『昭和堂薬局』

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活血の漢方で「瘀血」を解消しよう。

前回の続きです。

 

 さまざまな原因で引き起こされる「瘀血」を解消して、本来の血液の流れに戻す働きが「活血」です。活血は日々の生活習慣改善が重要ですが、漢方薬の「活血剤」の力を借りることも一つの方法です。ただし、漢方だけに頼るのでなく生活習慣も改善する必要がありますが…

 

 その中でも、近年注目されているのが「丹参」です。日本ではまだあまり知られていませんが、「丹参」には優れた活血の働きがあり、中国では古くから使われてきた生薬です。また「川芎」「芍薬」「紅花」なども活血の働きがあります。

 

 瘀血はストレスなどによる気の滞りが原因になることもあります。気の滞りには「木香」「香附子」などがよく用いられます。


昭和堂薬局 | 2023年12月5日

 

今、多くなっている「瘀血」

 最近、コロナをきっかけにライフスタイルが変化しています。世の中はほぼコロナ前に戻ってきて、繁華街の人出は以前に戻りつつありますが、仕事はリモートで家から出なかったり、必要のないと出かけないなど体を動かすことが少なくなっている人達も多くいらっしゃいます。それに伴い気血の滞りで体調を崩す方も多く見受けられます。

 

身に覚えのある方も多いんじゃないでしょうか。

 

 漢方医学に「瘀血」という漢方用語があります。これをわかりやすく表現すると、うっ血や血行障害など血の滞り、血管外に漏れた血などのことです

 

 脂肪や塩分が多く、カロリーの高い食事や職場や家庭でのストレス、運動不足などの生活習慣が瘀血の発生原因になります。外傷や一部の病気が原因になるケースもあります。その瘀血は病理産物であると同時に、瘀血が新たな病気の原因になることもあります。

 

 そのような中で、活血化瘀剤が注目されています。この活血化瘀剤は、血液がドロドロしたような状態をスムースに流れるようにする働きがあります。まさに瘀血を改善する漢方薬です。

 

 肩こりや頭痛、心筋梗塞や脳梗塞、痛みの疾患、子宮筋腫などの女性の疾患など、瘀血と関わりのある疾患は少なくありません、活血化瘀剤を有効活用して、病気の治療や予防に、そして健康で穏やかな生活のために利用してみるといいのではないでしょうか。


昭和堂薬局 | 2023年12月4日

 

今、注目されている慢性子宮内膜炎

 今、不育症や着床障害の原因として慢性子宮内膜炎や子宮内フローラが注目されています。
 しかし、まだ慢性子宮内膜炎や子宮内フローラ検査の診断基準は定まっていないのが現状です。盛んに研究されていることは事実ですが、子宮内フローラが正常な症例と異常な症例で妊娠率に有意差があったとする研究も今のところ少ないようです。

 

 着床するために子宮内の免疫細胞が関係していることは事実です。そのことから考えると、子宮内フローラが着床のために何かをしていることも事実なのではないかと思います。

 

 そのことから考えると、ご夫婦で腸内環境を整える食生活や生活習慣、或いはプロバイオティクスやプレバイオティクスを飲んでみるのもいいのではないかと考えます。

 

 実際に、ご夫婦の健康面から見てみると、腸内細菌叢がいい状態が、将来の病気の予防にもなるのですから、やって損はないはずです。

 

 また、生まれてくる子供の腸内環境も意識していただきたいです。子供の腸内細菌叢は、胎児期から生後2歳くらいまでに確立します。また、お母さんからの影響が大きく、出産方法(自然分娩か帝王切開)や母乳か人工乳かなどいろいろな影響を受けます。その腸内細菌叢がいい状態だと健康な子ともに成長していくでしょう。

 

 子供の腸内細菌叢が、あまり良くないとアレルギー疾患や免疫系、炎症性腸疾患などのリスクが高まります。

 

 あまり、脅かしたくはないのですが、腸内細菌叢が脳の発達に重要なことが言われています。腸内細菌叢の異常と自閉症スペクトラムの関係が研究されています。

 

 自分達の未来のために、少し腸内環境のことも気にかけていただきたいと思います。


昭和堂薬局 | 2023年10月2日

 

9月25日に厚生労働省は、アルツハイマー病治療薬「レカネマブ」を正式に承認しました。

 認知症は高齢者の5人に1人と言われています。その中で、アルツハイマー型認知症は厚生労働省によりますと、2060年には800万人に上るといわれています。

 

 今回承認されたアルツハイマー型認知症治療薬は、原因物質ではないかといわれているアミロイドβ(ベータ)を除去する薬です。(この病気まだわかっていないことが多いんです。)

 

 しかし、アルツハイマー病の原因は多岐にわたっていて、アミロイドβの蓄積はその一つに過ぎないことから、治すものではなく、進行を遅らせるくらいです。あまり大きな期待はできません。それでも、既存の認知症治療薬よりも病気の根本に作用する薬ですので、ある意味、画期的だと思います。

 

 アルツハイマー病も含め、認知症という病機の背景には、慢性炎症があるといわれていますので、食生活、運動などで予防に努めることが一番いいんでしょうね。

 

漢方では、老化や脳に関係する「腎」を補う事と活血が中心になります。

 

 


昭和堂薬局 | 2023年9月26日

 

40代からの妊活を成功させるために

 今までも40代の妊活相談を多く受けてきました。そして妊活に成功する方達を見て来て思うことは、決して可能性がなく諦めなければいけないという事はありません。私も、多くの方に喜んで貰えるように、もっと良い提案があるんでわないかと、研鑽しています。

 

 私が40代の人達を見て来て思うのは、所謂体の老化度は、非常に個人差があると言うことです。その年齢迄の歴史が現れるのかもしれません。早期閉経など、特殊なケース以外は前向きに取らえて欲しいと思います。

 また、40代になったからと焦る必要はありません。ただ、たっぷり時間があるわけではないので、状況に応じて早めに取りかかりましょう。絶対に体外受精をしなくてはいけない訳でもありません。タイミングで妊娠される方もいらっしゃいます。

 

 一つ言える事は、年齢を巻き戻す事は出来ないので、もっと早く子供をつくることを考えていれば良かったなど、後ろ向きにならない事です。

 

 卵子の老化は、漢方で考えると、生殖を主る臓腑である「腎」の衰えです。補腎の漢方を中心に、その方にあった漢方薬を考えていきます。

 

 また、タイミングから始めようと思っている方も、不妊の検査はしておいた方がいいと思います。卵管の通過障害などがあってタイミングでは難しいケースもあります。卵管の通過障害が片方だけの場合は、通っている方が排卵するときにタイミングをとると妊娠可能です。

 

 私が担当した妊活相談で、出産の最高年齢は45歳です。現在、45歳以上で妊活相談にお見えになっている方が、数名いらっしゃいます。

ここまで、女性の話をして来ましたが、不妊の原因は、男性側にもあります。

 

 是非、ご夫婦でいっしょに取り組んで下さい。

 

 排卵している限り、何歳でもお手伝いさせて頂いています。


昭和堂薬局 | 2023年9月6日

 

妊活漢方相談を手掛けて20年のおじいちゃん薬剤師が思う妊活のコツ

 世界的に体外受精をするようになって40年くらいになるそうです。私の薬剤師の歴史と同じくらいなのですね。その頃は病院に勤務していたのですが、体外受精に関しては全然知りませんでした。
 漢方業界では、20年前くらいから漢方療法推進会という組織が妊活漢方に力を入れ始め、それから当店でも、積極的に妊活相談をするようになりました。それまでも妊活漢方の知識は多少あったのですが、桜木町に薬樹堂という漢方薬局がありそこの先生が妊活漢方のパイオニア的存在で、妊活しているお客様が多いと聞いていたのでウチには相談のお客様は来ないのではないかと思っていました。
実際に手掛けてみると多くの悩んでいるお客様がいらっしゃることに気が付き少しでも力になれるように努力をしてきました。

 

 過去の時代背景と今では、不妊に対する理解度が違いますが、大分世の中的に不妊で悩んでいる人達の気持ちを理解するようになって来たと思っています。
最近の妊活相談で意外と多いケースが、不妊専門のクリニックでしっかり検査をせずに何も問題がないと思っている方がいらっしゃいます。状態が改善しているのに中々妊娠しない場合は、専門のクリニックに行くことをお勧めしています。すると卵管の通過障害があったり、ピックアップ障害が疑われるような場合があります。不妊専門のクリニックは、今、非常に混んでいるようですが、説明会などに参加すると早めに予約できますので行くことをお勧めします。

 

 漢方的にで妊活を考えると、生殖を主る臓腑は「腎」であるため補腎が中心になります。但し、「肝」や「脾」という臓腑のかかわりがありますのでそれらの臓腑のバランスは問診して確認します。また、妊活で相談に来られる方ほとんどが、血流が悪いので活血薬も必要になります。これは、子宮や卵巣に栄養を届けるという意味合いがあります。

 それと、もう一つはメンタルのケアは絶対に必要です。妊活の悩みは自分だけで抱えていないで、私たちに話してください。話しただけでもスッキリしますよ。
簡単に書きましたが、個人個人でタイプが違うので、それぞれの方にあった漢方をお選びしるのですが…(これが、コツなんでしょうね)

 

 一人のお子さんを預かるのにどのくらいの卵胞が必要だと思いますか?
 2016年にアメリカとヨーロッパの学会が発表した論文によると、平均で25.1個必要なんだそうです。
30~34歳:12.2個
35~37歳:13.6個
38~40歳:22.4個
41~42歳:40.2個
43~44歳:94.3個

 

 予想以上に多くの卵子が必要なんですね。

 

 漢方的に言うとこれだけ「腎」を働かせないと、お子さんを授かれないということなんでしょう。
この様な観点から言っても漢方を使ってみることをお勧めします。


昭和堂薬局 | 2023年8月31日

 

夏の体のダメージ解消しときましょう

 まだまだ、暑い日が続いていますが、少しずつではありますが朝晩は涼しく感じる日が出てきています。また、8月8日(立秋)から暦の上ではもう秋です。秋は肌の悩みが増えやすい時期です。涼しくなるにつれ、肌のくすみやカサつき、ゴワつきといった不調が気になり始める人も多いのではないでしょうか。

 

 こうした肌トラブルは、夏に受けたダメージが主な原因になります。真夏に浴び続けた強い紫外線、発汗やエアコンによる乾燥といったダメージが肌に蓄積されます。その結果、メラニンが蓄積され、肌の保湿機能やバリア力も低下して、シミやくすみ、カサつきなどが起こりやすくなるのです。

 

 夏に受けた身体のダメージを解消して寒くなって行く季節の準備をしなくてはいけません。

 

 秋は「肺」と関係が深く、肺は皮膚や体毛をコントロールし、肺の異常は空気の出入りする鼻に表れるとされます。また、肺は五臓の中で一番高い場所にあるので、「五臓六腑の蓋」と呼ばれ、気管やのどを通じて外界に直接接しているので、外気の影響を受けやすい臓器です。そのため、秋は大気の乾燥の影響を受け易く、秋に起こりやすい咳、鼻炎、喘息、皮膚のかさつきなどの症状は、乾燥した大気を取り込むことにより肺が乾くことが原因で起こるのです。

 

 一方、外から見えてしまう肌についていうと、肺は肌のバリア力や保湿力、解毒力を支える「気(エネルギー)」の生成や、潤いのもととなる「津液(体に必要な水)」の配る臓でもあります。そのため、乾燥で肺がダメージを受けると、バリア力や保湿力、解毒力が低下し肌の不調を招いてしまうと同時に、呼吸器系も弱くなりやすくなります。これらの力が落ちるとターンオーバーが乱れ、メラニンの代謝が遅れてくすみやシミの要因になります。また、潤い不足や保湿力の低下から、乾燥やかゆみを招くこともあります。

 

 このように、くすみや乾燥といった秋の肌トラブルには、体内の不調も大きく関係しています。スキンケアはもちろん、肺の潤い補給にも気を配り、体の中と外から透明感のある健やか美肌をつくりましょう。
これから冬を迎えると、肌にとってはさらに過酷な環境に。不調を放置すると、乾燥や冷えで肌の老化が加速する心配もあるので、夏の疲れはこの時期にきちんとケアしておきましょう。

 

 秋にとれる旬の食べ物には、「肺・大腸」の働きを補うものがたくさんあります。
そのひとつが梨です。年中見ることの多くなった果物のなかで、梨は店頭にのぼる時期も限られ、旬を感じることのできる数少ない果物のひとつではないでしょうか。最近は収穫が早まり、夏の果物というイメージが強くなりましたが、本来は秋が旬。九月から十一月にかけて収穫されます。水分をたっぷり含み、シャリシャリとみずみずしい梨には、肌に潤いを与え、のどの渇きを止め、声がれや咳を止める効果があります。まさに「燥邪」による秋のトラブルを防ぐのにふさわしい旬の食べ物といえましょう。

 

 同じく秋が旬の果物である柿も、咳を抑え、口の渇きを止め、乾燥による呼吸器系の働きを助けます。「柿が赤くなると医者が青くなる」ということわざがあるように、鼻やのどの粘膜を健やかに保ち、免疫力を高めるビタミンCも豊富に含み、寒さの厳しくなる冬に向けて、風邪をひきにくい体をつくるのに大いに役立ちます。
また、いも類や大根をはじめとする根菜類も「肺・大腸」に働きかける旬の食材です。たとえばさつまいもは口の渇きを止めて肺を潤すと同時に、便通を改善して大腸の働きも活発にします。豊富な食物繊維と緩下作用のあるヤラビンという物質の相乗効果により、腸内環境を整えて便通を促してくれます。

 

 その他、食べ物では、豆腐、豆乳、チーズ、手羽先、豚足、鴨肉、きのこ類、松の実、れんこん、モロヘイヤ、白きくらげ、すっぽん、ゆり根、里芋、長芋、海藻類、卵、梨、柿 など
 生薬では、余甘子(よかんし)、沙棘、西洋人参、紅景天、黄耆、枸杞の実、ツバメの巣、哈士蟆油(はしまゆ)、亀甲(きこう)、鼈甲(べっこう) などがおすすめです。


昭和堂薬局 | 2023年8月26日

 

アレルギーはなぜ起こるのか?

 現在、日本人の2人に1人は、何らかのアレルギー疾患にかかっていると言われています。
 アレルギー疾患の中では、「花粉症」の人に多く出会うのではないでしょうか。その他に「アトピー性皮膚炎」「喘息」「アレルギー性結膜炎」「食物アレルギー」などがあります。

 

 アレルギーは、私たちの体にアレルギーの原因になる物質(アレルゲン)が入ってくることにより起こります。花粉、ほこり、卵、ピーナッツ、甲殻類などがアレルゲンです。これらアレルゲンが体の中に入ってくると、これら異物を排除しようとして免疫機構が働きます。

 

 本来、細菌やウイルス・寄生虫などから身体を守る生体防御機構である「免疫」が、体に害を及ぼすことがない物質や食品に対して免疫反応を起こしてしまうことがアレルギー疾患です。

 

 では、なぜアレルギー疾患が増えているのでしょうか。
 その理由は、はっきりわかっているわけではありませんが、よく言われているのが「衛生仮説」です。現代は衛生環境が急速に改善してきたために、本来、免疫の対象であった細菌やウイルス・寄生虫などに出会うことが少なくなったために、花粉やほこりなどの「アレルゲン」に対して過剰反応を起こしやすくなっているという説です。これには、裏付けとなる論文がいくつかあるようです。

 

 実際、昔は感染症で亡くなることが多かったみたいですよね。天皇家や大名などは世子を残さなければならない立場の人たちは、正室以外に何人も側室がいて、びっくりするような数の子供をもうけて、何とか世子を残して家を維持していたのですよね。薩摩の島津斉彬なんて何人も子供作ってみんな亡くなってしまったようですね。(すべてが感染症ではないようですが…)

 

 私たち人間は、衛生環境の悪い中で何とか生きていくための進化によってできた「免疫機構」です。衛生環境がよくなったのは、この四・五十年のことで、人間の歴史から考えるとほんの少しの期間なのです。肥満に対する「飽食の時代」と同じですね。世の中の急速な変化に人間が対応できないんですね。

 

 しかし、日本人全員がアレルギー疾患ではないわけですから、何とかなります。若ければ若いほど可能性が多くなります。(私のところに来てみてください。)


昭和堂薬局 | 2023年7月29日

 

不妊の中医学的対応

 不妊で悩んでいる人たちは、その方たちの人生のタイミングで幅広い年齢の方が相談にご来店されます。一般的に不妊で悩んでいる方は、夫婦の約3組に1組とも言われています。こうした状況を背景に、現在では不妊治療の保険適用もスタートしています。しかし、保険適応にはいろいろな制限もあり、中々満足のいかないケースもあるようです。

 

 まずは土台となる体質を整えて“妊娠しやすい体づくり”をめざしましょう。

 

 原因は多岐にわたりますが、男女とも加齢によって妊娠の力が低くなることもわかっていて、女性は卵子の老化や子宮疾患のリスク増加、男性は精子の質の低下などがその主な要因となります。
不妊の原因が男女どちらにあるか、その確率はほぼ半々。そのため、“妊娠しやすい体づくり”も2人一緒に取り組むことが大切です。

 

妊娠しやすい体とは?
 中医学では、体内の「気(エネルギー)」「血」「精(生命エネルギーの源)」が充実し、スムーズに巡っている状態が“妊娠しやすい体”と考えます。また、臓では「腎」「肝」「脾(胃腸)」の働きが妊娠と深く関わっています。
・腎:生殖やホルモン分泌と関わり、精を蓄える。
・肝:血を貯蔵し、月経を調整する。気の巡りを整える。
・脾:食事の栄養から気・血を生み出す。

 

 このように、 “妊娠しやすい体”をつくるためには、腎・肝・脾胃の働きを整え、気・血・精を充実させることが基本となります。

 

 中医学では、女性は7年、男性は8年の周期で体に変化が訪れると考えます。これは生殖や成長と関わる「腎」の働きから見たもので、女性は35才、男性は40才を境に腎の衰えが目立ち、妊娠しにくくなると考えます。この年齢の目安は、現在の西洋医学でも同様です。

 

体質別
「気血不足」タイプ
気・血が足りないと、全身のエネルギーや栄養不足、月経の不調などを招いて妊娠しにくい体質に。脾胃を整えてバランス良く栄養を取り、気・血をしっかり養いましょう。

 

「腎虚」タイプ
腎の働きが衰え、卵巣機能、造精機能などが低下して妊娠しにくい状態に。腎は加齢とともに衰えていくので、35才くらいからは特に意識してケアすることが大切です。

 

「気滞」タイプ
過剰なストレスなどで「肝」の働きが落ち、「気」の巡りが停滞しているタイプ。自律神経のバランスが崩れ、ホルモン分泌や排卵・月経周期の乱れを招いて妊娠しにくい体質になります。

 

「瘀血(血行不良)」タイプ
「血」の巡りが悪く、女性は子宮筋腫や子宮内膜症などを招いて着床しにくい状態に。また、男性は血の栄養が十分巡らず、精子の質の低下などを招きます。

 

「痰湿」タイプ
「痰湿(余分な水分や汚れ)」が溜まって脂肪が増え、ホルモンバランスが悪い状態に。また、ベトベトした痰湿が卵管や精路に停滞し、妊娠しにくい体質につながります。

 

妊娠力をアップする暮らしの養生

よく聞くことかもしれませんが、小さなことの積み重ねで、今だけでなく将来の健康のために心掛けていただければと思います。

・暴飲暴食、過度なダイエットなどは避け、バランスの良い食生活を。
・過労や睡眠不足は妊娠力の低下を招きます。しっかり休息、12時前の就寝を意識して。
・生理中は保温第一(特に腰回り)。冷たい飲食や体が冷える服装はNGです。
・適度な運動を習慣に。気血の巡りを促して、ストレス解消にもつながります。
・ストレスは妊娠力アップの大敵。妊活がストレスになっては本末転倒なので、神経質にならずおおらかな気持ちで。


昭和堂薬局 | 2023年7月20日

 

夏に多くなる不眠

 そろそろ、梅雨が明けて本格的に暑い季節になろうとしています。
そんな季節に多くなる症状に不眠があります。暑くて寝苦しいこともありますが、五蔵の理論でいうと、夏は「心」の季節です。

 

 では、東洋医学で夏になるとどんなことが身体で起こるのでしょうか。

 

 夏の暑さが厳しくなり、陽の気が最大になると、この「心」の働きも亢進し、オーバーヒートしやすくなります。

 

 私たちの体は、暑くなると汗を出して、体内の熱を逃がし、上手に体温を調節するようになっています。しかし、汗は同時に、血液中の水分とミネラル分も、一緒に排出してしまうため、血液の濃度は高くなり、ドロドロと流れにくい状態になります。汗をかけばかくほど体温は下がって涼しく感じられますが、一方で心臓は、流れにくい血液を全身に運ぶために、フル活動しているわけです。

 

 この発汗して体温を下げるシステムがうまくいかなくなると、熱中症になってしまいます。
しかし、何とか熱中症は回避しても、「心」がオーバーヒートすると、胸が苦しくなり、脈が早く打つ頻脈になったり、不規則になる不整脈を起こしやすくなります。血液循環も悪くなり、動悸、息切れ、不眠、動脈硬化、ひいては心筋梗塞などの心疾患につながりかねません。

 

 水分補給などで、熱中症や心臓は守れても、動悸、息切れ、不眠などが現れてくるのです。

 

 暑い季節は冷たいものをとったり、クーラーで部屋をガンガンに冷やしたりして身体を過剰に飛躍傾向にありますが、夜眠るためには一度体温を上げる必要があるのです。あえて寝る少し前にお風呂に浸かったり、お腹を温めたりして一度体温を上げると眠りやすくなりますよ。

 

 漢方薬は、重鎮安神薬(竜骨、牡蛎など)、養神安神薬(酸棗仁、遠志など)などを使います。


昭和堂薬局 | 2023年6月30日


横浜ポルタ内にある漢方薬局。あなたの健康な体を取り戻すお手伝いを致します。