『昭和堂薬局』

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Dr.W.シュワーベ社 国際部学術部長がやって来た。

 10月7日(金)Dr.W.シュワーベ社 国際部学術部長Dr.ウォルフガング ウェーバーが当店を見学にやってきました。3年程前に私がシュワーベ社を訪問した際にお会いして以来の再開でした。今回、Dr.ウェーバーは日本フラボノイド研究会の全国大会で学術講演のための来日で招待したアサヒフードアンドヘルスケア社の学術部が横浜見物の途中当店に立ち寄ってくれたのです。
 シュワーベ社はイチョウ葉エキスのパイオニアで、ヨーロッパではイチョウ葉エキスは医薬品なため多くの臨床データーを持っているので、良い機会と思い少し質問させていただきました。Dr.ウェーバーは真面目な方で丁寧に答えていただきました。
 日本フラボノイド研究会の学術講演も聞かせていただき、今回は認知症の最新メカニズムなどを話されていました。


昭和堂薬局 | 2011年10月17日

 

睡眠薬や寝酒で眠っている人が多いそうです

 日本を含めた10カ国を対象にした国際比較調査で、日本人の睡眠薬使用率は15.3%で10カ国中下から2番目で寝酒の使用率は30.3%と最も高かった。
 このことから日本人は睡眠薬よりも寝酒の方が身体に良いというイメージがあるようです。しかし、日本で多く使用されているベンゾジアゼピン系睡眠薬もアルコールも作用の仕方はほぼ同じで抑制系の神経であるGABA受容体に作用し眠気を起こしますが、このGABA受容体は脳に広く分布し、脳の活動全体を抑え込みます。これは自然の睡眠と違い、睡眠のバランスを崩します。
 とは言っても眠れないのはもっと良くないことです。
 では自然な覚醒と睡眠のリズム(サーカディアンリズム)のメカニズムを簡単に説明すると、朝目覚め、太陽の光を網膜で受けることによりセロトニンという物質が作られ、身体を覚醒させます。この時に「体内時計」がリセットされます。そこから15時間程度覚醒が維持され太陽が沈み、暗くなってくるとセロトニンの作用が衰え始め、セロトニンがメラトニンというホルモンに変わり、メラトニン受容体を刺激して体温や血圧が下がり、神経ではモノアミン(セロトニン、ドパミン、ノルアドレナリン)作動性神経の抑制が起こり睡眠に入っていきます。睡眠中はノンレム睡眠とレム睡眠を一晩に4~5回繰り返します。これが人間の1日の自然なリズムになります。
 このリズムが何らかの理由で崩れると不眠が発生します。睡眠不足が続くと日中の覚醒が維持できず眠気を感じ、集中できずにミスや事故の原因になります。
 睡眠不足で日中眠く集中できない方は睡眠薬をあまり怖がらず、医師の指導のもと正しい使い方をするのがよいでしょう。
 眠る為にアルコールを使うのはやめた方がよいと思います。お酒が好きな方は早い時間に飲むようにしましょう。
 しかし、アルコールに頼るより睡眠薬の方がよいといっても長期間睡眠薬に頼るだけでなく本当の原因を解決するようにし、睡眠薬をやめられるようにしていきましょう。
 生活習慣や食生活も影響している可能性もあるので生活習慣としては早寝早起き(11時ごろ寝て7時ごろ起きる)をして、いつも一定のリズムで、朝はカーテンを開けて太陽の光を浴びる。
 食生活はバランスを考えて、特にたんぱく質をきちんと摂りセロトニンやメラトニンが作れるようにしましょう。
 それでもなかなかうまくいかない時は身体のバランスが崩れているので漢方薬で身体のバランスをとってあげると自然な睡眠がとれるようになります。


昭和堂薬局 | 2011年9月28日

 

日経セミナー21

 日経セミナー21が7月7日に三越劇場で開催され、その内容が8月31日の日経新聞の夕刊で紹介された。
 今回は「脳を活性化する生活習慣~物忘れ防止・やる気アップ~」と題し、植松神経内科クリニック院長、慶応義塾大学神経内科非常勤講師、医学博士植松大輔先生の基調講演と落語家の立川談春氏と植松先生のパネル討論「脳から若さと健康を保ちましょう!」が行われました。
 基調講演では認知症や脳卒中など脳の病気が増えていること。その予防法や植松先生が15年間使用したイチョウ葉エキスのことなどについて講演されていました。
 パネル討論では落語家の立川氏の記憶の仕方やイチョウ葉エキスを飲んだ体験などが話されました。
 日経新聞に載った記事が協賛したアサヒフードアンドヘルスケアから当店に届きましたので、”日経セミナーの記事ください”と言っていただければ差し上げますので興味のある方はご来店ください。


昭和堂薬局 | 2011年9月12日

 

昭和堂薬局がおすすめする食事№5

 3月11日に東日本大震災があり、震災の大きな代償として原発事故が起き、放射性物質による被爆の問題の発生や有名サッカー選手が急性心筋梗塞で亡くなったりと健康に対し不安になるようなことが起こっています。
 では、私たちはどうしていくのが良いのでしょうか?
 よく言われるのは生活習慣、食生活、ストレスですが、今回は食事について簡単にお話ししたいと思います。
 一般的に栄養素は炭水化物(糖類)・脂質・蛋白質・ビタミン・ミネラルを5大栄養素と呼び、”この5つをバランスよく摂りましょう”と言われますが、漠然としていてよくわかりませんよね。
 杏林予防医学研究所の山田豊文先生という方が提唱している”まごわやさしい”食が新聞などでも言われていますが、私も”まごわやさしい”食が基本になると思っています。
ま;大豆、あずきなど豆類のこと。
ご;ごま、ナッツ、クルミなどのこと。
わ;わかめ、昆布、のりなどのこと。
や;野菜のこと。
さ;魚のこと。
し;シイタケなどキノコ類のこと。
い;イモ類のこと。
 この7つを毎食摂ろうとすると難しいので、1週間単位、できる方は1日単位で意識してみるとバランスが良くなります。
 また、日本人には和食が合っています。ごはん(玄米や分づき米)とみそ汁におかずが基本。戦後急速に欧米化したため脂質過多の食事になってしまい、肥満やアレルギーなどが多くなっています。油は極力減らしましょう。
 以上は基本であり、年齢や環境、体質により少し変化したりするとよいと思います。
 例えば子供は成長していくために肉類も必要ですし、メンタルが弱い方は卵の摂取などです。
 摂ってはいけないものはインスタント食や加工食品、スナック菓子などです。
 しかし、これらの食品もその人が依存状態になってしまっている場合は食として摂るのではなく嗜好品として少量ずつ摂りながら、徐々に止めていくようにしましょう。
 私たちの体は食べ物からできています。食事は毎日摂るものですから良い食事をしている方と悪い食事をしている方では数年後には大きく差が出ます。少しでも良い食事にしたいですね。


昭和堂薬局 | 2011年8月22日

 

ペットボトル症候群

今年の夏は節電に協力するためにエアコンを控えている方が多いと思います。
 汗を多く掻くので、のどが渇き水分の摂取量も増えます。多くの方は汗を掻いたらコマーシャルで植えつけられたイメージでスポーツドリンクを摂るのがいいと思われている方が多いようです。しかし以前コラムにも書いたようにスポーツドリンクや清涼飲料水は糖分をたくさん含んでいるのです。(30g以上)
 マスコミでは盛んに「ペットボトル症候群」の報道をして注意を促しています。
 この「ペットボトル症候群」とは簡単に言うと急性糖尿病のことで、清涼飲料水をがぶ飲みすることで、その中に含まれる糖分の吸収により急激に血糖値が上昇し、通常は血糖を一定に保とうとするホルモンであるインスリンが働いて血糖を下げるのですが、何らかの原因でこのインスリンが働かなくなりブドウ糖をエネルギーにすることができず、代わりに脂肪などを分解し、この際に生まれたケトン体が増えて意識がもうろうとしたり、倦怠感があったり、ひどいときには昏睡状態に至ります。
 糖尿病予備軍の方や、やや肥満傾向にある方などは注意が必要です。通常の生活をしている時にはお茶など糖分の入っていない飲み物や、水にレモンを絞ったものや梅干をかじりながら水を摂るなどで良いでしょう。
 また、スポーツの時にスポーツドリンクを摂るときは薄めて飲むことをお勧めします。



昭和堂薬局 | 2011年8月1日

 

寝る前に水分を摂ると良いってホント?

 寝る前にコップ一杯の水を飲むと美容や脳梗塞予防になるのは本当なのでしょうか?
 水分を摂ることで血液の粘稠度は確かに低下します。しかし、30分~1時間で元に戻ってしまうので、就寝してから起床するまでの時間を粘稠度低下させておくことはできません。
 通常私達は7時間位、トイレに行かずに眠ることができます。これはバソプレシンという抗利尿ホルモンにより尿が濃縮される為です。しかし寝る前に水分を摂ることにより、このバソプレシンの作用する時間が遅れてしまうため、寝る前に飲んだ水分が夜間尿になってしまうのです。夜間尿は睡眠を妨害するため不眠につながり肌に良いはずがありません。
 また、就寝中500~1200mlは汗などで排泄されてしまう為に脱水は避けることができませんから脳梗塞の予防にはならないのです。
 とは言うものの寝る前にのどが渇いているのに水分を摂ることがいけないと言っているのでなく、のどが渇いていれば飲んでかまわないと思いますし、水分を摂っても夜間尿がない人は飲んでいいのです。
 美肌になりたい人や脳梗塞予防をしたい方は寝る前に水分を摂るのではなく別の方法を考えた方がよいと思います。


昭和堂薬局 | 2011年7月12日

 

日本フラボノイド研究会の研修会にて

 過日、日本フラボノイド研究会の研修会にてソフィアレディスクリニック院長の佐藤芳昭先生より「更年期障害を中心とした婦人科疾患について」という演題の講演を聞いてきました。
 更年期とは45歳から55歳までの10年間を指しますが、女性の平均余命から考えてもまだ半分を少し過ぎたところで、その後の人生をより快適に過ごすためには更年期の対処が肝心だそうです。
 女性ホルモン(エストロゲン)の急激な減少で、ほてりや発汗、不眠などが起こることはよく知られていますが、もっと重大なものに骨粗鬆症や高脂血症、認知症などがあり、これらに対してホルモン補充療法(HRT)が良いそうです。しかし日本では、まだ認識の不足から発がん性の問題等の誤解があり、敬遠されがちだそうです。
 現在ではホルモン補充療法も進歩してホルモン剤の貼り薬や塗り薬があり副作用も少なく、さらにホルモン補充療法中は定期的に検査をしますから安全で、仮にがんが発見されてもホルモンが問題で起こるホルモン感受性のがんはおとなしいそうです。でもそうなってしまったらイヤですよね。
 確かに人生の半分過ぎたばかりでこれからの人生を楽しもうと思っているのに身体がいう事を聞かないなんて…
 佐藤先生が言うようにホルモン補充療法を受けることは生活の質を向上すると思いますが、どうしてもホルモン補充療法が嫌な人は漢方薬やサプリメントなどもよいと言っています。
 そのサプリメントとは大豆イソフラボンで植物性のエストロゲンに相当するそうです。
 しかし、サプリメントはいろいろなものが市販されているので注意が必要とのことでした。
 ということは、食事にも注意が必要でしょう。日本の伝統食は味噌・醤油・納豆や豆腐といった大豆製品が多くありますし、油もほとんど使わないので、バランスも良く、イソフラボンとエストロゲンの低下で内臓脂肪がつきやすくなったことにより起こるぽっこりお腹にはよい食事だと思います。
 少しの努力で残りの人生が楽しく過ごせるといいですよね。


昭和堂薬局 | 2011年6月22日

 

水分をたくさん摂ることはホントに身体に良いの?

 テレビやお医者さんに水分をたくさん摂ることを勧められて、1日にたくさんの水分を摂るように心掛けている人が多くいます。
 私はお客様から質問された時には”飲んだ分だけ出ないと水分が溜まってしまって返って良くないですよ。飲み過ぎだと腎臓の機能も落ちてしまうから、のどが乾いたら飲むようにして無理に飲まないでくださいね”と言ってきましたが、実際にどのくらいが適正な水分量といえるのかはよく分かっていませんでした。
 私がときどき読んでいる『治療』という本の今月号に適正な水分量の根拠が載っていましたのでご紹介します。
まず身体の中に入ってくる水は
①「飲料による水」
②「食事など固形物を食べた時に入ってくる水」
③「体がエネルギーをつくるときにできる水」があります。
身体から出ていく水は
④「尿から出る水」
⑤「呼吸や皮膚から出る水」
⑥「体調を崩し、下痢・嘔吐・発汗で出る水」があります。
身体が脱水を起こさず、尿をたくさん出すために腎機能が低下してしまうことのない量は、1日1000~1500mlだそうです。
とすると「飲料による水」はどのくらいにすると尿量が1000~1500mlになるのか計算すると
「食事由来の水」は700~1000ml
「エネルギーをつくるときにできる水」は300ml
この二つを合計した「飲料による水」以外では1000~1300mlです。
一方排出は、
「呼吸や皮膚から出る水」は900ml
「尿量」を1000~1500mlとすると
「飲料による水」は
①=④+⑤-②-③となり、これを計算すると900~1400mlになります。
ということは2㍑も3㍑も飲んでしまうと飲み過ぎになってしまいます。
 これから気温が上がり汗を多く掻くために若干多めの摂取をしなくてはなりませんが、目安としては900~1400mlぐらいを摂っていれば脱水(血液ドロドロ)にもならず、腎機能の低下を早めることもない量です。
 異常排泄(体調を崩し、下痢・嘔吐・発熱などによる発汗で出る水)などが無ければ、摂り過ぎもあまり摂らないのも良くないので、900~1400mlにしておきましょう。


昭和堂薬局 | 2011年6月27日

 

流産を繰り返すー不育症?

 最近、子宝相談を受けることが多く、不妊に悩む人が多いことを感じます。その人たちの中には流産を経験されている人たちも多くいらっしゃいます。
 3年程前、漢方療法推進会の全国大会を企画した際に不妊関連の講演を検討していた折り、クラシエ薬品から”不育症”はどうですかと提案され不育症を知りました。
 その時の学術講演は当時東海大学に居られた杉俊隆先生の講演を拝聴したのですが、私自身あまりピンときていなく”そーなんだー”くらいのものでした。
 その後、店頭で漢方相談を受けていると”不育症なんです。”といって相談を受けることはないのですが、流産の経験がある方が多いと感じる機会が増え、しかも複数回流産を経験されている方が以外に多くいらっしゃるのに驚きます。
 不育症はここ数年で言われるようになったもので、厚生労働省の不育症の研究班がスタートしたのも平成20年からのようですので、まだ世の中に広く浸透している言葉ではないようです。
 では不育症とはどういう病気かというと”妊娠はするけれども、流産、死産や新生児死亡を繰り返して結果的に子供を持てない場合、不育症と呼ぶ。”と定義するそうです。流産は妊娠の15%程度で、妊娠の年齢が高齢になると流産率は増加して40歳以上になると40~50%に増加するそうです。近年は晩婚化で妊娠年齢が高くなっているので流産が多く感じるのかもしれません。
 不育症の原因は妊娠初期の流産で大部分が胎児(受精卵)の染色体異常が原因で、両親が原因のケースは少ないようですが、流産を繰り返す場合は夫婦の染色体異常や女性側の子宮形態異常、内分泌異常、凝固異常、免疫異常などいろいろな要因が考えられます。しかし、詳しく原因を調べても分からないケースが35~60%あるようです。偶然起こっているケースが50%あるそうで、胎児の染色体異常が偶然起こり自然の摂理により流産が起こるのです。
 不妊症は母体の心身が妊娠に適した状態ではない時に身体が妊娠しないようにコントロールしているのですが、流産も同じで胎児が生まれるのに適した状態でないために起こっているのです。不育症は原因にもよりますが、最終的には80%以上の方が出産しているそうです。
 ご夫婦の心身を健康な状態に保つことが元気な子供を授かるための近道になります。ストレス、生活習慣や食生活を見直し心身をより良い状態にしましょう。漢方薬で心身のバランスをとるのもよいと思います。



昭和堂薬局 | 2011年6月7日

 

アトピー性皮膚炎の人に朗報

 アトピー性皮膚炎を患っていて冷えがある人は、今までの考え方では治しにくいタイプでした。冷えと皮膚の炎症は一見すると相反する症状のためです。
 120年前、中医学の考え方で火神派という学派が興(おこ)りました。その考え方は「病気はエネルギー不足(専門的には陽虚)とエネルギー過剰(陽盛)で起こる」というものです。そして、多くの病気はエネルギー不足で起こると火神派は考えます。この考え方が10年位前から日本にも入ってきて私も3年前に知りました。火神派理論の有効性を訴える漢方の医師や薬剤師はいろいろな病気に使っているようですが、特にアトピー性皮膚炎に良いと言います。私自身もこの火神派理論の解説書を読みました。読んでみてアトピー性皮膚炎で寒気のある人に有効なのではないかと思っています。この理論に基づいて実際に使ってみると良い結果を得られることが多いようです。
 以前までのアトピー性皮膚炎は身体にとって必要な物質(専門的には血や陰)の不足で熱が発生していると考え物質を補い、熱を冷ますことが治療の中心でしたが、火神派理論では物質ではなくエネルギーの不足で起こると考えています。(火神派の理論があるのですが難しくなるのでここでは省きます)私の今の見解としてはアトピー性皮膚炎のタイプにより、従来からの物質を補う治療とエネルギーの不足を補う治療を使い分けるのがいいのではないかと思っています。アトピー性皮膚炎で漢方を飲んでみたけど良くならない人はぜひ相談してみてください。火神派が合うタイプかもしれません。


昭和堂薬局 | 2011年5月26日


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