『昭和堂薬局』

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東洋医学的認知症とは

数年前、認知症の漢方として抑肝散がブームになりました。しかし、この処方は認知症の周辺症状である攻撃性を改善する漢方薬です。中核症状を改善するものではありません。また、西洋医学の薬もまだ症状を緩和するものがあるだけです。漢方を使っても治すのはなかなか難しいかもしれませんが、少しでも進行を遅らせたり出来ればと思い、中医学的に認知症をどう見ていくかお話していきたいと思います。

中医学では脳の定義を教科書的には、はっきりと言っていませんが、おおよそ2千年前の「黄帝内経」という書物に脳という言葉は出てきます。
「腎は骨を主り、髄を生じ、脳に通ず」という言葉から、脳は腎の支配下にあります。しかし、これは脳という物質は腎の支配下にありということで、脳が行っている「思考活動」に関しては、「心は神を主る」ことから、脳の機能は心の支配下にあります。

認知症の主な症状は、「物忘れ」です。「物忘れ」は心の症状ですが、老化によって起こることや脳の萎縮があることを考えると、腎の衰えです。また、認知症が出てしまったのは腎と心が交流できなくなって起こったと解釈もできます。

ここまで、認知症の「物忘れ」を中心にお話してきましたが、この考え方に基づいていくと、認知症の周辺症状も同時に対応できます。例えば、不安や不眠、被害妄想などは心の症状ですし、暴力や暴言などは腎の衰えが肝に及んで起こっていることです。

認知症は、脳のどの部分が機能しなくなったかで多彩な症状が出ます。しかし、一般的に言われている「中核症状」や「周辺症状」は心と腎から治療をしていきます。

今回は、人それぞれ体質などを考慮し、処方を選んでいくため漢方薬名は多岐にわたるので割愛します。 詳しくは店頭にてお問い合わせください。


昭和堂薬局 | 2017年3月1日


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