11月21日(日)にウエスティンホテル京都で漢方療法推進会の全国学術大会が開かれました。聖マリアンナ医科大学特別顧問長谷川和夫先生の「認知症のケア~今とこれから~」、陶芸家岡上多寿子さんの「いっぱいごめん いっぱいありがとう~認知症の母とともに~」の講演を聞き、分科会では奥平薬局奥平尚央先生の「火神派による症例発表~アトピーなんか怖くない~」に参加しました。
長谷川先生の講演は認知症の基本知識だったためそれほど新しい話はなかったのですが、岡上さんの話は自分を生み育ててくれたお母様との闘病記で、大変考えさせられました。お漏らしの始末や徘徊・意味不明な行動など本で読んだ対処法は分かっているのですが、実際に認知症の身内を目の前にするとなかなかできるものではなく、自分も岡上さんのように怒ってしまったりその行動に翻弄されてしまうかもしれないなあと思いました。しかし、認知症の人にも人格はありお漏らししてしまえば”しまった”と思っているわけで、それを怒られると自分で処理しようとして余計にむちゃくちゃにしてしまったり、お漏らしが言い出せなくて臭くて汚いままでいることになります。徘徊も本人にとっては意味のある行動がその途中で何のためにしていたのか分からなくなり、また、自分がどこにいるのか分からなくなるために徘徊という方になってしまっているのです。そのことをわかっていればそれなりの対処をできるのではないかと思っていたのですが、実際の生の話を聞くと自分の仕事や生活があるのですからなかなかできないのかもしれないなあと思いました。
分科会では、火神派という中医学理論が注目されていてその理論を使うことにより今までなかなか治せなかったアトピーなどにも対応できるという話で、私も火神派についてはいろいろと勉強していたのですが、実際の店頭ではあまり出来ていなかったため先輩の症例を聞いてこの理論を導入していくことで、今まで治らなかったものもいい結果が出てもっといろいろな人のためになっていくのかなあと思いました。
ついでにこの時期の京都は紅葉がすばらしく心の栄養を貰って帰ってきました。