産経新聞電子版にアレルギー性鼻炎の治療についての調査結果が掲載されました。
アレルギー性鼻炎 8割が薬の効果実感できず
日本人の3割が患っているともいわれるアレルギー性鼻炎だが、通院中の患者の約8割が、鼻づまりの症状に対し治療薬の効果を感じていないことがサノフィ(東京都新宿区)の調査で分かった。
調査は、アレルギー性鼻炎の患者を診察する医師300人、16歳以上の通院患者1千人に実施した。それによると、患者の92%が「鼻づまりの症状で困っている」と回答。具体的には「十分な睡眠がとれない」(82%)、「仕事・勉強・家事に集中できない」(74%)などが挙がった。
一方、使用中の治療薬の効果については「鼻づまりの症状がすっきりとれる」と答えた患者は22%。約4割の患者は「鼻づまりがあっても治療は変わらないと思った」などの理由から、診察時に鼻づまりの症状について医師に伝えていなかった。
山王病院(港区)耳鼻咽喉科医師の倉島一浩さんは「過去の経験から、治療に期待を持てなくなっていることや治療に対する不信感、諦め感があると考えられる」としたうえで、「医師が積極的に患者に聞き取りを行い、満足度を向上させる治療に取り組むことが重要だ」と話している。
8割の方が鼻づまりに関して効果を実感できていないというのは驚きですが、医師からの処方薬や一般的に売られている鼻炎薬(抗アレルギー薬も含む)と呼ばれているものは、”アレルギー”という私たち誰もが持っている”免疫”の過剰反応そのものを起こらなくしているわけではなく、この過剰な免疫反応によって発生してしまうヒスタミンやロイコトリエンといった物質の放出をブロックするタイプかこれらの物質が受容体というスイッチを押すことをブロックするタイプがほとんどです。
花粉やほこりなど体にあまり害を及ぼさないものに対して過剰な反応を起こしてしまうことが問題であり、薬を服用してその場しのぎの対応をすればよいのではなく、日頃から、この敏感すぎる反応を起こらないようにするための生活習慣や食生活を送ることが重要です。
現在、アレルギー疾患や生活習慣病(糖尿病など)、心疾患、がん、自己免疫疾患(リウマチなど)、肥満に至るまで様々な病気の根本に”慢性炎症”が関わっていることが判明しています。この”慢性炎症”の発生メカニズムは解明されていませんが、ストレスや食生活が原因であると言われています。食生活の乱れにより腸内環境が悪くなることで炎症が起こりやすくなり、油の摂り方が不適切だと何らかのきっかけで一度発生した炎症を終息できずに慢性化し、この流れが何度か続くことで炎症が持続した状態になり、害が少ないはずの花粉が侵入しても敏感に反応してアレルギー性鼻炎の症状が出てしまうのです。
花粉症の症状を抑えるのではなく、この微弱ではあるが持続的な炎症を起こしている体を正常に戻すために食事のバランスや腸内環境を良くする善玉菌を積極的に摂っていくことが大切です。