『昭和堂薬局』

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妊活相談の時に私が考えていること

 まず、妊活に関係する臓腑は「腎」「肝」「脾」です。やや2次的に「心」も…

 

 「腎」は生殖を主る臓腑です。この腎の力が働いてくれると妊活はうまくいきます。(いい卵子・いい精子をつくる力です。)しかし、妊活相談を考えている方はおそらく、この腎の力がうまく働かないまたは消耗している可能性がありますので、ほとんどの場合は腎陽を補う漢方をお勧めします。これは男性でも女性でも共通しています。この時、虚弱体質だと感じた場合は「脾」を同時に補ってあげないと補腎の漢方の上手く効いてくれないので合わせていきます。

 

 また、気・血は不足していないか、気・血は滞りなく巡っているかを問診や舌診から判断します。女性は月経がありますから月経の時に気・血を体の外に出してしまうため不足しやすいです。その不足が「脾」(簡単に言うと胃腸のこと)が弱くて補給できない場合は「脾」を補っていく必要がありますが、脾はそれほどでない場合は、妊活に使う補腎薬に補血の作用もあるものがほとんどですので更に追加はしません。

 

 次に気血の巡りですが、「肝」が気血の巡りを調節していますので、「肝」がうまく働いてくれないと排卵・月経がスムーズに出来なくなります。また、巡りが悪いということはホルモンもめぐってくれないので巡らせる必要があります。「肝」はストレスによって働きが悪くなります。現代はストレス社会と言われています。それに加えて妊活ストレスが大きいこともあるので、疏肝(肝を正常に働かせる)をします。それほどストレスを感じていなくても基礎体温がガタガタの場合や知らず知らずに症状として現れているときは疏肝や活血をすると安定していきます。男性は意外にメンタル弱いです。

 

 ここまでは、妊活相談をしているところではどこでもすると思います。これよし先がノウハウです。例えば、不安や不眠を抱えていれば「安神」をします。これが臓腑でいえば「心」です。基礎体温が全体に高ければ腎陰虚ですので、腎陰を補います。

 

 また、女性は月経周期と共に免疫(Th1とTh2)も動きます。これがうまくいっていないと着床障害になります。最近では子宮内フローラ(細菌叢)の検査もあります。子宮の細菌環境がよくなくてもうまく着床しません。

 

 等々、新しい情報を取り入れながら、その人に在っていると思われる方法を考えていくのです。

 

 45歳前後でも妊活うまくいきます。(人にもよりますので、絶対ではありませんが…)

 

 妊活は人生のほんの一部です。ご夫婦二人の生活を楽しみながら妊活して欲しいです。


昭和堂薬局 | 2023年2月26日


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