『昭和堂薬局』

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日本フラボノイド研究会の研修会にて

 過日、日本フラボノイド研究会の研修会にてソフィアレディスクリニック院長の佐藤芳昭先生より「更年期障害を中心とした婦人科疾患について」という演題の講演を聞いてきました。
 更年期とは45歳から55歳までの10年間を指しますが、女性の平均余命から考えてもまだ半分を少し過ぎたところで、その後の人生をより快適に過ごすためには更年期の対処が肝心だそうです。
 女性ホルモン(エストロゲン)の急激な減少で、ほてりや発汗、不眠などが起こることはよく知られていますが、もっと重大なものに骨粗鬆症や高脂血症、認知症などがあり、これらに対してホルモン補充療法(HRT)が良いそうです。しかし日本では、まだ認識の不足から発がん性の問題等の誤解があり、敬遠されがちだそうです。
 現在ではホルモン補充療法も進歩してホルモン剤の貼り薬や塗り薬があり副作用も少なく、さらにホルモン補充療法中は定期的に検査をしますから安全で、仮にがんが発見されてもホルモンが問題で起こるホルモン感受性のがんはおとなしいそうです。でもそうなってしまったらイヤですよね。
 確かに人生の半分過ぎたばかりでこれからの人生を楽しもうと思っているのに身体がいう事を聞かないなんて…
 佐藤先生が言うようにホルモン補充療法を受けることは生活の質を向上すると思いますが、どうしてもホルモン補充療法が嫌な人は漢方薬やサプリメントなどもよいと言っています。
 そのサプリメントとは大豆イソフラボンで植物性のエストロゲンに相当するそうです。
 しかし、サプリメントはいろいろなものが市販されているので注意が必要とのことでした。
 ということは、食事にも注意が必要でしょう。日本の伝統食は味噌・醤油・納豆や豆腐といった大豆製品が多くありますし、油もほとんど使わないので、バランスも良く、イソフラボンとエストロゲンの低下で内臓脂肪がつきやすくなったことにより起こるぽっこりお腹にはよい食事だと思います。
 少しの努力で残りの人生が楽しく過ごせるといいですよね。


昭和堂薬局 | 2011年6月22日

 

水分をたくさん摂ることはホントに身体に良いの?

 テレビやお医者さんに水分をたくさん摂ることを勧められて、1日にたくさんの水分を摂るように心掛けている人が多くいます。
 私はお客様から質問された時には”飲んだ分だけ出ないと水分が溜まってしまって返って良くないですよ。飲み過ぎだと腎臓の機能も落ちてしまうから、のどが乾いたら飲むようにして無理に飲まないでくださいね”と言ってきましたが、実際にどのくらいが適正な水分量といえるのかはよく分かっていませんでした。
 私がときどき読んでいる『治療』という本の今月号に適正な水分量の根拠が載っていましたのでご紹介します。
まず身体の中に入ってくる水は
①「飲料による水」
②「食事など固形物を食べた時に入ってくる水」
③「体がエネルギーをつくるときにできる水」があります。
身体から出ていく水は
④「尿から出る水」
⑤「呼吸や皮膚から出る水」
⑥「体調を崩し、下痢・嘔吐・発汗で出る水」があります。
身体が脱水を起こさず、尿をたくさん出すために腎機能が低下してしまうことのない量は、1日1000~1500mlだそうです。
とすると「飲料による水」はどのくらいにすると尿量が1000~1500mlになるのか計算すると
「食事由来の水」は700~1000ml
「エネルギーをつくるときにできる水」は300ml
この二つを合計した「飲料による水」以外では1000~1300mlです。
一方排出は、
「呼吸や皮膚から出る水」は900ml
「尿量」を1000~1500mlとすると
「飲料による水」は
①=④+⑤-②-③となり、これを計算すると900~1400mlになります。
ということは2㍑も3㍑も飲んでしまうと飲み過ぎになってしまいます。
 これから気温が上がり汗を多く掻くために若干多めの摂取をしなくてはなりませんが、目安としては900~1400mlぐらいを摂っていれば脱水(血液ドロドロ)にもならず、腎機能の低下を早めることもない量です。
 異常排泄(体調を崩し、下痢・嘔吐・発熱などによる発汗で出る水)などが無ければ、摂り過ぎもあまり摂らないのも良くないので、900~1400mlにしておきましょう。


昭和堂薬局 | 2011年6月27日

 

流産を繰り返すー不育症?

 最近、子宝相談を受けることが多く、不妊に悩む人が多いことを感じます。その人たちの中には流産を経験されている人たちも多くいらっしゃいます。
 3年程前、漢方療法推進会の全国大会を企画した際に不妊関連の講演を検討していた折り、クラシエ薬品から”不育症”はどうですかと提案され不育症を知りました。
 その時の学術講演は当時東海大学に居られた杉俊隆先生の講演を拝聴したのですが、私自身あまりピンときていなく”そーなんだー”くらいのものでした。
 その後、店頭で漢方相談を受けていると”不育症なんです。”といって相談を受けることはないのですが、流産の経験がある方が多いと感じる機会が増え、しかも複数回流産を経験されている方が以外に多くいらっしゃるのに驚きます。
 不育症はここ数年で言われるようになったもので、厚生労働省の不育症の研究班がスタートしたのも平成20年からのようですので、まだ世の中に広く浸透している言葉ではないようです。
 では不育症とはどういう病気かというと”妊娠はするけれども、流産、死産や新生児死亡を繰り返して結果的に子供を持てない場合、不育症と呼ぶ。”と定義するそうです。流産は妊娠の15%程度で、妊娠の年齢が高齢になると流産率は増加して40歳以上になると40~50%に増加するそうです。近年は晩婚化で妊娠年齢が高くなっているので流産が多く感じるのかもしれません。
 不育症の原因は妊娠初期の流産で大部分が胎児(受精卵)の染色体異常が原因で、両親が原因のケースは少ないようですが、流産を繰り返す場合は夫婦の染色体異常や女性側の子宮形態異常、内分泌異常、凝固異常、免疫異常などいろいろな要因が考えられます。しかし、詳しく原因を調べても分からないケースが35~60%あるようです。偶然起こっているケースが50%あるそうで、胎児の染色体異常が偶然起こり自然の摂理により流産が起こるのです。
 不妊症は母体の心身が妊娠に適した状態ではない時に身体が妊娠しないようにコントロールしているのですが、流産も同じで胎児が生まれるのに適した状態でないために起こっているのです。不育症は原因にもよりますが、最終的には80%以上の方が出産しているそうです。
 ご夫婦の心身を健康な状態に保つことが元気な子供を授かるための近道になります。ストレス、生活習慣や食生活を見直し心身をより良い状態にしましょう。漢方薬で心身のバランスをとるのもよいと思います。



昭和堂薬局 | 2011年6月7日


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