらを原料として作られた人工油脂など)
・高温の植物性油脂を使って調理した食品(揚げ物、フライ、天ぷらなど)
・植物性油脂を含み高温で調理された食品(スナック菓子、冷凍食品、チョコレート菓子など)
・反すう動物の腸内細菌によって作られ天然に存在するもの:反すう動物(牛、羊など)の肉や乳脂肪


昭和堂薬局 | 2012年1月20日

 

腸内環境と花粉症  ~フジテレビの特ダネで~

 2月14日のフジテレビの特ダネ(朝の報道番組)で、「ビフィズス菌がO157(腸管出血性大腸菌)感染を阻止する作用機構解明」の研究発表記事に触れ、腸内細菌を改善すると花粉症を軽減するという特集をしていました。
 ここで紹介されたウンチ博士こと辨野義己博士が出てきて漬物や味噌などの発酵食品を食べたりすると腸内環境を改善し、特にヨーグルトを1日200g摂ると花粉症に良いことを言っていました。
 辨野博士は腸内細菌研究の第一人者光岡知足博士の後継者だそうで、私も以前光岡博士の本を何冊か読み感銘を受け、腸内細菌の重要性を認識しました。光岡博士もヨーグルトを食べることを勧めていますが、ヨーグルトは体を冷やすので冷えがある方には薦めにくい場合があります。この番組ではヨーグルトばかり言っていましたが、今は良い健康食品があるのでそのような物を利用するのも良いかもしれません。
 ヨーグルトについてもどれでもよいのではありません。人により腸内細菌は違うので自分に合ったヨーグルトを見つけることが大切で、合っているかどうかは良いウンチ(臭くない黄金色でバナナ状のふわりと浮く便)が出るようになることと言っていました。
 確かに腸内環境はアレルギーなどの免疫疾患に重要で、陽での免疫は体全体の60%を占めると言われています。ですから、腸管免疫を正常にすることにより全体の60%は改善するのです。そして、その腸管免疫は腸内細菌に影響を受けやすく、善玉菌が多く存在しないと正常に働かなくなるのです。
 しかし花粉症などの免疫疾患はヨーグルトだけでなく食生活やストレスなどにも関係するのでこれらも改善しないといけないと思います。腸内環境のことで言うと植物繊維やミネラルを摂るという意味で野菜多く食べたり、善玉菌を減らす肉食を減らすことも重要ですし、腸を正常に動かすために適度な運動も必要です。
 今、日本人の大多数の人たちが花粉症になっていて、みんなが花粉症だからしょうがないと思われるかもしれませんが、たかが花粉症ですがされど免疫疾患であることを忘れないでください。大きな病気につながる前に食生活や生活習慣の見直しをしてみてください。


昭和堂薬局 | 2011年2月23日

 

そろそろ花粉の飛散する時期になりました

 そろそろ花粉の飛散する時期になりました。今年のスギ花粉は例年の10~8.5倍の飛敬量だと言われています。
 一昔前は花粉症の時期になると漢方相談に訪れる人が多くいましたが、最近ではずいぶんと少なくなったように思います。病院の薬や市販の薬(病院の薬と同じ成分のものが市販化されたものもあります)を服用して、花粉の飛散する3ヶ月ぐらい我慢すればよいと思う人が多いからかもしれません。しかし,西洋薬では症状を抑えられても花粉症という病気を治すことにはなりません。
 では漢方薬ではどうでしょう。漢方(東洋医学)では、鼻水・鼻づまり・目のかゆみなど花粉症の症状の原因を体のバランスの傾きと捉えます。そしてその傾き具合を調べ、体の傾きを整えたり、花粉症の発症のきっかけ(邪)を取り除いたりします。体の傾きを整えるということは、体質を変えることでもあります。2,3ヶ月では体質を変えられませんから、花粉の季節が終わってもしばらくは漢方薬を飲み続ける必要があります。また花粉の時期においても西洋薬のように症状を抑え込むのではなく、症状を楽にします。その代わり副作用はあまりないのが利点です。
 花粉症の体質改善には、漢方薬の服用と同時に食事や生活環境の改善も重要です。例えば食事の改善では、体に余分な熱や湿を生み出す脂っこい食べ物を少なくしましょう。それから腸内環境を整え、炎症をとり、精神を安定させる野菜を多く摂ることが大事です。生活環境の改善では、免疫力に悪影響を及ぼすストレスを溜めないようにしましょう。睡眠不足は体のバランスを整えようとする恒常性維持機能を落としますから、睡眠を十分とることも大切です。
 最近、国民病ともなってきた花粉症、辛い時期は短いですが体のために真剣に対処法を考えてみてください。



昭和堂薬局 | 2011年2月15日


横浜ポルタ内にある漢方薬局。あなたの健康な体を取り戻すお手伝いを致します。