『昭和堂薬局』

WhatsNew

 

チョコレートに長寿効果…精神も安定。この記事の真偽はどうなのでしょうか?

 産経新聞にチョコレートに長寿効果があるという記事が掲載されました。しかし市販のチョコレートの多くはカカオ以外に砂糖や脂肪が添加されている為、逆に健康を害する可能性もありますので、この件について記事の一部を紹介し解説をしたいと思います。

以下掲載記事
 この世の中で最も長生きしたフランス人女性ジャンヌ・カルマンさんは122歳まで元気に長生きしたが、晩年まで大好きだったチョコレートと赤ワインは120歳になっても欠かした日はなかった。
 どちらも抗酸化作用のあるポリフェノールが豊富に含まれ健康長寿には良い作用がある。特に赤ワインにはレスベラトロールという長寿遺伝子のスイッチをオンにするポリフェノールが豊富に含まれていることは本コラムでも紹介した。実際、100mlの赤ワインに含まれるポリフェノールは0.3g程度だが、100gのチョコレートには0.8gものポリフェノールが含まれているので、チョコレートはワインの3倍近くもポリフェノールを含む抗酸化食材である。
 徳島大学食品機能学の寺尾純二教授等の研究によると、成人男性を対象にした実験で100gのチョコレートを食べると、摂取したカカオマスポリフェノールの一種「エピカテキン」の約30%が体内に吸収され、血漿で抗酸化能力が増強することが確認されている。同教授は、赤ワインやお茶ではポリフェノールが「精々10%しか吸収されない」点を指摘する。
 元来、チョコレートは太りやすいと思われているが、茨城キリスト教大学の板倉弘重名誉教授は、「カカオバターの主成分ステアリン酸は吸収率が低く、低カロリーなので意外にも健康的な食材」である点を強調する。
 さらに、このステアリン酸には血中コレステロール値を下げる効果、カカオ成分には虫歯を抑制してくれる効果もある。
 そして私が注目しているのは、東京薬科大学の井上英史教授らの研究結果。線虫というモデル動を使って、カカオ豆から抽出した「プロシアニジン」という成分をエサに混ぜて与えたところ、酸化ストレスが抑えられ線虫の平均寿命が延びたのだ。酸化ストレスは、動脈硬化、糖尿病、ガンなど多くの病気の引き金になる。晩年までチョコレートを食べ続けたカルマンさんが、「長生きの秘訣は何ですか?」という質問に「長生きの秘訣は病気をしないことだ。」と答えた理由も毎日食べていたチョコレートに潜んでいたのかも知れない。
 実際、スウェーデンのカロリンスカ研究所のラーソン博士らが45~79歳のスウェーデン人男性37,103人を約10年間追跡調査した結果、チョコレートの消費量が最も多かった群の男性はチョコレートを全く消費していなかった群の男性に比べて脳卒中の危険度が17%も低下していることが明らかになった。更に解析を進めるとチョコレートの消費量が50g増えるごとに脳卒中危険度が14%低下したのだ。
 最近、中村学園大学栄養科学部の青峰正裕教授は、ネズミの脳にチョコレートに豊富に含まれているエピカテキンを与えると脳の中のセロトニンの放出量が増加することを見い出した。
 うつ病を発症すると脳内のセロトニンの放出量が低下することが知られている。さらにその作用機序を調べると、エピカテキンにはうつ病に使われているSSRI阻害薬(選択的セロトニン再吸収阻害薬)と同じような作用があることが分かった。つまり、チョコレートを食べて幸せな気分になる理由の一つに、精神を安定化させるセロトニンの作用を高める作用があったのだ。
 ただし砂糖がたっぷりの甘いチョコレートを沢山食べると確実に体重が増し、肥満症を発症したり糖尿病が悪化するのでオススメできない。
 そこで、「カカオ70%のビターチョコレート50gを食事の20分前にゆっくり食べる」という食べ方がオススメで、「食事の前にゆっくり」には、満腹中枢を刺激する狙いがある。満腹中枢が刺激されると食事の摂取量が減少することが知られている。

 読んでいただくと分かるように、カカオやカカオに含まれる成分についての研究などを紹介しています。しかし、市販のチョコレートはカカオ以外に多くの物が含まれています。その多くに脂肪酸があり、マーガリン(食べるプラスチックと言われている)などが使われている場合はトランス脂肪酸など体に害を及ぼす物も含まれている場合があるので注意が必要です。また、砂糖を多く含むため血糖値が上がるとインスリンというホルモンが必要になり、インスリンを多く使う生活をしていると老化を早めるという報告もあります。長寿効果があるから食べたチョコレートがかえって病気を引き起こしたり、寿命を短くしてしまっていては元も子もありません。店頭でアトピーの悪化原因がチョコレートを食べることにあったり、ダイエット相談に来た方がチョコレートを食べているケースはよくあります。マスコミが言っていることを真に受けてしまうとこんなことにもなりかねないので注意しましょう。


昭和堂薬局 | 2014年1月11日

 

あけましておめでとうございます。

 本年も皆様の健康のお役に立てるよう従業員一同、精進してまいりたいと思います。
 昭和堂薬局横浜ポルタ店・三軒茶屋店、両店のご愛顧をお願いいたします。

 さて年末年始、美味しい物をたくさん食べた方が多いのではないでしょうか。
 飽食の時代といわれる今も人間の食に対する欲求は変わっておらず、これは飢餓の時代に身についた本能なのですが、この食に対する過度の欲求が肥満、糖尿病、心筋梗塞、脳梗塞、アレルギー疾患、自己免疫疾患、ガンなど様々な病気の温床となっています。

 飢餓の時代、私たち人間は食料を得た際、次にいつ食料を得られるか分からないために栄養を体内に保存しておくシステムを持っています。この保存システムが今の飽食の時代でも変わることなく体内で働いているため肥満になってしまうのです。
 また、食べるものも今と昔では変わってきています。我々は食べたものを消化管で消化、吸収し栄養にしています。一般に摂取カロリーと消費カロリーのバランスで肥満になるといわれているため摂取カロリーを気にしている方も多いようですが、世の中のカロリー表示はあくまでも参考にしかなりません。食べ物のカロリーは調理方法やその人の腸内環境などにより変化するため、厳密には計算することはできません。
 簡単に言うと、同じ食材を使っても調理に手間をかけると消化、吸収がしやすくなり、生に近い状態では消化しにくいため吸収するカロリーは少なくなります。また、カロリーが高い物ばかり食べていると腸内環境が変化してしまい吸収するカロリー量が多くなってしまいます。 食べる物を変えることで肥満や肥満が原因で起きる病気は予防できます。柔らかくて美味しく便利な食べ物は控え、食物繊維や素材の味をそのまま生かした食べ物を積極的に摂りましょう。
 詳しくは店頭でご相談ください。補助的にサプリメントなどのご提案もできますので、お気軽にご来店ください。


昭和堂薬局 | 2014年1月4日


横浜ポルタ内にある漢方薬局。あなたの健康な体を取り戻すお手伝いを致します。