『昭和堂薬局』

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新型コロナウイルス感染症内服薬

 新型コロナウイルス感染症の第6波が訪れて1か月以上がたった今ピークは越えたと言われていますが、実感としてそんな感じはしないのですが…

 

 今回のオミクロン株は、上気道感染が主でそれほど重症化しないはずが、死者の数はこれまでのピークの時よりも多くなっています。今までのウイルス感染症の常識では、下気道感染が主であると死者が増え、上気道感染が主だと重症化や死者の数は減るはずでした。そして、これまでのピークではウイルス性の肺炎で亡くなるケースが多かったのでしょうが、今回は高齢者の2次感染による肺炎や持病の悪化でなくなるケースが多いようです。

 

 今回のオミクロン株は感染力が強いと言われ、実際にこれまでの防御方法(マスク、手の消毒など)では防げないケースもあるようです。この状況では感染を防ぎきれないと思っています。しかし、年末から内服の治療薬が特例承認で許可されたことは、新型コロナウイルス感染症対策としては強力な武器になるはずでした。

 

 この2種類の内服治療薬は、症状が出てから5日以内に服用する必要があります。これがネックになっているのでしょうか?

 

 メルク社が開発したムルヌビラビルは、新型コロナウイルスの複製に関する酵素(RNAポリメラーゼ)を阻害する作用で、ウイルスの増殖を妨げます。また、2月に特例承認されたファイザー社開発のバクスロビドは2種類の抗ウイルス薬の組み合わせで、ニルマトレルビルはウイルス増殖に必要なプロテアーゼを阻害し、リトナビルはニルマトレルビルの代謝を遅らせて作用の持続時間を延長する作用を持っています。
許可された時点での臨床データは、数こそ少ないですが2剤ともプラセボと比較して死者・重傷者を優位に減少しています。

 

 コロナ内服薬が、うまく活用されるようになると医療機関に行かなくても服用できますから、医療機関の負担を軽減できますし、感染者本人を入院などする必要がなくなります。

 

 今後、行政と医療機関との連携をうまくやっていただいて、安心して暮らして行ける日が早く来てほしいと思っています。


昭和堂薬局 | 2022年2月22日

 

自己免疫疾患は、なぜ女性に多いのか

 自己免疫疾患は、全身性エリテマトーデスや多発性硬化症、関節リウマチなど、おおよそ80種類ほどが知られています。これらは、自分の免疫系が自分の細胞や組織を誤って攻撃してしまうことで起こされます。そして、約80%が女性です。

 

 以前、このコラム内で、新型コロナウイルス感染症のことで解説しましたが、女性はXX染色体であるため、ある意味免疫力が高いことが一つ上げられます。また、性差によって腸内細菌叢が異なることなどが影響しているようです。人間の進化の過程で、男性は狩りに出て獲物と戦う、女性は家を守り妊娠・出産・授乳ということを受け持っていたことが男女の免疫の進化に違いが生まれてきたものと思われます。

 

 女性は、妊娠・出産・授乳などの子ともを育てることを受け持っていたので、非常に精密で複雑な構造になっています。以前、コラムでも話しましたが、女性は月経周期でホルモンも変動しますが、免疫も変動しています。(着床・妊娠維持のために変動しています)

 

 それだけ、女性の体はデリケートになっているので、何かで歯車がかみ合わなくなると体に不都合なことが起こるのです。そのため女性にとっての節目の時期に自己免疫疾患を患う事が多いのです。


昭和堂薬局 | 2022年2月12日

 

不妊治療は、コロナ禍でも待ったなし

 「厚生労働省は1月26日の中央社会保険医療協議会(厚労相の諮問機関)に、不妊治療について、公的保険適用対象となる治療の適用範囲などを盛り込んだ診療報酬の改定案を示す。」こんなニュースが飛び込んできた。

 

 いよいよ4月から不妊治療の保険適用がスタートする。これを待っていた人たちも多いのではないでしょうか。

 

 しかし、生殖の力は28歳頃をピークに加齢によって衰えていきます。漢方的な表現をすると腎の力の衰えで妊娠しにくくなります。 ということは、なるべく早い段階で妊活を進めていった方がいいということになります。

 

 では、腎の力を保つもしくは衰えさせないためにはどうすればいいのか?時間を止めない限り加齢を止めることはできません。しかし、加齢による衰えは個人差が非常に大きいのです。毎日食べている物や睡眠時間を含め生活習慣などで大きく変わってきます。

 

 ここ数年、当店に不妊で漢方相談にお見えになる方のほとんどは共働きです。その中で仕事の忙しさによって衰え方に違いがあるように感じます。その中でも、睡眠時間が短いケースは婦人科系の不調が多いと感じます。

 

 また、腎の力を補うものの中で妊活によく使う生薬は、鹿茸、紫河車(胎盤エキス)、亀板などがあります。少し乱暴な分け方ですが、鹿茸は腎陽と腎精、紫河車は腎精、亀板は腎陰を補います。卵胞の発育状況や基礎体温の高低などから判断して使い分けていきます。

 

 月経周期を整えることは腎だけの問題でないことが多いので、状況に応じて漢方を組み合わせていくことになりますので、ご相談いただけるとよろしいかと思います。


昭和堂薬局 | 2022年2月2日


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