『昭和堂薬局』

WhatsNew

 

きのこと免疫

 読売新聞にちょっと考えさせられる記事が出ました。一つはヤマブシタケというキノコががんに効くと言って販売していた業者に販売停止命令が出たというもの。もう一つはキノコを食べるとインフルエンザの症状を軽減したという学会発表の記事です。
 もしこれが反対だったらどうだろうか、ある健康食品業者がキノコをインフルエンザに効くと販売していたら…
 たぶん、同じように販売停止命令が出ると思います。
 しかしどこかの大学が、キノコを食べさせた動物実験で免疫力を上げるのでキノコはがんに効果があるとどこかの学会で発表したら…
 画期的発表だと称賛されるかもしれません。実際、カワラタケから抽出した”クレスチン”という抗ガン剤があるわけですから…
 キノコに含まれるβ-グルカンが免疫力を上げることは、一般によくいわれています。確かに感染症や免疫疾患にプラスに働くとは思います。しかし、感染症や免疫疾患のすべてがキノコで治ることはないと思います。
 最近、テレビや新聞で取り上げられたことをうのみにして”○○”ありますかと問い合わせがよくあるのですが、テレビや新聞が言ったことが必ずだれでもいい結果を出すことはないと思います。
 それらは健康食品であることが多く、健康食品にはいろいろな物があります。良い物良くない物があり、それが合う人合わない人がいます。また、今回のように食事としてとれるものではそれだけを食べるのでなく、バランスを考えて食べるようにしなければ偏りが出てよくありません。
 情報過多のこの時代、情報をきちんと選別しましょう。


昭和堂薬局 | 2010年12月27日

 

変形性関節症は軟骨のすり減りで起こるの?

 変形性関節症は軟骨がすり減って骨と骨が擦り合うことで関節の滑らかな曲げ伸ばしができず痛みが起こる病気と思われがちですが、軟骨がすり減ることはありません。
 軟骨も皮膚などと同時にターンオーバー(細胞の入れ替わり)をしています。このターンオーバーがうまくいかずに軟骨が破壊されることをきっかけに変性していく病気です。
 軟骨には血管がなく、酸素や栄養は関節を囲んでいる滑膜細胞から分泌される関節液から供給されています。この供給が何らかの原因により不十分になると壊す側の物質が多く分泌し、軟骨(軟骨細胞と細胞外構成成分でできている)の細胞外の構成成分(プロテオグリカンやコラーゲンなど)が破壊され、また軟骨細胞の細胞外構成成分の合成もうまくいかなくなります。そして今度は軟骨が破壊されたことで空洞化した所を埋めるために血管新生(血管が伸びて軟骨組織内に入ってくる)と軟骨内骨化が起こります。血管新生と軟骨内骨化のメカニズムは成長期に骨が伸びていくときに起こることで、本来成長が止まった成人には骨折など特別な場合を省き起こらない現象なのです。成人の関節では起こらないはずの軟骨内骨化が起こると、軟骨だった部分が壊れて、骨に変わり、骨と骨の滑りが悪くなるため骨の位置がずれたり痛みを感じたりします。また、関節の周りに骨棘(こつきょく)と呼ばれるとげのように尖った骨ができ、関節のクッションが悪くなっているため骨の位置がずれ、うまく支えることができなくなるので支えることができるように骨が変形します。
 このように関節で何が起こっているかは分かっているのですが、リウマチなど原疾患がないものははっきりした原因がまだ分かっていません。しかし、滑膜の炎症と冷えや血行不良による関節の栄養不足が引き金で起こっていると思われます。
 改善のポイントは3つです。炎症をとる、関節に酸素と栄養を十分に送る、軟骨内骨化を防ぐ為に血管新生が起こらないようにする、これらはいろいろなところで研究されていますが、まだ画期的な物はないようです。しかし、出きることはあると思います。
 このような炎症や血流障害が原因で起こる病気は多くあります。これはストレスや食生活が大きくかかわっているのです。ストレスや食の改善と関節の負担を軽減するために筋肉をつける軽い運動で予防をしていきましょう。しかし、すでになってしまった方でまだ軽度の場合は漢方やサブリメントで症状を楽にしながら関節にあまり負担をかけない軽い運動をするとよいでしょう。


昭和堂薬局 | 2010年12月10日

 

漢方療法推進会全国学術大会

 11月21日(日)にウエスティンホテル京都で漢方療法推進会の全国学術大会が開かれました。聖マリアンナ医科大学特別顧問長谷川和夫先生の「認知症のケア~今とこれから~」、陶芸家岡上多寿子さんの「いっぱいごめん いっぱいありがとう~認知症の母とともに~」の講演を聞き、分科会では奥平薬局奥平尚央先生の「火神派による症例発表~アトピーなんか怖くない~」に参加しました。
 長谷川先生の講演は認知症の基本知識だったためそれほど新しい話はなかったのですが、岡上さんの話は自分を生み育ててくれたお母様との闘病記で、大変考えさせられました。お漏らしの始末や徘徊・意味不明な行動など本で読んだ対処法は分かっているのですが、実際に認知症の身内を目の前にするとなかなかできるものではなく、自分も岡上さんのように怒ってしまったりその行動に翻弄されてしまうかもしれないなあと思いました。しかし、認知症の人にも人格はありお漏らししてしまえば”しまった”と思っているわけで、それを怒られると自分で処理しようとして余計にむちゃくちゃにしてしまったり、お漏らしが言い出せなくて臭くて汚いままでいることになります。徘徊も本人にとっては意味のある行動がその途中で何のためにしていたのか分からなくなり、また、自分がどこにいるのか分からなくなるために徘徊という方になってしまっているのです。そのことをわかっていればそれなりの対処をできるのではないかと思っていたのですが、実際の生の話を聞くと自分の仕事や生活があるのですからなかなかできないのかもしれないなあと思いました。
 分科会では、火神派という中医学理論が注目されていてその理論を使うことにより今までなかなか治せなかったアトピーなどにも対応できるという話で、私も火神派についてはいろいろと勉強していたのですが、実際の店頭ではあまり出来ていなかったため先輩の症例を聞いてこの理論を導入していくことで、今まで治らなかったものもいい結果が出てもっといろいろな人のためになっていくのかなあと思いました。
 ついでにこの時期の京都は紅葉がすばらしく心の栄養を貰って帰ってきました。


昭和堂薬局 | 2010年11月29日

 

プロ野球日本シリーズが終わりましたね。

 プロ野球日本シリーズが終わりましたね。
 野球好きの私は大いに楽しませてもらいました。ロッテファンでもドラゴンズファンでもないのですが…。
 結果は4勝2敗1分で千葉ロッテマリーズが優勝したのですが、連日激戦で7戦中3戦が延長戦で、非常に面白い試合でした。
 MVPはマリーズの今江選手が受賞しました。05年にマリーズが優勝した時も受賞し今回で2度目の受賞に成りました。その今江選手の手記がスポーツ報知に掲載されていて、こんな事を言っています。”-略-07年~09年は左太もも裏や右ひじを故障してくすぶってたけど、「けがさえしなければ、俺はできるんだ」って実感できた。食生活を見直したのが良かった。07年に、打てなくてお酒を飲んだり、やけ食いをしたりして、体重が93キロまで増えた。体にキレがないと実感して、炭水化物を減らすダイエットを始めた。極力お米を食べず、2年で7キロやせた。そうしたら、けがが増えた。入団1年目に、ロッテOBでサードの先輩・初芝さんに「いい選手ほどご飯を食べてるぞ」って言われたのを思い出して、今年は徹底してお米を食べた。毎日茶わん2杯。自主トレにもお米と炊飯器を持参した。焼き肉を食べに行ってもビールは1杯。すぐに白飯をかっ込んだ。そのせいか、今年は肉離れをしなかった。9年目で初めて140試合に出られて自信になった。-略-”と言っています。体が資本のプロ野球選手。食事には気を付かているはずの人が言っていることは説得力がありますね。
 やはり、日本人はご飯なのです。今の日本は米よりお菓子の消費が多いなんて…。
 ご飯を食べて健康で今江選手のように頑丈な体を手に入れましょう。


昭和堂薬局 | 2010年11月10日

 

咀嚼の重要性

 最近の子どもたちは柔らかいものばかりを食べ、流し込むような食べ物を好むため、噛む回数が減り顎が小さく筋肉が発達していないと言われて問題になっています。
 加工食品やファーストフードは柔らかく食べやすく、精製された旨み成分をたくさん入れ食べたくなるような物ばかりを作ります。こういう世の中がそういう子どもたちをつくりだしているのです。噛みごたえのあるものはおいしくない物ばかりなのでしょうか?
 本当の食べ物の味を覚えなくてはいけない時期に加工食品のような作られた味の食べ物ばかりでは食育という点からも問題有りです。高齢になり歯が悪くなってから柔らかい物を食べればいいではないでしょうか。
 咀嚼の重要性を分かりやすく説明している記事を西日本新聞(食育を子どもに分かるように説明しています)に見つけたので紹介します。


【第3回】かむこと
 「ゆっくり、よくかんで食べるとよ」
 ごはんを食べるとき、おとうさんやおかあさんから、こんなふうに言われたことありませんか? 実はこれ、とってもたいせつなことなんです。きょうのテーマは「かむ」。なぜ、それが正しいのか、いっしょに考えてみましょう。
 じつは、よくかむと、とってもいいことがあるんです。
 一つ目は、食べ物がだ液と混じることで、消化しやすくなること。せっかくの食べ物も、よくかむのと、かまないのでは、からだの吸収が変わってきます。
 二つ目は、だ液がたくさんでるために、口の中がせいけつになり、病気にかかりにくくなることです。
 病気の原因となる、ばい菌やウイルスは、いつもみんなが吸っている空気の中にいて、つねに、人間の体に入り込もうと、すきをうかがっています。とくにねらわれやすいのが「ねんまく(粘膜)」。体の中で、いちばんやわらかなところです。
 なかでも、いちばん空気とふれあうのが口。たとえば、寒い季節になると、おとしよりはよく、はいえんで亡くなります。それは、口に入ったばい菌が、気管からはいに入ってしまうことが多いから。そのばい菌をやっつけてくれるのがだ液。この力はすごい。あのこわい「がん」でさえ、たいじしてしまう力があるともいわれるほどです。
 三つ目が、みんなの頭がよくはたらくようになること。手や足、口のきんにくは、脳とつながっています。だから、それらをよく動かすと、脳もまたよく働くようになるのです。
 さとうのおじさんは、このつながりを歯医者さんから聞いたとき、ピ~ンときました。今まで元気だったおとしよりが、急に体のぐあいがわるくなることがあるでしょう。おじさんのけいけんから言うと、それはだいたい、自分の足で歩けなくなったときと、自分の歯でかめなくなったときだったんです。
 ソフトバンクホークスのホームランバッター、松中せんしゅだって、バットをふるときは、おく歯をぐっとかみしめているはず。口をあけてバットをふってるとこなんて、見たことないでしょ?
 かむことは生きることとつながっている。まずは、ごはんを食べるとき、さいしょの一口だけでも、30回かんでごらん。それだけでも、集中力がつくし、いままでより、べんきょうもスポーツもきっとできるようになりますよ。
 えっ、おじさんはどうしてるって? おじさんのごはんは、みんなが食べている白いごはんじゃなくて、ちょっぴりかみごたえがある玄米ごはん。これをよくかんで食べています。食事のときも、こどもにも「かめ、かめ」って、うるさく言ってるよ。だって、いい子に育ってほしいからね。それが、親のやくめだから、ね。
今回の教訓:
 かむことは生きること。べんきょうやスポーツができるようになりたかったら、よくかんでごはんを食べよう。
【おうちの人へ】
 子どもをかわいいと思うのなら、噛み応えのある食べ物を食べさせてあげましょう。とりあえず口に入れて、牛乳とかで飲み込んだりしてませんか? だから、どうやって食べているか、小さいうちはついていて見てあげることも重要になりますね。やっぱり、孤食はいけません。

 戦前の日本人は1回の食事で1400回咀嚼をしていたのですが、現代人は620回。食の変化で噛む回数が半分以下になっているのです。
 噛むことで①顎を発達させ歯を丈夫にする②噛み砕くことで消化を助ける③唾液の分泌を促進するをしています。その効果としては唾液のアミラーゼで消化を助け、IgA抗体・リゾチーム・ラクトフェリンなどが含まれているため抗菌・殺菌作用があります。
 咀嚼回数を増やすことで脳を刺激し、集中力を高めますし、ストレスも緩和します。
 今までコラムで言ってきたような食事をすることで咀嚼回数を増やさなければならなくなると思います。食を正し、咀嚼回数を増やして健康な体を手に入れましょう。


昭和堂薬局 | 2010年10月19日

 

飲み物の話

私が、店頭で病気の相談を多くしていて思うことは、食べるものや飲むものを気を付けていたらこの人は病気にならなかったのではないかということです。
 逆に言うと、病気の人に漢方薬をいくら飲んでもらっても食事を改善しないと治らなかったり、漢方を飲んでいるときは良くても飲まなくなると元に戻る人が多くいるのです。
 コラムでも食のことを言ってきましたが、西日本新聞で子どもにも分かる様な食育の連載記事を見つけましたので紹介します。
 今回は、飲み物についてで2回分をご紹介します。子供に分かるようになっているので漢字があまり使われていないため読みにくいかもしれませんが…


【第1回】ジュースの話
 はじめまして。西日本新聞で「食卓の向こう側」という連載記事を書いているおじさん(さとうひろし)と、おねえさん(わたなべみほ)です。このコーナーでは、身の回りにある食べ物についていろいろ考えてみようと思います。
 小学校4年生にわかるように書くつもりだけど、ちょっとむずかしいところもあるかもしれません。そのときは、おとうさんやおかあさんに聞いてね。
 1回目は、みんなが大好きなジュースの話。
 これからどんどん暑くなっていくけど、のどがかわいたときに飲むジュースはおいしいよねえ。でも、おかあさんは、「ごはんをたくさん食べなさい」って言うように、「ジュースを飲め飲め」って言うかい? 言わないよね。
 なんでだろう? お金がかかるから?
 それもあるかもしれないけど、本当は、君たちの体のことを考えているからなんだ。
 では、問題です。きみがのんでいる甘いジュースがはいったペットボトル(500ミリリットル)のなかには、どれぐらいお砂糖がふくまれていると思う?
 わからない?
 よし、じゃあ、手を出してごらん。
 おじさんが持ってるこのスティックシュガー(1ふくろが3グラム)を1本ずつ、君の手のひらにおいていくよ。
 1、2、3、4、5、6、7、8、9、10本。
 いま、何グラムになった?
 そう、3グラムが10本だから30グラムだね。よくできました。
 まだいくよ~。
 11、12、13、14、15、16、17本。
 はい、そうです。答えは17本。甘いジュースの場合、そのペットボトルの量のだいたい10分の1がお砂糖の量なんです。
 思ったより、たくさんはいっていたでしょう?
 はい、じゃあ、大きく口を開けて。このスティックシュガーを全部口の中に入れてあげるから・・。
 ハハハ、じょうだん、じょうだん。
 でも、ふしぎだよね。お砂糖そのままだったら、とても食べられないけど、なんで、ジュースになると、こんなにお砂糖が飲めるんだろうね?
 それは、冷たさ。冷たさが、甘~いと感じる感覚をにぶくしてしまうんだ。だから、こんなに甘くても、ごくごく飲めてしまう。もし、これが温かかったら、べたべた甘くて、とても飲めたもんじゃない。
 では、またまた問題。
 こんなにお砂糖がはいっているジュースを、のどがかわいたからといって、ごはんの前や、ごはんを食べているときに飲んでいたら、どうなると思う
?  そうだね。甘いおかしをごはんの前に食べるのと同じで、もうそれだけでおなかがいっぱいになってしまうよね。
 そうすると、かんじんのごはんが食べられなくなるから、栄養も足りなくなって、病気にかかりやすくなる。元気もでないし、身長も伸びない。あんまり、いいことはなさそうだ。
 そんなのいやだよね。だから、君たちも飲む量や、いつ飲むかとか、そのあたりを考えてから飲んだほうがいいと思うよ。
 おじさんは、決してジュースをのんじゃ、ダメとは言わない。毎日じゃなくて、たまにならいいさ。がぶ飲みしなければね。ただ、おいしいから、ついつい飲みすぎてしまう。そこを注意してほしいって、言っているだけなんだ。
 だから、ふつうに飲むときは、お茶か水がおすすめさ。
 なに? ぼくはスポーツ飲料だからだいじょうぶって?
 ちょっと、待ったー。それも結局は同じこと。なぜかはまた、次の回で、話してあげるね。
【今回の教訓】
 おいしいからって、飲みすぎちゃだめ。なんでも、ほどほどが大切です。
【おうちの人へ】
 実際にスティックシュガーとペットボトルを用意して、子どもの手に持たせてやってみたら、効果的です。また、ペットボトルにどれくらい砂糖が含まれるかを知る方法は、次の回でお教えしますね。

【第2回】スポーツドリンクの話
 はーい、こんにちは。またまた、さとうのおじさんです。
 さて、きょうは、スポーツドリンク(イオン飲料)の話でしたね。
 テレビのコマーシャルを見てると、スポーツ選手とか、タレントさんがスポーツドリンクをごくごく飲んたり、おじいさんがてつぼうでぐるぐる回ってたりするのがあるよね。
 でも、おじさんが、こそっと、Jリーグに所属するサッカー選手と、マラソン選手に聞いたら、スポーツドリンクは決してそのままでは飲まずに、3倍に薄めて飲んでるんだって。
 なんでだろ?。
 理由は、やっぱり、その甘さなんだ。
 例えば、みんながよく知っているあるスポーツ飲料には、6.7%の砂糖が入っている。つまり、1回目でやったスティックシュガー(3グラム)でいえば、500ミリリットルの中に、11本分はいっている。
 だから、スポーツ選手はそのまま飲むと、のどのかわきをいやすというより、逆にのどがかわいてしようがないし、体がうけつけないとも言ってたな。
 なんで、おじさんには、砂糖の量がわかるかって?
 その答えは商品の裏側に印刷されているラベルにある。
 栄養成分表示って、ところを見てみて。100ミリリットル当たりの成分が書いてあるでしょう。
 手元にある商品を見ると、エネルギーが27キロカロリー、タンパク質・脂質0グラム(入っていない、ってことだね)、炭水化物6.7グラムなんていう数字が並んでいる。果汁が入ってたりすると、少し変わってくるけど、この炭水化物ってのが、だいたいお砂糖の量と思っていいんだ。だから、100ミリリットルに6.7グラムなら、500ミリリットルのペットボトルには、その5倍。つまり、33.5グラム分のお砂糖が入っていることになる。
   × ×
 スポーツ飲料については、すごい話を聞いたなあ。
 ある日、おじさんは知り合いの歯医者さんから、「これ、見てー」って、ある3歳児の写真を見せられた。ふつう、3歳児の歯といえば、まるで宝石のような白い歯をしているんだけど、その子の場合は、江戸時代の女の人がしていたおはぐろみたいに真っ黒。
 おじさん「先生、これどうしたんですか」
 歯医者さん「お母さんがね、水がわりに、スポーツ飲料を飲ませていたのよ」
 おじさん「また、どうして、そんなことしたんでしょうか」
 歯医者さん「お母さんはこう言ってたわ。『だってセンセー、水って栄養ないでしょ』って」
 おじさんは、この話を聞いたととき、これは虐待(ぎゃくたい)だって思った。子どもをなぐったりする体罰(たいばつ)や、心を傷つける言葉の暴力も悪いけど、おとなの無知識が原因で、子どもを虫歯だらけにしてしまう。これって、やっぱり、いけないことだと、おじさんは思ったんだ。
 では、なんで、虫歯になりやすいんだろう?
 それは、スポーツドリンクをほにゅうびんで飲ませる場合に特に多い。赤ちゃんをよく見てごらん。あかちゃんは、お母さんのおっぱいを飲んでるときが、いちばん安心するんだ。だから、おっぱいに吸いついたまま、ねむってしまうこともある。じゃあ、あまいスポーツ飲料が入ったほにゅうびんを口にふくんだまま、寝てしまったら・・。起きていたときに出ていただ液が止まって、虫歯になりやすくなる。
 こうしたげんしょうを歯医者さんは「ボトルカリエス」という。ボトルはびん、カリエスは虫歯のことさ。
  × ×
 ここからは、特に注意して聞いてほしいんだけど、おじさんは、決してこうした飲み物をこうげきしているわけではない。おじさんも甘いものはほしくなるときもあるし、甘いから悪いとは思わない。ただ、飲みすぎがいけないって、言っているだけなんだ。
 スポーツドリンクも同じで、決して”毒”じゃない。かぜをひいたときなんか、お医者さんが飲みなさいって言うしね。おじさんも、それは、決してまちがいじゃないと思う。
 でも、それはあくまで病気したときだろ。普通のときに、水代わりに飲むのはすすめないなあ。のどが渇いたら、水かお茶。これが基本だと思うよ。
 自分の体は自分で守る。「宇宙船地球号」ということばを使った科学者のバックミンスター・フラーさんはこう言っている。「もろもろの汚染の中で、もっともしんこくなのは、消費者の頭の中の汚染である」ってね。
【今回の教訓】
 スポーツドリンクを水代わりに飲んじゃいけません。のどがかわいたら水かお茶。これが基本です。
【おうちの人へ】
 ラベルの見方、分かりましたか。これも、実際に手にとってチェックしてください。それから、ここでいう糖分は、サトウキビやテンサイから作った砂糖のほか、コーンスターチなどを異性化させて作ったブドウ糖果糖液糖というのもあります。いずれも純度が高く、人体への吸収が早いので、ここではわかりやすく「砂糖」と言っています。

 これを読んで、びっくりした方も多いのではないでしょうか。
 これだけの糖をしかもすぐに吸収できる形で摂ると、急激に血糖値が上昇してしまい、この急激な変化に体が反応して対処しているのです。体にとってはものすごいストレスなのです。
 毎日何本も飲んでいたら…
 キレる子どもの原因はペットボトルや缶ジュース(コーヒーなども)にあると言われていますし、糖尿病などの原因にもなります。ましてや毎日何本も買っていたら、お金も掛かります。お茶を水筒に入れて持って行くのが流行っていますが(私は流行る前からやっていました)良いことだと思います。
 知らず知らずの良くない習慣を直して自分の体をいじめるのをやめにしましょう。


昭和堂薬局 | 2010年10月7日

 

亜鉛が注目されています

 亜鉛が注目されている
 私が大学を卒業し、病院に勤めはじめたころ、耳鼻科からよく亜鉛の水剤(液体の薬)が処方されていました。私は何のために処方されているのか分かりませんでしたが、先輩薬剤師に味覚異常は亜鉛不足が原因であることを教えられました。その後、中心静脈栄養(高カロリー輸液を中心静脈に直接入れる)や経腸栄養(簡単に言うと液体の栄養)が普及していき、微量栄養素の欠損による症状が明らかになって、研究が進み亜鉛の欠損症が注目されました。
 亜鉛の生理作用は、胎児の発育、皮膚の新陳代謝、生殖機能、骨格の発育、味覚および臭覚の維持、精神神経・行動への影響、免疫機能の維持などがあります。亜鉛の欠乏により起こることは、性的発育の遅れ、精子の減少、無月経、貧血、免疫機能低下、夜盲症、脱毛・皮膚炎、慢性下痢、創傷治癒遅延、精神異常、異常行動などがあります。
 亜鉛欠乏の原因としては、インスタント食品や加工食品の摂取、ダイエット、食品添加物の摂取、一部の薬や高齢者の食べ物の量的不足などがあげられます。また、亜鉛は人にとって必要不可欠な微量元素で、300余りの酵素の活性中心元素として働いています。これらのことからも、亜鉛不足はいろいろな病気に関係しているのです。
 胃潰瘍治療剤のポラプレジンク(亜鉛製剤・病院の薬)の発売により、臨床の現場で、胃潰瘍だけでなく多くの病気の治療の可能性が言われいています。代表的な物は、味覚異常・口内炎・褥瘡・糖尿病・慢性肝炎・炎症性腸疾患・胃潰瘍・不妊や妊娠の維持などがあります。
 では、亜鉛不足にならないようにするにはどうすればよいか?
 インスタント食品や加工食品、食品添加物を含む食品を避け、海産物(カキや海苔など)を摂るように心掛ける。無理なダイエットはしない。食べ物の量的な不足になりがちな高齢者などは亜鉛の入ったサプリメントを摂ると良いかもしれません。
 正しい食事を心がけることが病気にならないことの最善策です。自分の食事をもう一度見直してみてください。


昭和堂薬局 | 2010年9月24日

 

五十肩になったらしい

 2日前にガソリンスタンドにガソリンを入れに行き、中拭き用タオルを渡され少し変な体勢で車内を拭いたら右肩の痛みがおこりました。その時は気にもしていなかったのですが、家に帰っても痛みは一向に治らずますます痛みはひどくなってきました。もしかして…。
 ご飯を食べていても、パソコンを使う為にマウスを動かそうとしても、飲み物を飲むために腕を伸ばしてコップを持ち上げても、ちょっとした動作で痛みがおこります。
 しかし、振り返ると思い当たることがいろいろ…。
 整体師の友人が以前五十肩は横を向いて寝ていることが原因で巻肩(?!そう言っていたと思う)で起こると…。確かに私は右肩を下に寝ています。
 それと、東洋学的には五十肩は冷えと腎虚(老化)により血流が悪くなり痛みが起こりますが、私は最近パソコン向かって仕事をすることが多く、パソコンが置いてある机にちょうどエアコンの風が当たるのです。気にはしていたのですが、リビング(パソコンが置いてある)の隣の和室が一番下の娘の部屋でその部屋にはエアコンが付いていないため、暑くて眠れないと言う娘のためにリビングのエアコンの冷気を娘の部屋に届けられるようにしていたため右肩にエアコンを受けて冷えたのです。
 まず、風呂で肩を十分に温め、下肢が冷えるのを防ぐため5本指の靴下は履いていたのですが、上はティーシャツだけだったため、パヂャマの上も着るようにし、痛いからと言って肩を動かさないと肩関節の癒着を起し肩が動きにくくなるので、ストレッチや痛みはあるのですが、なるべく普通に肩を動かすようにしていますが、まだ痛みは良くならないので、明日から漢方を飲もうと思っています。 一般的には、腎を補い血流を良くし痛みをとる独活寄生丸などを使いますが、火神派と言う漢方理論が最近注目されているので温める力の強い麻黄附子細辛湯を飲んでみます。
 結果は後日報告します。


昭和堂薬局 | 2010年9月9日

 

今、野菜の栄養価が低下しています。

 人の健康には食生活が重要です。日本人は長い間穀物中心の食生活をしてきたので、穀物を吸収するため欧米人に比べ腸が長くなっています。だから日本人の体には、吸収しやすく脂っこい西洋食は合わないのです。ところが今の日本では日本の伝統食が忘れられ、西洋食があたり前になっています。
 この食生活の変化が、現代病の原因でしょう。そして残念なことに、日本の伝統食に戻しても食品(特に野菜)の栄養価が低下しており、完全には昔に戻しきれないのが現状です。
 例えば、科学技術庁の日本食品基準成分表で年代ごとに比べると、ほうれん草のビタミンC量は、昭和38年では、100gあたり100mgであったものが、平成12年には35mgに減少しています。
 とは言っても、昔の野菜を手に入れることはできません。少しでも栄養価の高い物を摂る方法は、意識して旬の野菜を選ぶことです。なぜなら同じほうれん草でも夏と冬では栄養価が違うからです。最近ではハウス栽培など不自然な製法のおかげで旬がなくなり、1年中食べられる物ばかりになりました。そろそろ季節だから食べられるという喜びもなくなりました。太陽の恵みと大地の栄養をふんだんに受けた野菜が減っているのです。
 また、人間は自然界から影響を受け、自然の恵みから栄養を摂らなければいけません。私たち日本人は、日本の自然風土に合った体ですから、日本で生まれ育った食材を使った日本食が一番体に合うのです。
 そういえば最近テレビで、もぎたて野菜を出す体によいレストランを紹介していました。一見、新鮮で体によさそうですが、レストランの厨房で野菜を育てる…全く太陽の光を浴びていない野菜が本当によいのでしょうか。
 何となく変ですよね。ちょっとびっくりです。
 こんな時代だから、青汁が売れてしまうのかもしれません。仕方のないことかもしれませんね。ただし青汁は補助的に使うものですから、日頃の食生活を疎かにしてはいけません。
 体調が良くない方や健康を維持していたい方は旬の野菜と日本の伝統食を意識してみてください。


昭和堂薬局 | 2010年7月12日

 

昭和堂薬局がお勧めする病気にならない食事№2

最近、食事の仕方について思うことがある。
それは、「食事を抜くなんて体に悪い」「食事はしっかり三回」という方が体に良いという風潮がある。本当にそうだろうか?
いつでもどこでも食べ物が手に入る―そんな暮らしができるようになったのは、人類の歴史の中でもごく最近のことで、ほとんどの時代では飢餓との戦いであったはず。
私たちのカラダは基本的には、飢餓に備えて栄養をため込むようにできている。
食べ過ぎによる弊害は、現在のメタボや糖尿病を筆頭に過去にはなかった病気の増加につながっていることは、明白であると思う。
私は、最近朝食を食べることをやめた。
そもそも空腹感も、あまり無く食べていた朝食をやめると、昼食がおいしい。
頭も冴えて体も軽い。
「空腹感があり、おいしくご飯が食べられる」 
このことは、食事をとる上で一番大事な事ではないだろうか。
みなさんは、空腹感ありますか…


飽食をやめて朝だけ断食

人類史上これほど飽食の時代はありません。
多くの人は食べ過ぎです。目が覚めて朝食、お昼に昼食、3時におやつ、夜には夕食、夜食。テレビや本を読みながらスナック菓子を食べている人までいます。
いつもいつも食べているので内臓が休まる暇はありません。
-中略-
ことわざに「腹八分に病気なし、腹十二分に医者足らず」とありますが四分の差が病気をつくります。一日の食事の3分の1を減らせば病気をしなくてすむということです。
減らすなら朝食が最適です。朝食は英語でbreakfast、breakはやめる、fastは断食の意味があります。前の日の夜からの断食をやめるという意味です。
「吸収は排泄を阻害する」という体の法則どおり、胃腸が消化吸収している間は体内の栄養物や老廃物を十分に燃焼できないので悪い物を排泄できません。
ところが夜から朝は断食と同じ状態で胃腸は休んでいるため、寝ているときに排泄機能がフル回転し、口臭や目やに鼻汁、濃い尿が出ます。
これは体内の栄養物が燃焼した後のもえかすです。


これは“非常識の医学書”いう本からの抜粋です。
現代人の食の問題の一つは「食べ過ぎていること」。
人間は食事をしていない時に排泄機能が高まり体のゴミを処理してくれています。それと同時に体の回復を促すホルモンの分泌も高まります。さらに最近では「長寿遺伝子」が働き出すことまで分かってきました。
飽食の時代を生きる我々には、食事をしていない時間がいかに大切かがわかります。
体内のゴミを処理できないということは、シミやシワの美容面はもちろん、脂肪が増え、免疫力の低下を引き起こします。簡単にいうとカラダの「老化」が進みます。
何を食べればいいかと同時に食べない時間をつくる事も、同じくらい大事です。
いらないものを溜めすぎていると感じている方は少なくないはず。
大きな荷物を抱えているカラダから、いらないものをスッキリと捨て去ることやっぱりカラダをつくる食事からですよネ


昭和堂薬局 | 2010年6月28日


横浜ポルタ内にある漢方薬局。あなたの健康な体を取り戻すお手伝いを致します。