『昭和堂薬局』

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「巷間される”アルカリ信仰” 栄養学的には意味なし」

 最近、極端な健康法に”もの申す”的な記事をよく見かけます。
 この産経新聞の記事もそうですが…
 基本的に生活習慣とくに食習慣は極端なことはせず、バランスが大切です。
 では、どんな内容か以下に紹介します。


 「アルカリ性食品は健康に良い」と言われることがありますが、明確な科学的根拠はありません。「体を健康に保つアルカリ性食品」「酸性食品を食べ過ぎると血液が酸性になって体に悪い」などと言われ、アルカリ性食品は体に良く、酸性食品は体に悪いというイメージがなんとなくありませんか? 本当ところはどうなのでしょう。
 レモンや梅干しのようなすっぱい味のするものは酸性食品と思われがちですが、それは味覚上のことです。
 「アルカリ性食品」・「酸性食品」の判定は、食品を燃やし、燃え残った灰(ミネラル分)を水に溶かして、その水溶液がアルカリ性か酸性を示すかで判定します。これは体内に取り入れた栄養素を、生理的に燃焼したあとに残ったミネラルが同様の反応を示すと考えられていることに基づきます。
 ■酸性食品、アルカリ性食品の分類
 測定の結果、以下のように分類されます。
 【酸性食品】
 穀類、肉、魚介類、卵、砂糖、チーズ、ビール、日本酒など
 酸性を示すミネラル⇒塩素、リン、硫黄など
 【アルカリ性食品】
 野菜、果物、海藻、きのこ類、大豆、ワインなど
 アルカリ性を示すミネラル⇒ナトリウム、マグネシウム、カリウム、カルシウムなど
 ■体に与える影響
 食品のアルカリ性・酸性は人体にどの様な影響を及ぼすのでしょう。酸性食品ばかり食べていると、血液は酸性になるのでしょうか?
 人間の血液のpHは7.35~7.45の弱アルカリ性に常に保たれています。これは、血液、呼吸器、腎臓などの働きによって体を常に正常な状態に保とうという機能(=恒常性)によるものです。恒常性は、気温の高低に関わらず、体温を一定に保つ機能と同じような仕組みになります。
 人間には、生命を維持するために防御・緩衝機能が備わっています。「酸性食品を食べ過ぎると血液が酸性になる」と言うことはありません。
 酸性食品に分類されている肉類を多く食べ過ぎると、コレステロ-ルや脂肪の摂り過ぎになることがありますが、酸性食品であることとは関係なく、これによって血液が酸性になることはありえません。
 栄養学的にみて、科学的根拠のない「アルカリ信仰」は、あまり意味があるとは思われません。
Q:アルカリイオン水は、健康にいいのですか?
A:高額な浄水器や飲料が販売されていますが、アルカリ性食品と酸性食品と同様に、医学的な効用はわかっていません。
 アルカリイオン水は電解水とも呼ばれ、水に電圧をかけてプラスイオンを持った分子をマイナス電極に集めて濃度を高めたものです。カルシウム、マグネシウムなどのイオンが増えるのでアルカリ性を示しますが、生理的な活性があるわけではありません。

 通常、極端な病的状態でない限り、血液が一時的に酸性やアルカリ性になっても元に戻ります。
 ただし、この記事で言っている「酸性食品」ばかりを食べていると、アルカリ性・酸性という意味ではなく栄養のバランスが悪くなりますので、「アルカリ性食品」も積極的に摂っていく必要があります。


昭和堂薬局 | 2013年6月19日

 

不妊症の解説~高プロラクチン血症~

プロラクチンとは脳下垂体から分泌されるホルモンの一つで、乳腺刺激ホルモンとも呼ばれ、通常は妊娠~分娩後授乳期間中に乳腺を刺激して乳汁分泌を促し、また排卵を抑えるように働きます。しかし、このホルモンの分泌が妊娠していない時も異常に亢進して、無月経・無排卵月経・乳汁分泌(男性では、精力低下・女性化乳房)などを引き起こします。このようなものを高プロラクチン血症といいます。このことから高プロラクチン血症は不妊症の原因の一つと考えられています。
 プロラクチン値は日内変動(夜間高く、日中低い)するため値が正常な範囲の人でも、夜間に正常範囲を超えている場合があります。これを潜在性高プロラクチン血症といい、排卵障害や黄体不全の原因になります。
 中医学的に高プロラクチン血症を考えると、その原因の多くはストレスであり肝気欝結(かんきうっけつ)の状態を呈すると考えています。(詳しくはトップページ⇒不妊症~高プロラクチン血症~をご参照ください。)
 婦人科から高プロラクチン血症といわれた不妊に悩むお客様と店頭で接していると、実際にストレスを感じている方もみられるのですが、元々の性格として”気遣い屋さん”が多いように感じられます。
 気遣いができることは素晴らしいことだと思いますが、別の表現をするとストレスへの感受性が高く、我慢強いと言うこともできます。
 本人はそれが当たり前になっていて、気を遣っているようには思っていないのかもしれませんが、体は正直に反応してしまい、この結果としてプロラクチン値が上がっているケースもあると思われます。
 性格を変えることはできませんが、周囲の方々には打ち明けにくいことでも私達に話すことによって少しでも楽になっていただけたら…その上で、漢方薬や健康食品を用いて、あなたの気が付かないうちに抱えてしまっているストレスからくるホルモンバランスの乱れを様々な角度から補正するお手伝いをしています。


昭和堂薬局 | 2013年5月29日

 

元宝塚ジェンヌの女優45歳が心筋梗塞で入院

 「元宝塚ジェンヌの女優45歳が心筋梗塞で入院」と報道されました。
 心筋梗塞や脳梗塞などの血管病は、本来であればこの年代の女性において少ないはずであり、この女優の45歳という年齢では心筋梗塞にはあまり罹らない。これは女性がエストロゲン(卵胞ホルモン)で守られているためです。しかし、閉経後増加し70歳以降では男性のエストロゲン分泌レベルに近づいていきます。
 では、この女優はこの年齢でなぜ心筋梗塞になってしまったのでしょうか?
 考えられることは、強いストレスや女性ホルモンを分泌低下などが考えられます。女性の更年期は45歳~55歳であることを考えると、そろそろ女性ホルモンの分泌が不安定になってくる時期でもあります。女性ホルモンの分泌が低下すると脳の視床下部に影響して自律神経系に影響します。この結果としてストレスにも弱くなってくるのです。
 このことに関連するコホート研究が、2009年に独立行政法人国立がん研究センターより紹介されています。この研究は岩手県、秋田県、長野県、沖縄県の40歳~59歳の男女4万人を11年間追跡調査で、食事調査を含む生活習慣のアンケート調査から心筋梗塞・脳梗塞との関連を調査したもので、「大豆をよく食べる女性グループは脳梗塞・心筋梗塞のリスクが低下」という結果が示されています。さらに、この研究では、大豆製品の摂取量からイソフラボンの摂取量を算出し、イソフラボンの摂取が、日本人の女性、特に閉経後の女性で脳梗塞・心筋梗塞の発症リスクを低減させることを示しました。一方、男性では同様の結果は得られなかったようです。
 女性にとって、特に閉経以降の女性にはイソフラボンの力を借りるといいですね。


昭和堂薬局 | 2013年5月13日

 

排卵障害と食

 不妊症で原因が女性にある場合、多いとされる病因は卵管因子と内分泌因子の異常であり、その中でも内分泌因子の異常で排卵障害が起こされています。最近は、食生活の変化が内分泌に影響し排卵障害が起きているとも言われています。
 排卵障害を起こすものとしては、高プロラクチン血症、多嚢胞性卵巣症候群、副腎機能障害、甲状腺機能障害、体重減少性無月経、肥満、下垂体性無月経、黄体機能不全、黄体化非破裂卵胞などがあります。
 これらのうち原因となる疾患や薬剤がある場合を省くと、食との関わりが多くあるように思います。例えば、多嚢胞性卵巣症候群は肥満やインスリン抵抗性(インスリンという糖代謝に関係するものがうまく働かない状態)との因果関係が指摘されていることを考えると、現代の高脂肪食が関係している可能性があり、黄体化非破裂卵胞と慢性炎症の因果関係でも同じように高脂肪食が関係している可能性が考えられます。
 近年、慢性炎症と肥満やインスリン抵抗性の関係が解ってきています。この原因の一つには高脂肪食があり、高脂肪食を摂り続けることによる体に対する影響として腸内環境が悪くなることもわかっています。その腸内環境が脳に影響するとも言われ始めていることから、メンタル面にも影響がある可能性があります。
 障害が出てしまっている状態では、食を変えてもすぐには改善されないかもしれませんが、これ以上状況を悪くしない為に食の見直しは必要なことだと思います。
 以前から当コラムで食養生についていろいろと書いておりますので、参考にしてみてください。また、漢方やサプリメントを上手に利用することも改善への近道になりますので、店頭にてご相談ください。


昭和堂薬局 | 2013年5月8日

 

最近、テレビや本などで話題になっている腸内環境

 最近、テレビや本などで話題になっている腸内環境
 なぜ今腸内環境なのか…
 一昔前までは、腸内細菌を解析する場合、人の便を採取し細菌を培養するしか解析方法がありませんでした。しかし解析技術の進歩で飛躍的に腸内細菌の解析ができるようになったことで、腸内細菌が私たちの体に様々な影響を及ぼしていることが判ってきました。
 腸内細菌は人の腸内におよそ1014個存在し、重さにすると1~2㎏にも及びます。腸内細菌は私たちが消化できない物を分解し私たちの体に栄養素を供給してくれます。また、有害物質の分解や外部から侵入してくる病原菌を増殖しないようにしてくれたり、消化管の上皮細胞の分化誘導をして消化管の機能の恒常性を保とうとしています。
 人の腸内細菌叢は年齢や食事などの生活環境によって個人差があり人によって様々です。しかし、この腸内細菌の構成が病気を誘発したり、逆に病気を防いだりすることが判ってきました。例えば炎症性腸炎、肥満、癌、自己免疫性疾患、アレルギーなど多くの病気と関係していたのです。この事実で多くの研究者が腸内細菌叢に注目し、新しい事実が次々に解明されています。
 正しい表現ではありませんが、大まかにいうと善玉菌を多くして悪玉菌を減らすことにより腸内環境を良くすることができます。しかし、悪玉菌や日和見菌の必要がないわけではなく、これらの菌も免疫細胞の誘導などを行って我々の体に影響を及ぼしています。例えば最近問題になることの多い食物アレルギーですが、本来人間は食物のような体に無害なものには免疫が働かない仕組みがあるため食べ物では免疫反応は起こらないはずです。しかし食物アレルギーがある場合は免疫反応が起こってしまうのです。
 体に無害なものに反応しないようにするためにはTreg細胞(免疫細胞の一つ)を誘導する必要があり、この誘導に悪玉菌と呼ばれているクロストリジウム属が働いていることが判っています。このように”悪”と名がついていても体にとって必要不可欠なこともしているのです。
 健康でいるためには腸内環境を良い状態にしておく必要があります。善玉菌と悪玉菌は常に勢力争いを繰り広げており、相手の勢力を奪おうと虎視眈々と互いの勢力を狙っています。ストレスが多かったり、肉を多く食べ過ぎていたりすると悪玉菌が優勢になります。野菜を多く摂り日本の伝統食である発酵食品やヨーグルトなどを摂ると善玉菌が増えてくれます。最近の食環境はどちらかというと悪玉菌に加勢しており、ストレスも善玉菌を減らす傾向にありますので注意が必要です。



昭和堂薬局 | 2013年4月10日

 

不妊症の解説~排卵編~

 排卵の障害は、主に内分泌因子の障害を現しています。
 内分泌因子とは脳の視床下部から下垂体へ、また下垂体から卵巣へ、卵巣の卵胞や黄体から女性ホルモンの分泌という流れのことで、内分泌因子の障害とは、この流れのどこかが障害を受けてうまくホルモンが分泌しないことです。
 当店の子宝相談で多い質問から紹介し、解説します。

Q:基礎体温が2相性になっているので正常ですか?
周期が28日±7日以内、月経が3日から7日、低温期と高温期の差が0.3から0.5℃、高温期が11日以上あれば正常で、低温期の最後の時期に頸管粘液(おりもの)が多くなり、粘度がサラサラになっていればほぼ正常といえます。

Q:体温が下がった日が排卵日ですか?
排卵日を特定する場合は、体温の陥落日、最低温日、高温相の初日などがありますが、最も一致する確率が高いのは低温相の最後の日ですが、一致する率は60%程度といわれていますし、基礎体温表を後から見ればわかりますが、その日が最終日かを予測することは難しいです。ただ毎月ほぼ一定しているような方は、ある程度予測はできますが、正確には排卵チェックキットを使ったほうがよいでしょう。また、頸管粘液の様子をチェックしてもおおよその予測はつきます。

Q:妊娠していないのに母乳が出るのですが?
高プロラクチン血症の可能性があります。プロラクチンは下垂体前葉ホルモンの1つで、乳管への乳汁分泌作用と性腺抑制作用があります。性腺とは女性の場合卵巣の機能のことで排卵やホルモン分泌機能を指します。性腺抑制作用とは排卵やホルモン分泌を抑制することです。この原因を婦人科で検査する必要があります。最近、大変多いと感じている症状で、原因がわからないケースも多くみられます。

Q:黄体機能不全とは?
黄体ホルモンの分泌が安定していなく、基礎体温では高温を維持できなくて陥落していたり、高温期が10日未満だったりします。この場合は子宮内膜がうまく肥厚しないために着床障害を起こす原因になります。

これら以外にもいろいろなケースがありますが、代表的なものをご紹介しました。


昭和堂薬局 | 2013年4月23日

 

酵素ファスティングがダイエットに良い、もう一つの理由

 酵素飲料を使ったファスティングがダイエットに良い理由が、今まで言われてきた酵素栄養学以外にもう一つあります。
 近年、肥満のメカニズムが研究され、肥満の原因が高脂肪食による腸内細菌叢の変化と脂肪組織での炎症であることが判ってきました。
 1980年頃から肥満が問題になり始め、ちょうどこのころ日本は高度成長期で生活が豊かになり、食が大きく変わり始め、さらに交通機関の発達などで運動不足が起こり始めました。この高栄養食と運動不足で肥満が増えてきたのです。
 では実際のところ体の中で、この時にどんなことが起こっていたのでしょう?
 高脂肪食の摂取増加によって、私たちの腸内では腸内細菌の善玉菌が減り、悪玉菌が増えることになってしまいました。そしてその悪玉菌が増えることにより、身体が微弱で慢性的な炎症を起こすことが近年になり分かってきました。
 肥満が進むメカニズムも解明され始めており、脂肪組織で発生した炎症が、脂肪細胞を肥大化し、さらにその脂肪細胞が炎症を起こす物質を放出することにより、脂肪組織の炎症が進むという悪循環が形成されてしまいます。
 この肥満に至るメカニズムに、なぜ酵素ファスティングが良いかというと、ファスティングで食事制限をするために、脂肪の摂取が長い目で見たときに抑えられ、同時に酵素飲料は発酵飲料ですから、酵母菌や麹菌、植物性の乳酸菌などが摂取できます。このことで腸内環境を改善の方向に向わせ、肥満の二つの原因(高脂肪食と腸内細菌の変化)を酵素飲料でファスティングを行うことで改善できるのです。
 また、ファスティングの思わぬ副作用であるケトアシドーシス(食事制限によりエネルギーを蓄えてある脂肪酸を糖質に返還させてエネルギーに変えようとすることが過剰に起こると発生します)を酵素飲料をとることで糖質が少量摂取できることで防ぐことができるのです。


昭和堂薬局 | 2013年3月26日

 

肉や乳製品ほどほどに 脳卒中減り心筋梗塞は増加

 私が提唱している油の摂取の仕方について、興味深い記事が産経新聞に載っていたのでご紹介します。


 肉や乳製品に多く含まれる飽和脂肪酸を多く取ると脳卒中のリスクが下がる一方、心筋梗塞を発症しやすくなるとの研究結果を国立がん研究センターなどの研究チームがまとめ、11日公表した。チームは「肉や乳製品は、ほどほどに食べるのが良い」としている。
 チームは国内の約8万2千人を追跡調査した。摂取量により5グループに分けて分析、摂取量が最も多いグループ(1日当たり21・6~96・7グラム)は最も少ないグループ(同0・8~11・7グラム)と比べ、脳出血や脳梗塞を含む脳卒中全体の発症率が23%低かった。
 脳卒中のうち脳の奥にある細い血管から出血し、日本人に多い「深部脳出血」は摂取量の増加に伴い発症率が下がる傾向が鮮明だった。飽和脂肪酸を取ると、血管を強くするのに必要なコレステロールが増えることが関係するらしい。
 一方、心筋梗塞は、摂取量が最多のグループは最少のグループと比べ発症率が39%高かった


 飽和脂肪酸は過剰に摂取することにより、免疫担当細胞やその細胞が放出する伝達物質を過剰に刺激してしまい炎症を起します。この炎症が原因で通常の血管は動脈硬化を起こし、心筋梗塞を増加させます。しかし、脳の血管、特に脳の奥の方にある血管は通常の血管と異なり、脳を守るために脳にとって必要のない物は通さない構造になっているため、脂質や上述した炎症の影響を受けにくくなっているため動脈硬化にはなりません。
 飽和脂肪酸は、一般的には体にとって悪者のように思われますが、細胞膜を作るために必要なものです。特に脳内においては脳神経組織の安定や脳の血管細胞を作る際に必要なもので成人の体内におけるコレステロールの1/4は脳に集中して存在しています。
 脂肪酸には、飽和脂肪酸、一価不飽和脂肪酸、多価不飽和脂肪酸があり、各々身体には必要なもので、それらの役割も分かってきています。特に多価不飽和脂肪酸の内、EPAやDHAでよく知られるオメガ-3系の脂肪酸は炎症を終息させるために必要不可欠なものです。炎症を終息させる多価不飽和脂肪酸や細胞膜を作るために必要な飽和脂肪酸、摂取の仕方もバランスが大切なのです。脳卒中は起こらなくても、心筋梗塞が起こってしまっては健康とは言えません。健康のためには、動物性の脂肪酸や植物性の脂肪酸、現代人は特にオメガ-3系の魚の油やシソ油などが必要なのです。
 人間の体はバランスが大切です。食べるものもバランスよく食べなければバランスが崩れて病気を起こしてしまうのです。



昭和堂薬局 | 2013年3月14日

 

平成25年2月22日NHKためしてガッテンで子宮内膜症について放送されました。

 平成25年2月22日NHKためしてガッテンで子宮内膜症について放送されました。
 最近、不妊相談に訪れる方たちの多くが子宮内膜症や子宮筋腫を患っています。
 今回、ためしてガッテンで子宮内膜症が紹介されたので免疫学的な補足をさせていただきます。

以下、番組内容を抜粋(詳細はためしてガッテンのホームページでご確認ください)

さらば!あのツライ痛み 260万人を襲う謎の病~いま女性に増えている病気「子宮内膜症」~
 月経がある女性の10人に1人がこの病気になるといわれ、患者数はおよそ260万人と推定されています。
 しかし、そのうち病院で診断を受けている人は、およそ60万人。
 病気のサインに気づきながらも、放置していたために悪化してしまうケースも多く、女性はもちろん男性にもぜひ知っておいてほしい、知られざる子宮内膜症の実態をお伝えします。
 女性の月経(生理)と深い関係のある病気、「子宮内膜症」。
 恥ずかしながら、女性である私も、取材を始めるまで、その実態についてほとんど知りませんでした。取材に応じて下さった子宮内膜症の患者さんの多くも、診断を受けるまで病気のことをご存じなかったそうです。
 そんな皆さんが口をそろえておっしゃっていたのが、この病気について「知っておくこと」の大切さです。それが病気のサインにいち早く気付くことにつながり、診断を受けても治療に前向きになれる力になるからです。
 番組でお伝えできたのは、さまざまな形であらわれる子宮内膜症のごく一部ですが、病気についての理解が広がっていく、その一助になれたらと思っています。
 そしてなにより、もし「重い月経痛」「月経に伴う体の痛み」など気になる症状があれば、我慢せずに病院を受診していただきたいと思います。


 子宮内膜症の原因はまだ完全には分かっていません。しかし、体内でどのような現象が起きているかという点で解明が進んでいます。
 月経時に、ほとんどの女性において経血は逆流しています。
 健康な女性では経血と共に逆流した子宮内膜(異所性子宮内膜といいます)を免疫担当細胞が排除しているので子宮外に子宮内膜が生着、増殖することはありません。
 しかし子宮内膜症を患っている方は何らかの原因で(例えば体内で起こる炎症など)免疫により排除されるはずの異所性子宮内膜が免疫担当細胞からの攻撃を逃れ、本来存在しないはずの卵巣や腹腔で子宮内膜が生着、増殖してしまいます。
 免疫の中心的な役割を果たしているのは腸管免疫で、欧米型の食事の普及によって日本の伝統食である発酵食品の摂取が減少したことで腸内環境のバランスは乱れ、さらにストレスが加わることで悪性菌が優位に働くことが分かっています。
 また、マーガリンや酸化された油を恒常的に摂取していると風邪などの感染症やアレルギーによる炎症反応を完全に鎮めることができず、その結果免疫の異常をきたすことに繋がっていくことになります。
 子宮内膜症を発症してしまうと完治するのは大変であるため早期発見と予防が大切です。
 ストレスを感じる方やよく風邪をひく、アレルギーがある方、感染症によくかかる方などは注意が必要で免疫の狂いが生じている可能性があります。
 普段から生理不順や便秘と下痢を繰り返すような方は、腸内環境のバランスが乱れている可能性があるため、ストレス解消や腸内環境を改善し免疫を正していく必要があり、生活の改善が難しい場合は漢方薬や腸内環境を整えるための健康食品を使用していくことも視野に入れてみては如何でしょうか。


昭和堂薬局 | 2013年2月27日

 

アレルギー性鼻炎 8割が薬の効果実感できず

産経新聞電子版にアレルギー性鼻炎の治療についての調査結果が掲載されました。


アレルギー性鼻炎 8割が薬の効果実感できず
 日本人の3割が患っているともいわれるアレルギー性鼻炎だが、通院中の患者の約8割が、鼻づまりの症状に対し治療薬の効果を感じていないことがサノフィ(東京都新宿区)の調査で分かった。
 調査は、アレルギー性鼻炎の患者を診察する医師300人、16歳以上の通院患者1千人に実施した。それによると、患者の92%が「鼻づまりの症状で困っている」と回答。具体的には「十分な睡眠がとれない」(82%)、「仕事・勉強・家事に集中できない」(74%)などが挙がった。
 一方、使用中の治療薬の効果については「鼻づまりの症状がすっきりとれる」と答えた患者は22%。約4割の患者は「鼻づまりがあっても治療は変わらないと思った」などの理由から、診察時に鼻づまりの症状について医師に伝えていなかった。
 山王病院(港区)耳鼻咽喉科医師の倉島一浩さんは「過去の経験から、治療に期待を持てなくなっていることや治療に対する不信感、諦め感があると考えられる」としたうえで、「医師が積極的に患者に聞き取りを行い、満足度を向上させる治療に取り組むことが重要だ」と話している。


 8割の方が鼻づまりに関して効果を実感できていないというのは驚きですが、医師からの処方薬や一般的に売られている鼻炎薬(抗アレルギー薬も含む)と呼ばれているものは、”アレルギー”という私たち誰もが持っている”免疫”の過剰反応そのものを起こらなくしているわけではなく、この過剰な免疫反応によって発生してしまうヒスタミンやロイコトリエンといった物質の放出をブロックするタイプかこれらの物質が受容体というスイッチを押すことをブロックするタイプがほとんどです。
 花粉やほこりなど体にあまり害を及ぼさないものに対して過剰な反応を起こしてしまうことが問題であり、薬を服用してその場しのぎの対応をすればよいのではなく、日頃から、この敏感すぎる反応を起こらないようにするための生活習慣や食生活を送ることが重要です。
 現在、アレルギー疾患や生活習慣病(糖尿病など)、心疾患、がん、自己免疫疾患(リウマチなど)、肥満に至るまで様々な病気の根本に”慢性炎症”が関わっていることが判明しています。この”慢性炎症”の発生メカニズムは解明されていませんが、ストレスや食生活が原因であると言われています。食生活の乱れにより腸内環境が悪くなることで炎症が起こりやすくなり、油の摂り方が不適切だと何らかのきっかけで一度発生した炎症を終息できずに慢性化し、この流れが何度か続くことで炎症が持続した状態になり、害が少ないはずの花粉が侵入しても敏感に反応してアレルギー性鼻炎の症状が出てしまうのです。
 花粉症の症状を抑えるのではなく、この微弱ではあるが持続的な炎症を起こしている体を正常に戻すために食事のバランスや腸内環境を良くする善玉菌を積極的に摂っていくことが大切です。


昭和堂薬局 | 2013年2月13日


横浜ポルタ内にある漢方薬局。あなたの健康な体を取り戻すお手伝いを致します。