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心理的要素が更年期障害を生む ―心からのアプローチを…―

 女性にとって更年期は、生理現象ではありますが、人によっては非常に辛い時期になる場合があります。更年期障害の発症は個人差があります。その中で、心理的に抑鬱状態の人は、穏やかな生活を送っている人よりも発症率が高いようです。

 

 中医学では、更年期障害を経断前後証侯と言います。一般的な症状としてめまい、耳鳴り、ほてり、のぼせ、発汗、動悸、不眠、不安感、イライラ、疲労、冷え、口渇等々多彩な症状があります。 中医学的に更年期は、生殖を主る「腎」の衰えにより、生殖軸である心―腎―子宮がうまく働かなくなって起こります。そのため、補腎が基本となります。

 

 中医学的には、腎陰虚によって心肝を滋養できなくなるという解釈です。そして、発熱やのぼせ、ほてりといった熱症状を伴うので、陰虚火旺という状態であるため、陰虚火旺の漢方を処方しますが、それだけではうまくいかないケースが多いです。実際には、発熱や多汗などは、精神的症状や気持ちの高ぶりなどがあるときや特定の時間(午前中)に起こることも多くあることから、「心」に原因があるケースが多く、心火の高ぶりや心気の不足と解釈する方がうまくいくことが多いです。

 

 病院やクリニックでは、ほてり・のぼせ・多汗・動悸などは自律神経症状のため、肝系の漢方薬や子宮系の瘀血(簡単に言うと血流が悪いまたは血液の滞り)の薬が多く処方されていますがこれもうまくいっていないことも多いです。

 

 更年期障害の中医学的なアプローチは、「心」を中心に考えていく方がうまくいんのです。

 

 馴染みのない表現での説明で分かりにくいかもしれませんが、「心」を安定させる安神薬が含まれる処方を試してみるとよいと思います。

 

養心安神薬

遠志(オンジ) 合歓花(ゴウカンカ) 合歓皮(ゴウカンヒ) 酸棗仁(サンソウニン) 秫米(ジュツベイ) 小麦(ショウバク) 柏子仁(ハクシニン) 夜交藤(ヤコウトウ)など

 

重鎮安神薬

琥珀(コハク) 磁石(ジセキ) 紫石英(シセキエイ) 朱砂(シュシャ) 珍珠(チンジュ) 珍珠母(チンジュモ) 鉄落(テツラク) 白石英(ハクセキエイ) 牡蠣(ボレイ) 竜骨(リュウコツ) 竜歯(リュウシ)など


昭和堂薬局 | 2021年12月7日


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