『昭和堂薬局』

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意外に無関心な”おりもの”

 読売新聞の医師・小堀先生のブログに
 「妊娠を希望される女性には、膣乾燥に悩む傾向があるという研究があります。そのため、性交用潤滑剤(ローション)を用いている人も少なくないと考えられます。」との書込みがありました。http://www.yomidr.yomiuri.co.jp/page.jsp?id=96819
 実際、当店にも膣乾燥が原因で、性交がうまく行えないために体外受精をしていた方が相談に見えたことがありました。当店に子宝相談に来られる方達に”おりもの”については必ず聞いていますが、乾燥して性交ができないということまではあまり問診することがなく、更年期の女性の方以外はそう多くないと思っておりましたが、この記事から察すると意外に多いようですね。
 ”おりもの”は女性ホルモンと関係し、卵胞ホルモン(エストロゲン)によって、卵胞期(生理後から排卵まで)は”おりもの”はサラサラで量も多く、特に排卵前は量も多くアルカリ性になり、受精しやすい環境になります。その後、黄体モルモン(プロゲステロン)により”おりもの”はネバネバになり、精子が通過しにくくなります。
 このことから解るように”おりもの”の異常は女性ホルモンに関係している可能性があり、月経不順など婦人科疾患を患っている方は膣が乾燥している可能性があります。
 また”おりもの”は細菌感染から膣を守る働きもあります。人間の身体で粘膜が存在するところはすべて常在菌で守られています。皆さんがよくご存じなのが腸内細菌ですが、膣もデーデルライン桿菌(乳酸桿菌)で守られています。そのデーデルライン桿菌の作用で通常膣は酸性になっています。しかし、排卵期は精子を死滅させないためにアルカリ性になって妊娠に適した環境になるのです。
 子宝相談に来られる方達も生理や基礎体温の様子はよく把握しているのですが、意外に”おりもの”に関してはあまり把握していない方もいらっしゃいますが、排卵の時期や感染症の有無を現す重要なものなのです。
 ご自身の健康チェックのために”おりもの”も観察してみてください。


昭和堂薬局 | 2014年4月25日

 

ヒトの精子は減ってきている

 読売新聞電子版に医師・小堀善友先生のブログ記事に、行く末が怖くなる記事が載っていたのでご紹介します。
以下ブログ
 精巣がだんだんと小さくなってきている、もしくは精子が徐々に減少するといった報告がいくつかあります。皆さんも、ニュースなどで聞いたことがあるのではないでしょうか?
 原因は、環境の影響や、食生活などの生活習慣等も関連していると言われています。胎児期に、母体内で内分泌かく乱物質(環境ホルモン)にさらされることが、生殖能を障害するのではないかとする仮説もあります。
 ただし、こうした報告に対し、研究の規模や対象者の選び方、分析方法などをめぐり、批判があるのも事実です。
 昨年、精子の減少について詳細に調べられた報告(Hum Reprod. 2013;28:462-470)がありましたので紹介します。フランスからの報告ですが、1989年から2005年の17年間にかけて、126の不妊治療施設から収集したデータを解析しました。男性の年齢は18歳~70歳で、合計15万4721人の精液所見を対象としました。
 そのなかで2万6609人の男性の精液を調査しました。
 いずれも、パートナーの女性が、両側の卵管が閉鎖しているなど明らかな不妊の原因を持つケースでした。男性には不妊の原因がなく、精子に問題はないと考えられるケースについて、時代による変化を調べたのです。
 1989年と2005年を比較すると、精子濃度は32.2%も低下していました。35歳の男性における精子濃度は1989年においては7360万/mlであったのに対し、2005年においては4990万/mlという結果でした。また、17年間の調査期間において正常形態精子の割合も明らかな低下が認められたのです。運動率には大きな変化は認められませんでした。
 計算すると、精子濃度は年間1.9%の割合で減少しているということになります。ということは、将来には不妊症患者は増大するということでしょうか?
 そして、未来には精子が無くなってしまう?考えすぎでしょうか?恐ろしい結果ですね…。精子の危機を回避するために、研究を進めていく必要がありますね。

 近年の環境や食のことを考えれば、まんざら間違っているともいえないのではと思ってしまいます。
 しかし、自分達でできることをしていくことで、少しでも防ぐことができればと思います。
 すぐにでも取りかかれることは食ではないでしょうか。私たちは食事をするとき「いただきます」と言っていると思います。この「いただきます」とは食事から命をいただくということです。野菜やお肉などから命をいただくことで自分の命にしているのです。最近は命に見えない食べ物が多くなってきているように思えます。インスタント食品や加工食品などが、私たちに命をくれるのでしょうか。この中には添加物などの多く含まれています。添加物は国が許可を出しているものですが、どんな影響があるのか…
 少しでも影響を受けないようにするために、食を見直してみませんか。


昭和堂薬局 | 2014年4月16日

 

日本人間ドック協会が血液検査の新しい基準を発表しました。

その中で、男性の中性脂肪や女性のコレステロールの基準値の範囲が広がりました。
 特に女性のコレステロール値は年齢別に基準値を広げています。女性は閉経により女性ホルモンを卵巣でほとんど作らなくなるために、必然的にコレステロールが上がってしまい、閉経後の女性の半数以上が以前の基準値では正常範囲を超えていました。
 以前のコラムで書きましたが、コレステロール値が高めの人の方が脳卒中の羅漢率が少ないことが報告されています。
 また、コレステロールはホルモンの材料となるため、過度に下げてしまうことによる弊害も出てきてしまう可能性があるのです。このように年齢や性差を考慮して基準値を作ることが重要なのではないかと思います。本来は個人差もあるものです。その方の生活習慣や食生活などを考慮して判断していくものなのに、医療機関では多くの患者さんを相手にしているために範囲を設けているに過ぎないのではないかと思ってしまいます。
 近年、血圧や血糖値の基準値がどんどん下がってきたことを考えると、今回の新基準は非常に意味のあることだと思っています。ある意味で医師と製薬メーカーの関係を断ち切ったことのようにも思える発表です。東海大学医学部名誉教授である大櫛陽一氏が、”性別・年齢別の正しい正常値”と題して日本総合健診医学会において発表した数値を参考の一つとしてみるのも良いかもしれません。
 このように医療機関や製薬メーカーのためではなく、幅広い年齢層や男女差も考慮され、結果として私たち日本人全体のためになる新基準が出てくることを望んでいます。


昭和堂薬局 | 2014年4月11日

 

最近、話題の腸内環境

 ここ数年、多くの健康番組などでも取り上げられている腸内環境、特に腸内細菌は飛躍的に解析研究が進歩しました。2010年には、権威ある雑誌”サイエンス誌”が過去10年の科学分野における10大成果を取り上げた特集記事に「共生微生物(腸内細菌など)研究の進歩」を挙げています。
 以前にコラムでも書きましたが、腸内細菌は私たちの身体にさまざまな影響を与えています。その腸内細菌の変化は我々の食事の影響を受けているのです。  その変化は食事の傾向によって3タイプに分けられます。
 ”肉食系””草食系”と中間に位置する”雑食系”です。”肉食系”ではバクテリア系腸内細菌が増え、腐敗による有害物質が生成されてしまうため腸はいい環境にはなりません。繊維質が多い食事は、腸内細菌により短鎖脂肪酸(乳酸、酢酸、酪酸など)を大量に産生し、悪玉菌の産生を抑制し、我々の身体の行動(精神的)や免疫力向上に深く関わります。このように食事の影響で腸内細菌が変化した状態だけでは病気にはなりませんが、そこに生活習慣の乱れが加わることにより病気が起こってきます。
 去年、私たち日本の食文化である和食がユネスコで無形文化遺産に登録されました。そして、登録した際に以下の4つの特徴をあげています。
1. 多様で新鮮な食材とその持ち味の尊重
日本の国土は南北に長く、海、山、里と表情豊かな自然が広がっているため、各地で地域に根差した多様な食材が用いられている。また、素材の味わいを活かす調理技術・調理道具が発達している。
2. 栄養バランスに優れた健康的な食生活
一汁三菜(1種類の汁物と3種類の菜からなる日本料理の基本的な膳立て)を基本とする日本の食事スタイルは理想的な栄養バランスと言われている。また、「うま味」を上手に使うことによって動物性油脂の少ない食生活を実現しており、日本人の長寿、肥満防止に役立っている。
3. 自然の美しさや季節の移ろいの表現
食事の場で、自然の美しさや四季の移ろいを表現することも特徴の一つ。季節の花や葉などで料理を飾り付けたり、季節に合った調度品や器を利用したりして、季節感を楽しんでいる。
4. 年中行事との密接な関わり
日本の食文化は、正月などの年中行事と密接に関わって育まれてきた。自然の恵みである「食」を分け合い、食の時間をともにすることで、家族や地域の絆を深めてきた。

 多くの日本人はこの健康的な食文化を忘れてしまい、食の欧米化が進んでいます。そして腸内環境が変化し、肥満や糖尿病などの生活習慣病や昔にはあまり罹らなかった病気になっています。海外では日本食のレストランが多くなっているそうです。和食は我々日本人の食文化です。外国人は気が付いているのに…
 日本食は繊維質が多く、水産物も多いためEPAなどの魚油を多く含んでおり、動物性油脂が少なく、腸内環境を整えると共に生活習慣病の予防につながります。
 食生活の中に和食取り入れ、健康的な食生活を送りましょう。
 少しでも早く腸内環境を変えたい方は健康食品もありますので、ご相談ください。


昭和堂薬局 | 2014年4月1日


横浜ポルタ内にある漢方薬局。あなたの健康な体を取り戻すお手伝いを致します。