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“がん”ってどうにかならないの?

 私の母親ががんで亡くなって5年が経ちました。亡くなる少し前、炎症を示すCRPという検査値が驚くような値になり、病院でも為す術が無いといった感じでした。その時点で甲状腺がんの手術から4年半が経過していましたが…
以前から、免疫について色々と調べていたのですが母を亡くして以来、がんについての専門書をよく読むようになりました。

 

 現在、がんの治療は外科的切除、化学療法、放射線療法と最近注目されているがん免疫療法があります。少し前にチェックポイント阻害剤がマスコミでも話題になっていたので、ご存知の方も多いかもしれません。この薬はがんが様々な免疫抑制機構により免疫系からの攻撃を回避しているものの一つをブロックして免疫系ががんを攻撃できるようにしている薬です。これらの薬は画期的でしたし、劇的効果があったようです。ただし、2割ぐらいの人たちにです。また、最近では効果があった人たちにも使っていると耐性ができてしまい効果がなくなることが分かってきました。

 

 また、免疫抑制機構を抑制しがん免疫応答を機能させるために、がん免疫療法とステロイドの併用などの工夫もされてはいますが、もう少し時間が必要なようです。

 

 しかし、実際に効果がある人がいるのですから…
がんの個人差によるものなのか?
その人の生活環境や食生活などによるものなのか?(がんの発生はこのようなことから起こるのでしょうが)

 

 実際にがんはどうなっているのだろう?

 

 がんは、がん細胞だけで病態が規定されているわけではなく、各種免疫細胞も含めて、多様な間質細胞(ガン細胞の周辺のがん細胞以外の細胞)とともに形成されたがん組織ががん病態を形成しています。
腫瘍組織では、がん細胞促進的・免疫抵抗性の微小環境が構築されています。がんの特徴として、免疫学的には、「免疫からの逃避」と「炎症によるがん進展の促進」が挙げられています。

 

 エフェクター細胞(働こうとしている細胞)である腫瘍抗原特異的なCD8+T細胞がその人の体内で誘導され機能するために、がん細胞の障害、がん細胞成分の専門的抗原提示細胞による取り込みと腫瘍抗原特異的なT細胞の活性化、T細胞の腫瘍組織への遊走、腫瘍組織内でのがん細胞の破壊という一連のがん免疫サイクルが作動する必要があります。この一連のサイクルが起こってくれれば、がんを克服できると考えられます。しかし、ほとんどのケースでうまく機能してくれないのです。

 

 がん組織は変化を続け、進化して生き残ったがんのみが増えていきます。この変化に炎症が関係しているのでは?あくまでも私見ですが、炎症を制御できると、「免疫からの逃避」と「がんの進展」が抑制できるのではないかと…
どうすればがん治療の手助けが私たちの立場でできるのか。
東洋医学や食事の面からサポートできることを日々精進していきたいと思います。


昭和堂薬局 | 2018年6月13日


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