『昭和堂薬局』

WhatsNew

 

貴方の便はどのタイプ?

 大便は健康のバロメーターです。腸の環境の変化が便の状態に現れるのです。食べた物によって便が変化することを経験したことがありませんか?
 大便の大部分は水分で健康な便で80%を占めています。その水分を除いた3分の1が食べカス、3分の1が新陳代謝によってはがれた腸粘膜、残り3分の1が腸内細菌です。そして食べた物やストレスなどで腸内環境が変化し、その腸内環境が大便の状態として現れるのです。
 戦後の日本人は食物繊維を1日およそ27gも摂取していました。しかし、今の日本人はその半分以下の12gしか摂取できていません。その結果大便の量が減ってしまっています。量が減っただけでなく腸内細菌にも変化を与え、それまであまりなかった病気が増えてきています。

 

 では、どんな大便が良いのでしょうか?
 大便の色は茶色でやや黄色がかっています。黄色は胆汁の色で、脂質が多い肉などを多く食べると胆汁が多く出て腸内がアルカリ性に傾き褐色になり、腸内細菌の悪玉菌が増えます。穀物、豆類、野菜を多く食べると酸性に傾き大便は黄色くなります。食物繊維が多くなると大便は粘り気がなくボソボソとほぐれやすくなります。こんな感じが良い便で、黒っぽくネバネバした便は良くない便です。
 大便の色が変化すると大便の臭いやガスの臭いも変わります。それは食べた物で腸内細菌が変化するためです。腸内細菌には善玉菌と悪玉菌、それらのどちらでもない菌(日和見菌)がいます。肉や加工食品などを多く摂ると悪玉菌が増えて大便やガスが臭くなり粘りが多い黒っぽい便になります。
じゃあ、悪玉菌を無くせばいいではと思うかもしれませんが、そんな簡単なものではありません。腸内細菌は善玉菌や悪玉菌のバランスが大切なのです。善玉、悪玉というネーミングが体に必要なものと不必要なものというイメージになりますが、悪玉菌も体には必要なのです。
 また、肉などで悪玉菌が増え、この結果腸内環境が悪くなるのであれば肉を食べなければいいのではと思いますが、これも間違いで、食もバランスが大切です。タンパク質・脂質・炭水化物・ビタミン・ミネラル・食物繊維がバランスよく摂れないと体に必要なものが不足してしまします。
黄金色でバナナのような形の臭わない大便になるように、食のバランスを整えて心身の健康を手に入れましょう。毎日の大便を観察し、その前にどんな物を食べたか考えて下さい。いい便にするための食がきっと見えてきます。
 どうしても早くいい便にしたいという”せっかちな人”は腸内環境を整える健康食品を…

 

 

〇便の硬さや形状から腸の状態を推測するブリスとスケール
タイプ1: 木の実のようなコロコロした固い便(通過しにくく、黒くなることがある)
タイプ2: ソーセージ状ではあるがゴツゴツした固い便
タイプ3: 表面にひび割れのあるソーセージ状(黒くなることもある)
タイプ4: ソーセージやヘビのように滑らかで柔らかい(平均的な便)
タイプ5: 柔らかい小塊で、形がはっきりしている
タイプ6: 小片が混じって周囲がデコボコした泥状の便(下痢気味)
タイプ7: 全体が水様で固形物がない便(下痢)
タイプ1とタイプ2は便秘を示し、タイプ3とタイプ4は水分を多く含まず排便しやすい理想的な便、タイプ5は食物繊維の不足を示し、タイプ6とタイプ7は下痢を示します。
最初の研究では、このスケール(尺度)で調査した集団では、女性ではタイプ1とタイプ2の便が多く、男性ではタイプ5とタイプ6の便が多く見られました。さらに、直腸テネスムス(不完全な排便感)を報告した被験者の80%がタイプ7でした。

画像は、日本中医薬研究会「胃腸は健康の要」ー脾のはなし より

 

 店頭に立っていると、『便秘のお薬ください。』とおっしゃる方が非常に多いです。さらに、その大半の方は『漢方の便秘薬って優しんですよね。』なんておっしゃいます。この言葉をかけられるとすごく不安を覚えます。確かに、当店でお勧めする便秘薬は、お腹が痛くなりにくく、しっかり効いてくれるものをご提案していますが、漢方薬とはいえ、下剤は下剤です。お薬の力で便を出しているにすぎません。
 便秘の原因には、食生活をはじめ生活習慣や社会的ストレスなどが関係しています。これらの要因に長くさらされることで、腸内環境が劣悪化し、腸がうまく働いてくれなくなってしまっているのです。さらに、下剤を使い続けることも、腸がうまく働かなくなる原因となってしまいます。
 『腸の働きって何?排便してくれるとこでしょう?』と思われる方も多いでしょう。確かに、便をつくって排泄するだけなら、下剤を使い続けることでもいいかもしれませんが、腸には他にも重要な役割があります。そのひとつに免疫器官としての役割(腸管免疫)です。人間の免疫力の60%以上が腸管免疫です。腸内環境が悪いということは、免疫のバランスが崩れ、アレルギー(花粉症・アトピー・喘息など)などの免疫疾患を引き起こす可能性が非常に高いといえます。また、抵抗力が落ち、風邪を引きやすくなっている人もいます。
 また腸は、老廃物を排泄するだけでなく、必要な栄養分を消化吸収する器官でもあります。血行が良く、肌のキレイな方は、腸管からの栄養補給がスムーズな方がほとんどです。
 腸を単なるゴミ(老廃物)溜めだと考えて、掃除しないでいると、美肌が得られなくなるだけでなく、腸管内に悪玉菌が増殖して腐敗物質を産生し、それが血液循環に入り込み、血流が悪くなり、血栓ができやすい体質となり、高血圧・動脈硬化や肝機能障害など様々な病気を引き起こしてしまいます。
腸は老廃物の処理だけでなく、私たちの健康維持に大きく関わっている器官です。腸内環境を変えることは可能です。まずは、毎日便通がある方でも、出ている便の状態をしっかり観察して、腸の環境がどんな状態なのかチェックしてみてください。
 目指す便は『臭みがなく黄金色でバナナ状のふわりと浮く便』です。


昭和堂薬局 | 2022年11月1日

 

AMH(抗ミュラー管ホルモン)が低いと言われてショックを受けた方

 女性は、お母さんのお腹の中にいる時にすでに卵子のもとである原子卵胞を持っています。生まれてから年齢が上がるにつれて、その数は減少していきます。ある時点で原子卵胞をどの程度持っているかを推測する値として、AMH(抗ミュラー管ホルモン)があります。

 

 この数字が低いと、例えば30歳前半の人が、あなたは40歳の値ですと言われたりするので、ショックを受けて我々漢方薬局などを訪ねてきます。

 

 しかし、AMHが低くても妊娠率が低いわけではありません。いい卵胞が育って質のいい卵子に育ってくれればよいのです。閉経期でも原子卵胞がゼロにはなりません。

 

 このAMHはあくまでの目安だと思っていただければいいと思います。但し、目安だからといって悠長に構えていることはできませんので、しっかりと妊活に取り組んでください。

 

 妊活成功の秘訣は、卵子・精子の質を上げることです。漢方でいうと「補腎」です。


昭和堂薬局 | 2022年10月13日

 

妊活中の男性は、新型コロナウイルス感染症に要注意

 新型コロナウイルス感染症は一時と比べるとだいぶ減ってきてはいますが、まだ安心してコロナ前の生活に戻れるほどにはなっていないのが現状です。

 

 最近は、コロナ感染症のことよりも、感染後の後遺症が問題視されています。オミクロン株の感染が主になってからは、それまでの臭覚・味覚異常、脱毛などから、倦怠感、頭痛、睡眠障害、呼吸困難などが多くなっているようです。

 

 後遺症の起こる原因はまだはっきりしていませんが、何らかの原因で炎症が持続してしまうことがあげられています。(機会があったらもうすくし詳しくお話しします。)

 

 その中で、私が驚いたのは男性ホルモンの急激な現象です。岡山大学病院で、倦怠感やうつ症状で来られた患者さんの血中テストステロン(男性ホルモン)を測定したところ、正常値の半分になっていたそうです。テストステロンは精巣で作られますが、そのテストステロンをつくるライディッヒ細胞に新型コロナウイルスが感染することによりテストステロン値が減少したのだろうということです。おそらく、精子や勃起力にも影響している可能性が考えられます。岡山大学病院の報告では、漢方薬を服用しながら経過監査視したところ数ヶ月で正常値に戻ったそうです。

 

 妊活中の男性は、妊活が数ヶ月ストップしてしまうので注意してもらいたいと思います。


昭和堂薬局 | 2022年10月4日

 

日野中央にある横浜善光寺発行・やすらぎ通信のコラムを執筆しました。


昭和堂薬局 | 2022年9月14日

 

不育症について

 妊娠した人の約15%に流産の経験があります。流産は決してまれなものではないのです。また、2回以上流産を繰り返すと不育症を疑って検査するようになってきました。不育症は、はっきりした原因のあるものではありません。検査は不育症のリスクを調べています。検査をした中で、65%の人は異常が見つからないのです。たまたま染色体異常が2回続いたケースが多いと考えられていて、その後妊娠して無事に出産する人が80%いると言われています。そのご夫婦にとっては大変な事件なのですが、余り気にしない方が結果はよくなります。最近、体外受精の場合などは、着床前検査を行って染色体異常がないことを確認してから移植するケースもあるようです。

 

 中医学では、妊娠12週以内に胎児が自然に死亡するものを「堕胎(だたい)」といい、妊娠12~28週内で、胎児の体が形成されたものが自然死するものを「小産」または「半産」と言います。西洋医学の「早期流産」、「後期流産」です。これらの流産を3回以上繰り返すものを「滑胎(かつたい)」と言います。これは「習慣性流産」のことです。

 

 中医学的な症候分析では、「腎」という臓が生殖を主っており、その腎の力が先天的に不足していたり、何らかの原因により腎の力が損傷したために、胎を保護したりつなぎ止めておくことができなくなる。また、脾(胃腸)が虚していて、胎を栄養したり、エネルギー不足でとどめておくことができないために流産してしまいます。

 

 中医学的な治療は、補腎益脾です。(鹿茸・菟絲子などを中心に)

 

 補腎は、妊娠にもかかわっているため、より良い卵子・受精卵が得られれば胎の状態もよく妊娠維持もしやすくなります。また、流産を繰り返したことによるストレスも考慮し漢方方剤を選ぶと更によいと思われます。

 

 当店にも流産後、妊娠希望で漢方相談に来られる方は、意外と多いと思います。逆に妊活で相談されていた方が、妊娠して卒業した後、流産して再来店する方もいらっしゃいます。しかし、その後いい結果になって卒業していく方が大勢いらっしゃいますよ。

 

 妊娠することに不安があるようなら、漢方の助けを借りてみてはいかがですか。


昭和堂薬局 | 2022年9月6日

 

今年の前期(1~6月)の出生数が、2000年以降最少で初めて40万人を下回った。

 「今年の前期(1~6月)の出生数が、2000年以降最少で初めて40万人を下回った。」こんなニュースが目に留まった。理由は、やはり新型コロナウイルス感染症の影響で、今後の生活や出産に対する不安から控えているとそのニュースは結んでいる。

 

 毎日のように妊活の漢方相談をしている私としては、あまり実感できないことではあります。しかし、確かに4月から不妊治療の保険適応が始まった割には、妊活の漢方相談がそれほど増えていない気もします。(出生数が減っているのは、もしかすると、新型コロナウイルス感染症の不安がストレスになって妊娠しにくくなっているのかもしれません。)

 

 生活習慣の中に妊孕性(妊娠・出産)を低下させる因子があります。特に流産のリスクを上げる因子に、喫煙、飲酒、カフェイン、肥満、ストレスなどがあげられます。(睡眠時間や栄養も関係ありますね。)

 

 喫煙・飲酒・カフェイン・肥満・ストレス・栄養(ビタミンD)に関しては研究データがあります。喫煙・飲酒はともかく、カフェインはいろいろな飲み物に入っていますから大変です。妊活相談で、喫煙・飲酒・カフェインに対して話をしたことは余りないのですが、皆さん既に注意している方がほとんどです。時々、ご主人の喫煙を気にする方はいらっしゃいますが、副流煙の影響もありという研究報告があります。

 

 私がよく相談で話をすることは、肥満・ストレス・栄養(特に油の摂り方など)です。難しい問題ではあると思うのですが、少しずつ解決できると妊孕性の改善ができると思います。

 

 今までやってきた生活習慣を変えることって大変ですが、少しずつで改善できるようにしながら、漢方薬の力を借りていくといい結果が得られる可能性が上がりますよ。


昭和堂薬局 | 2022年9月1日

 

腎は老化に関わる臓器

 古来、中国の皇帝は不老長寿の薬を探させていたと言われています。皇帝がいつでも若々しくいられる薬の理論は、今日でも続いています。それは補腎です。中医学でいう「腎」は、西洋医学でいう「腎臓」のことだけではなく、成長・発育・生殖・老化に関わり、ホルモンの分泌や泌尿器、自律神経や免疫の機能も担っています。また、耳・目・骨・脳・髪の毛などとも関係しています。

 

 貴方の老化度をチェックしてみましょう。
 □疲れやすい・倦怠感
 □骨・歯がもろい
 □膝・腰が痛む
 □持病がある
 □視力が落ちた
 □足腰が弱くなった
 □生理不順
 □精力減退
 □呼吸が浅い、息切れ
 □不妊・不育
 □乾燥肌
 □めまい
 □頻尿・尿漏れ
 □白髪・脱毛
 □集中力・思考力の低下
 □耳鳴り・難聴
 □物忘れが増えた
 □肌のシミ・シワが増えた
 □のどが渇きやすい

 

 チェックした項目が多いほど「腎虚(腎の衰え)」が高い状態です。

 

 腎の衰えが高い方は、腎を守る食生活や睡眠・生活習慣を見直してみることをお勧めします。


昭和堂薬局 | 2022年8月25日

 

いつまで続くのでしょう?新型コロナウイルス感染症

 全国的にコロナの感染者数が多くなって来ました。すでに2年半増えたり減ったりを繰り返しています。今流行っているコロナウイルスはオミクロン株のBA.5株のようです。当初のオミクロン株とBA.5株は、症状や重症化率などはそれほど変化ないようですが、感染力が強いようです。

 

 いい加減、いやになりますよね。
 国も特に対策も無いようです。ということは、自分で自分の体を守るってことです。
私も特に名案があるわけでもないのですが、家に引きこもってしまったり、食事をおろそかにしたり、睡眠時間が昼夜逆転したりすると免疫力は下がります。

 

 岡山大学の研究チームが、新型コロナウイルス感染症後の後遺症はコロナウイルスが体内に残ることが原因と発表しました。何らかの原因で免疫力が低下していると体のどこかにウイルスが残ってしまい後遺症が起こると言っています。

 

 自分の免疫力を維持していけるように生活上の工夫が必要ということでしょう。是非、自分の今行っている生活習慣の見直しておくことも重要ではないでしょうか。


昭和堂薬局 | 2022年7月28日

 

脂質の摂り方のヒント

 最近、日本人も高脂肪食が多くなって体重増加から病気になってしまう人が多くなってきました。欧米の人ほどの肥満になることはないのですが、日本人は肥満に対する耐性が高くないため、病気になりやすい傾向になります。その脂質の摂り方を工夫することにより、肥満を軽減できるのです。今回は、その工夫のためのお話しをしていきます。

 

 三大栄養素の一つである脂質は、我々人が活動するためのエネルギー、生体膜(細胞膜)の構成成分、生理活性物質の減量など様々な働きを担っています。脂質の主な構成成分である脂肪酸は炭化水素基の長さや二重結合の数や位置によって多くの種類が存在します。また、中性脂肪やコレステロールエステル、リン脂質、糖脂質などの脂質の構成成分になっています。

 

 脂肪酸の中でn-3系多価不飽和脂肪酸やn-6系多価不飽和脂肪酸は、我々人の体内では作ることができず、必須脂肪酸として食事から摂取する必要があります。n-6系多価不飽和脂肪酸であるアラキドン酸やn-3系多価不飽和脂肪酸であるエイコサペンタエン酸(EPA)、ドコサヘキサエン酸(DHA)は、シクロオキシゲナーゼ、ポリキシゲナーゼ、シトクロムP450モノオキシゲナーゼなどの酵素により脂質メディエターに代謝されいろいろな働きをしています。

 

 人の体で熱産生をしている組織は、褐色脂肪組織(皮下脂肪)です。この褐色脂肪組織の高い熱産生能は褐色脂肪細胞内のミトコンドリア内膜上に存在する脱共役タンパク質1(UCP1)の機能によります。近年、特定な刺激により白色脂肪組織(内臓脂肪)にもUCP1が発現して高い熱産生能を示すベージュ脂肪細胞がエネルギー代謝に関わっていることが明らかになりました。

 

 これら褐色脂肪細胞やベージュ脂肪細胞が担っている代謝機能は、肥満や肥満による代謝異常症の予防や改善の可能性の指標として期待されています。また、食品中の脂肪成分による機能調整機構の存在が明らかになってきています。

 

 動物実験ではありますが、魚油(n-3系多価不飽和脂肪酸)摂取は高脂肪食接種によって誘導される体重増加を抑制し、褐色脂肪組織機能を亢進させることが解ってきました。また、n-3系多価不飽和脂肪酸摂取と褐色脂肪組織機能の関係を検討した研究はないのですが、n-3系多価不飽和脂肪酸や魚油の摂取で体重や体脂肪低下が観察された報告はあるようです。

 

 また、腸内細菌叢による食事からの脂肪酸代謝産物が脂肪組織の熱産生機能を調整していることも報告されています。

 

 メカイズムを詳しく書いてしまうと難しくなるので割愛しますが、n-3系多価不飽和脂肪酸と乳酸菌で肥満の予防や改善ができる可能性があるということです。但し、めちゃめちゃな生活習慣や食生活をしていたらうまくいかないでしょうけれど…


昭和堂薬局 | 2022年7月14日

 

空腹を満たすだけが食事の役割ではありません

 食事は、私たち人間の健康を維持していく重要な要素です。

 私たち人間は、摂取した食事を消化・吸収し代謝を受けます。炭水化物、脂質、タンパク質の一部は分解されてエネルギーとして利用されます。またタンパク質、脂質、ミネラルは、臓器、細胞、細胞小器官などの構成材料として体の組織を形成します。さらに、ミネラルやビタミンは代謝を助ける働きもあります。

 

 今回は、その「栄養素」の中でタンパク質(アミノ酸)に絞ってお話します。
人体のタンパク質を構成するアミノ酸は20種類あります。そのうち9種類が人体では合成できないため必須アミノ酸と呼ばれ、食事から摂取する必要があります。また、アミノ酸は、身体のエネルギーとなる他に、様々な組織において多様な生理機能があることが明らかになってきました。

 

 アミノ酸の基本的な性質として、一次機能(栄養機能)、二次機能(感覚機能)、三次機能(生体調節機能)があります。一次機能として、すべての必須アミノ酸は必要量を摂取する必要があります。必須アミノ酸のうち一部が足りない場合は、制限アミノ酸となり、十分なタンパク質合成ができません。二次機能として、アミノ酸は甘味、塩味、酸味、苦味、旨味の5味のうちいくつかの呈味を持っています。三次機能として、アミノ酸の生体調節機能に関しては、ロイシンやグルタミンなどによる筋タンパク質合成促進、分岐鎖アミノ酸(バリン、ロイシン、イソロイシン)による運動機能向上作用、セリンによる腰や膝の痛みの改善、シスチン、テアニンによる免疫力の向上など、加齢による身体機能低下を防止し、健康寿命に貢献すると考えられています。(今回は詳しく述べませんが、これらのことは科学的に解ってきたことなのです。)

 

 以上のようなアミノ酸の機能を踏まえて、バランスの良い食生活をしていく必要があります。アミノ酸バランスが優れた食品として、肉類、魚、卵、大豆などがあげられます。タンパク質については、これらをうまく取れ入れて健康な体を手に入れて、いつまでも元気に過ごしたいですね。


昭和堂薬局 | 2022年7月6日


横浜ポルタ内にある漢方薬局。あなたの健康な体を取り戻すお手伝いを致します。