『昭和堂薬局』

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NHKスペシャル「産みたいのに産めない~卵子の老化の衝撃~」

 23日に”NHKスペシャル「産みたいのに産めない~卵子の老化の衝撃~」”が放送されました。
 不妊で悩んでいる方の相談が当店でも増えており、この”卵子の老化”という問題は大きな課題であります。
 この番組では、多くの夫婦が不妊に悩む原因や背景を探るため、NHKが全国の専門医療機関に調査を行ったところ、女性が年を重ねるとともに妊娠しづらくなる「卵子の老化」に原因がある患者の割合が半数近くに上ることが、初めて明らかになりました。
 専門家は「卵子の老化という現象があまり知られていないことが、不妊に悩む夫婦の増加に拍車をかけている」と指摘しています。
 「卵子の老化」は事実ですが、このことにショックを受けた方は多いのではないでしょうか。
 では、実際のところ卵胞や卵子は一人の女性の一生でどのような推移をしているのでしょう。
 胎児期の卵巣には700万個の卵子が存在しますが、出生前に減少し出生時には200万個の原子卵胞が存在します。しかし、思春期には20~30万個に減少します。
 ここからが重要で、1回の排卵で消失する卵胞は20歳台では約1000個、30歳台では約500個、 35歳台では約100個、 40歳台では約10個といわれ、この数の中から1つのエリート卵胞が選ばれ排卵しているのです。
 20歳代は1000個の中から1つ、40歳代では10個の中から1つのエリート卵胞が選ばれるのですから…
 また、中医学では女性は7の倍数で体が変化すると言われます。これは中国最古の医学書といわれる「黄帝内経」という本に書かれていることですが、2000年以上前にすでに女性の妊娠する力のピークは28(7×4)~35(7×5)歳と書かれているのです。
 そのころより食べ物は豊富にあり、住環境も衛生的で良くなっていて寿命も延びています。反面、空気は汚染され不自然な加工食品やインスタント食品など便利なだけの食品が多くなっています。
 老化には個人差があります。35歳を超えると妊娠しにくくなるのは事実ですが、絶対にできないわけではありません。悪い食生活をやめ、ストレス発散の方法を見つけ少しでも自分の身体を老化させないことが大切です。中医学的に老化は腎の衰えです。補腎の漢方薬で”卵子の老化”を少しでも防ぐことが可能です。
 限界はありますが、”卵子の老化”に挑戦してみてはいかがですか。


昭和堂薬局 | 2012年6月26日

 

アトピー性皮膚炎の慢性化の原因が解明されました。

 12日の新聞やテレビで「アトピー性皮膚炎の慢性化の原因が解明された」という報道がありました。これは佐賀大学医学部が「ペリオスチンはTh2型サイトカインに反応して慢性アレルギー性炎症を増悪する」という論文を医学誌に発表したのです。
 内容は、「ダニなどのアレルギー原因物質(アレルゲン)が皮膚組織に侵入するとTh2細胞(免疫細胞)が活性化され、IL-4、IL-13(炎症性メディエーター)が産生されます。IL-4・IL-13は線維芽細胞に作用してペリオスチンの産生を誘導します。ペリオスチンは表皮細胞上のインテグリン(細胞接着分子)に結合し、炎症性メディエーターを産生し、再びTh2細胞を活性化します。」このようにペリオスチンが産生されることにより悪循環が継続されるのです。
 ペリオスチンは骨の再生、心筋の修復、がんの増殖抑制などに関わっていることが判明し、注目を集めている物質です。このペリオスチンを排除するような抗体を投与することは、命に関わる副作用が出る可能性があり不可能です。このため、ペリオスチンとインテグリンの結合を阻害することができれば画期的な新薬になると言っています。
 果たしてそうなのでしょうか?
 確かに新しい薬になるとは思いますが、本当の意味の解決はこの解明された一連の生体反応を起こらなくすることではないのでしょうか。
 アレルギーはTh2細胞が優位になっていることで起こります。同じアレルゲンに出会ってもアレルギーを起こす人とアレルギーを起こさない人がいます。これはなぜなのでしょうか?アレルギーを起こさない人はTh1とTh2のバランスがよいのでアレルギーを起こさないのです。
 アレルギー体質の人は遺伝的要素もありますが、食生活や生活習慣が関係しています。特に日本人は胃腸虚弱の体質で、食の欧米化により日本の伝統食を食べなくなりました。日本の伝統食は腸内環境を整える食べ物が多くあります。腸内環境を整えると腸内の善玉菌が多くなり、Th1とTh2のバランスをとってくれるのです。
 また、最近は簡単便利な食べ物が多く、インスタント食品やスナック菓子などを食べることによる炎症体質もアレルギーや多くの病気の原因といわれます。
 アレルギーを起こさない体にするには食生活の改善が大きな課題だと思います。食生活の見直しでTh1とTh2のバランスとりペリオスチンを”大量につくらないこと”がアレルギーの解決方法です。食生活を改善しながら、炎症を抑える漢方薬をつかうことも可能です。
 生活習慣と食生活を見直し、アレルギーのない健康な体を手に入れましょう。



昭和堂薬局 | 2012年6月19日

 

初産の年齢が30歳を超えた

 厚生労働省は5日、2011年の人口動態統計(概数)を発表した。
 それによると、初産の年齢が30歳を超えたという。また、平均初婚年齢も男性が30.7歳、女性が29.0歳で、過去最高を記録している。
 最近、テレビコマーシャルの影響からか、お客様から「女性は7の倍数、男性は8の倍数で体調の変化があるの?」という質問を受けることが多い。この考え方は東洋医学のもので、成長や老化が女性は7の倍数、男性は8の倍数で段階的に上昇、下降することを指す。このことから妊娠に適した年齢(東洋医学では腎の力がみなぎっている時期)は、女性28~35歳、男性32~40歳で、それを超えると妊娠しにくくなります。一般に女性は35歳を超えると急激に妊娠しにくくなるといわれます。
 しかし、老化には個人差があるといわれるように、妊娠に適した年齢も個人差があります。自分の人生設計で、妊娠に適した時期を超える可能性のある方は(限度はありますが…)前もって準備が必要になります。東洋医学的には成長や老化は腎の力で計ります。では、腎の力はどうすれば衰えないのでしょうか。腎には生まれ持った力(先天の精)と生まれた後に食べ物などから作られる力(後天の精)があり、先天の精は生まれた時にご両親から受け継いだもので、これを消耗しないようにすること、”睡眠をきちんと取り、疲れをためない””過度な性生活をしない”などや食生活の乱れやストレスで後天の精が補充できないことを防ぐ必要があります。
 最近よく思うことは便利な食べ物が多くなり、食材から作ったものを食べていない人が意外に多いことです。私たちの体は生き物です。生きたものから命をいただき自分たちの命にしているのです。ましてやこれから自分たちの子供を作り、自分たちの精を分け与えるのでしたらなおさらです。簡単に食を述べると旬のものを摂り、食材から作ったものを摂りましょう。インスタントや加工食品は控えましょう。ちょっと手遅れと思っている方は漢方の補腎薬があります。
 このようなことの積み重ねで腎の力が衰えるのを防ぎ、いつまでも若い体を保ちましょう。


昭和堂薬局 | 2012年6月12日

 

“みんなの家庭の医学”でAGEの話題が放送された

 5月29日の”たけしのみんなの家庭の医学”で”血管・骨・肌・内臓を老化させる犯人が判明!全身の老化を徹底予防スペシャル”が放送されました。
その内容は…
 同じ年齢の人でも老けて見える人や若く見える人がいる。南デンマーク大学医学部の研究では老けて見える人は早死にする危険性が高いという。
では、見た目の老化とは…
①目尻のしわ
②下まぶたのしわ
③ほうれい線
④口元のたるみ
⑤顔全体が落ちる
 また、老けて見える人は見た目だけでなく身体の中まで老化が進んでいるという。
 その原因は「身体の中に老化物質AGEと呼ばれるものが溜まっているからだと思われます」と久留米大学医学部教授山岸昌一先生はいう。
 このことは私も去年のコラム「皮膚の老化」で解説していますが、糖化(グリケーション)が老化に関わることがここ数年で判ってきました。
 しかし、30年近く以前から老化は酸化原因といわれ、数多くの抗酸化物質が知られていますが、糖化の歴史は浅く抗糖化物質はほとんど知られていません。(化粧品には抗糖化の製品があるようです。サブリメントも出始めました。)
 人間が生きていくうえで、酸素や糖は絶対に必要なものです。では、どうしたら糖化の影響を抑えることができるのでしょうか。それは血糖値の上昇を緩やかにすることです。
 番組でも言っていますが、野菜などの繊維を先にとり、最後に炭水化物を摂るようにすると血糖値の上昇のカーブを緩やかにできます。また、ジュースなどに含まれる吸収しやすい単糖(グルコース)が入っている飲み物を控えると糖化の影響を少なくできます。
 AGEはタンパク質に糖が結合して反応が進んでいき、最終的にできる物質で最終糖化産物と呼ばれています。この反応の途中で酸化も関わることから抗酸化物質を摂ることも必要です。
 自分の身体が糖化しないように食事や飲み物を見直し、少しでも若い体でいられるような生活を心がけましょう。


昭和堂薬局 | 2012年6月1日

 

血管若返り

 5月7日の主治医が見つかる診療所で”血管若返り”というテーマの放送がありました。
 実際ある程度、血管は若返ると私も思います。
 しかし、番組冒頭で言っている”血圧やコレステロールを下げると血管は若返る”というのは正しいとは言えません。番組で言っているような食生活をして、血圧やコレステロールが下がることで血管は若返っていくのです。
 番組で言っている食生活とは、まず野菜から食べはじめ、最後に少しご飯を食べるという食べ方でした。
 この食べ方を行うことで血糖値の上昇が緩やかになり、野菜をしっかり食べることでフラボノイドなどの抗酸化作用のある食物が摂れることにより、血中のコレステロールの酸化を防ぎ、血管を狭くするなどの血管障害を改善することができます。
 ただし、食事は野菜だけを摂ればよいのではなく、体に必要なものをバランスよく摂る事が大切で、脂質・タンパク質・炭水化物・ミネラル・ビタミンをきちんと摂る事なのです。脂質は人間の細胞膜やホルモンなどをつくるのに必要であり、タンパク質は脳内の伝達物質などをつくるのに必要です。このように体に必要なものをバランスよく摂らなければいけません。
 私は30代後半に拍手をしただけで手指の血管が切れ内出血をするということを経験しました。自分自身、健康相談を受ける立場にありながら自分の身体が病んでいることにショックを受けました。
 確かに今思うと、その頃の食生活や生活習慣はめちゃくちゃでした。その後、食生活や生活習慣を見直すことで今では拍手をしたぐらいでは内出血をしなくなりましたし、その頃はよく風邪をひき、なかなか治りませんでしたが、今では風邪もひかなくなり、たまに風邪をひいてもすぐに治るようになりました。
 この番組でもう一つ注意しなければいけないことが”冷え”です。ここで出てくる医師が水シャワーを浴びることを健康の秘訣の1つに挙げていますが、その人の体質によっては体が冷えてしまい体調が悪くなります。特に現代人は冷蔵庫やクーラーの普及で冷えている人が多くなっていますから、そのような方が体を冷やすようなことをすると余計に体調が悪くなります。
 健康番組がいっていることが、すべての人に当てはまるとは限りませんので、すべてをうのみにしないで信用できる専門家に相談してみてください。
 *番組の内容については番組ホームページを参照ください。


昭和堂薬局 | 2012年5月15日

 

10組に1組不妊に悩む

 5月6日の読売新聞に”10組に1組不妊に悩む”という記事が掲載されていました。
 読売新聞によると「不妊に悩むカップルは10組に1組とされる。一般に35歳以上の女性は不妊症になりやすく、晩婚化に伴い、不妊治療を受ける人は年々増えている」という内容でした。
 実際、当店に不妊の漢方相談に来る方も増えている。読売新聞は高度な不妊治療を行う医療機関に対しアンケート調査をし、昨年1年間の治療実績を調べている。漢方相談に来る方のほとんどが不妊外来に通っているか、過去に通っています。この医療機関の実績は妊娠数だけで妊娠率が載っていないので、その医療機関の良し悪しではないと思いますが、相談の方に通っている医療機関でどんな事をやっているか?どんな事を言われたか?を聞いていると医療機関によっていろいろだなぁと思います。不妊治療を行っている医療機関ならどこでもいいのではなく、自分に合った医療機関を探すのがいいのでしょう。
 また、漢方の特徴は補う薬があることで、加齢により妊娠しにくくなっているのですからそれは衰えであり、補うことが必要なのです。漢方薬で妊娠させることはできませんが妊娠しやすい体づくりは出来ます。不妊治療をしているけど月経周期が安定しなかったり、経血量が少ない、ストレスを感じてしまうなど、なんとなく調子のよくない方は、漢方薬を試してみることをお勧めします。是非ご相談ください。


昭和堂薬局 | 2012年5月8日

 

閉塞性動脈硬化症(ためしてガッテン)

4月25日の”ためしてガッテン”を見て、なるほどと思いました。
 今回の番組内容はこむら返りに閉塞性動脈硬化症という重篤な病気が潜んでいるという内容でした。
 閉塞性動脈硬化症は下肢に血液を送っている血管の動脈硬化が原因で、下肢の血液が流れにくくなる病気です。
 この病気は痛みが激しく歩行困難となるため、薬局店頭に来ることは少ないと思っていました。
 以前、足のつりに”芍薬甘草湯”という漢方薬が流行った時期があり、この時に”芍薬甘草湯”は対症療法的に使用するものであり、原因は筋肉の栄養不足(ミネラル不足)で起こっているため、ミネラルの補給を提案していました。単に栄養不足(ミネラル不足)の方もいたのでしょうが、血行不良で栄養が届かない方もいたのだと思います。
 東洋医学上、痛みが生じるのは”不栄則痛(ふえいそくつう/栄ぜざれば即ち痛む)”もしくは”不通則痛(ふつうそくつう/通ぜざれば即ち痛む)”と定義しており、栄養不足もしくは栄養が届かないと痛みが起こると述べています。
 筋肉は”血(けつ)”によって栄養を受け、しなやかに動くことができ、”芍薬甘草湯”の成分の一つである”芍薬”。この生薬だけで”血(けつ)”を瞬間的に補うことができるので”芍薬甘草湯”を足のつりに対症療法的に使うのはこのためです。
 閉塞性動脈硬化症による足のこむら返りは上述した”不通則痛”によるものであり、胃腸機能が正常で、適切な食物を摂取し、”血”が充分に作られているにもかかわらず、”血”の巡りが冷えやストレスなどにより悪化しているために起こる症状であり、”活血化お剤”という血流を改善する漢方薬を使うことで、このような症状で悩んでいる方の手助けができるのではないかと気付かされた番組内容でした。
 重篤な閉鎖性動脈硬化症の方は薬局店頭にはお見えにならないかもしれませんが、冷えや血流不良の方に血流を改善する漢方薬やサプリメントを紹介し、お客様の苦しい症状を和らげるお手伝いをしていこうと思います。


昭和堂薬局 | 2012年5月4日

 

プチうつ(非定型うつ)

 なぜか最近、気分の落ち込みが激しい。理由もなくイライラし、疲労倦怠し、手足が鉛のように重く、こんな状態だから物事がうまくいかず、周囲の人に迷惑をかけていると自責の念にかられてしまい苦しんでいる20代~30代の女性が多くなっています。
 このような状態をプチうつ(非定型うつ)といいます。
 では、うつ(定型うつ)とプチうつ(非定型うつ)の違いは?

1.抑うつ気分
・プチうつ:ひどく落ち込んだかと思うと楽しいことがあると気分がよくなるなどアップダウンが激しい。
・うつ:基本的にうつ状態でテンションが低い。

2.睡眠・食欲
・プチうつ:過眠や過食になりやすく、甘い物を好み体重が増える。
・うつ:不眠傾向になり、食欲が低下し、体重が減少する。

3.気分反応
・プチうつ:朝は元気なのに夕方から電池が切れたように元気が無くなり、不安になったりする。
・うつ:朝のうつ状態が一日で最も強く、午後になると落ち着いてくる。

4.体の調子
・プチうつ:急に手足が鉛のように重く感じ、強い疲労感やだるさにおそわれる。
・うつ:慢性的に全身の倦怠感を感じる。

 うつとプチうつはこのような違いがあり、女性に多く、傍からはそれほど異常に見えないまま、周囲からの励ましに答えようとするがうまくいかず、苦しんでしまっています。
 自分でも病気とは思っていないので1人で悩んでしまっていくことが多いようです。
 このような症状で悩んでいる人がいたら1人で悩まず、相談してみてください。
 東洋医学の視点から原因を調べ対応していきます。また、食生活や生活習慣の見直しも重要です。


昭和堂薬局 | 2012年4月17日

 

日本の伝統食

 花粉症のことが話題になるこの季節
 アレルギーやがん、自己免疫疾患など多くの免疫系の病気があるが、一番多いのが花粉症だろう。しかも、どんどん増えているようです。
 日本人の食が変わったことの影響は非常に大きいことの1つですが、それを指摘している記事が産経新聞に載っていたので紹介します。


免疫力と健康:漬物には「植物性乳酸菌」
 暮らしの中で免疫力を高める方法として、食事から取る善玉菌を増やして腸内環境を改善することが有効です。
 そのために必要なのがプロバイオティクス。生きた乳酸菌など体に良い影響を与える微生物やそれらを含む製品のことで、腸内の細菌バランスを整える。もう一つのプレバイオティクスは、プロバイオティクスの働きを助け、善玉菌の餌になる植物繊維やオリゴ糖などの植物由来成分だ。この2つを同時に摂取することをシンバイオティクスといい、善玉菌を効率良く増やし、腸内環境を整える効果を高める。
 これらは比較的新しい考え方ですが、伝統的な日本食にも乳酸菌と植物繊維を含むシンバイオティクスがある。例えば、しば漬けのような酸味がある漬物。それに含まれる「植物性乳酸菌」は、栄養分が少なかったり、塩分が多かったりといった環境でも生きられる強い菌で、生きたまま腸まで届きやすいというメリットがある。


 日本人は島国で周囲を海で囲まれている多湿な土地柄なために胃腸が弱いことはよく知られていることですが、この記事が言っているように日本の伝統食は腸内細菌を増やし胃腸を補っていたのだろう。漬物以外にも多くの発酵食品があり腸内細菌や腸内細菌の餌になるものなどがあり、胃腸が弱い日本人には理にかなった食だったのです。
 もう一度、日本の伝統食を見直して少しでも免疫系の病気が減るといいですね。



昭和堂薬局 | 2012年3月21日

 

「フェカリス菌」で鼻づまりなど緩和(産経新聞3月9日)

産経新聞の【くらしナビ】に面白い記事が載ったので紹介します。

スギ花粉症 「フェカリス菌」で鼻づまりなど緩和
免疫反応のバランス保つ
 整腸剤などに使われている乳酸菌の一種「フェカリス菌」に、スギ花粉症の症状を緩和する効果もあることが、伊藤園(東京都渋谷区)の研究で分かった。
 加熱殺菌済みで常温保存可能な市販のフェカリス菌入り乳性飲料を花粉症患者に一定期間飲んでもらい、自覚症状の変化を調べたところ、鼻づまりなどの症状が大幅に改善されたという。
 研究では花粉の飛散状況などの条件を正確に再現するため、NPO法人「日本健康増進支援機構」(和歌山市)の屋内施設で調査を実施した。
 花粉症患者20人がいる部屋の中に、飛散のピーク時を想定した1立方メートルあたり8000個のスギ花粉を人工的にまき、患者の反応をみることにした。
 まず飲用開始前の昨年9月、「鼻づまり」「鼻をかんだ回数」「目のかゆみ」などの項目別に、症状なしから最重症まで0~10の幅でスコア(点数)を入室後30分おきにつけてもらい、平均値を算出。
 続いて10月から12月にかけて、患者20人に乳性飲料(200ミリリットル、フェカリス菌約1000億個含有)を毎日1本摂取させた。
 フェカリス菌は非常に微小なのが特徴で、少量でも多くの菌数を摂取できる。2カ月間の飲用後、再び施設内で同様にスコアを調べた。
 その結果、症状の各項目でスコアの軽減傾向がみられ、とくに「鼻づまり」は入室60分以降でおおむね3割減と大幅に改善したことがわかった。
 腸内細菌に詳しい光岡知足(ともたり)東大名誉教授は「花粉症は体内に入り込んだ病原菌などの異物を攻撃する免疫反応のバランスが崩れて起こる。フェカリス菌は腸内の”善玉菌”を増やして便通を改善する効果などに加え、このバランスを腸内で整える働きが強い」と分析。
 さらに「殺菌済みの死んだ菌を摂取しても、その菌体成分(細胞壁の主成分)が小腸の免疫機能を活性化する。生きたまま腸に届く菌だけが腸内環境を改善するとは限らない」としている。


 最後にコメントしている東大名誉教授の光岡知足先生は「腸内環境」に詳しい方で以前私も光岡先生の本を読んだことがあり、長寿のために腸内環境を整えることを提唱しています。
 腸内細菌の善玉菌は免疫細胞であるTh1とTh2のバランスをとる事が知られており、Th2が増えてしまった花粉症などアレルギーの状態からTh1を増やし、アレルギー反応を起こしにくくするのです。
 抗アレルギー剤のようにすでに症状が出てしまっているのを抑えることはしませんが、アレルギー症状が出る手前の状態を抑制する腸内善玉菌を増やすことが本当の治療なのです。


昭和堂薬局 | 2012年3月13日


横浜ポルタ内にある漢方薬局。あなたの健康な体を取り戻すお手伝いを致します。