『昭和堂薬局』

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最近、話題の腸内環境

 ここ数年、多くの健康番組などでも取り上げられている腸内環境、特に腸内細菌は飛躍的に解析研究が進歩しました。2010年には、権威ある雑誌”サイエンス誌”が過去10年の科学分野における10大成果を取り上げた特集記事に「共生微生物(腸内細菌など)研究の進歩」を挙げています。
 以前にコラムでも書きましたが、腸内細菌は私たちの身体にさまざまな影響を与えています。その腸内細菌の変化は我々の食事の影響を受けているのです。  その変化は食事の傾向によって3タイプに分けられます。
 ”肉食系””草食系”と中間に位置する”雑食系”です。”肉食系”ではバクテリア系腸内細菌が増え、腐敗による有害物質が生成されてしまうため腸はいい環境にはなりません。繊維質が多い食事は、腸内細菌により短鎖脂肪酸(乳酸、酢酸、酪酸など)を大量に産生し、悪玉菌の産生を抑制し、我々の身体の行動(精神的)や免疫力向上に深く関わります。このように食事の影響で腸内細菌が変化した状態だけでは病気にはなりませんが、そこに生活習慣の乱れが加わることにより病気が起こってきます。
 去年、私たち日本の食文化である和食がユネスコで無形文化遺産に登録されました。そして、登録した際に以下の4つの特徴をあげています。
1. 多様で新鮮な食材とその持ち味の尊重
日本の国土は南北に長く、海、山、里と表情豊かな自然が広がっているため、各地で地域に根差した多様な食材が用いられている。また、素材の味わいを活かす調理技術・調理道具が発達している。
2. 栄養バランスに優れた健康的な食生活
一汁三菜(1種類の汁物と3種類の菜からなる日本料理の基本的な膳立て)を基本とする日本の食事スタイルは理想的な栄養バランスと言われている。また、「うま味」を上手に使うことによって動物性油脂の少ない食生活を実現しており、日本人の長寿、肥満防止に役立っている。
3. 自然の美しさや季節の移ろいの表現
食事の場で、自然の美しさや四季の移ろいを表現することも特徴の一つ。季節の花や葉などで料理を飾り付けたり、季節に合った調度品や器を利用したりして、季節感を楽しんでいる。
4. 年中行事との密接な関わり
日本の食文化は、正月などの年中行事と密接に関わって育まれてきた。自然の恵みである「食」を分け合い、食の時間をともにすることで、家族や地域の絆を深めてきた。

 多くの日本人はこの健康的な食文化を忘れてしまい、食の欧米化が進んでいます。そして腸内環境が変化し、肥満や糖尿病などの生活習慣病や昔にはあまり罹らなかった病気になっています。海外では日本食のレストランが多くなっているそうです。和食は我々日本人の食文化です。外国人は気が付いているのに…
 日本食は繊維質が多く、水産物も多いためEPAなどの魚油を多く含んでおり、動物性油脂が少なく、腸内環境を整えると共に生活習慣病の予防につながります。
 食生活の中に和食取り入れ、健康的な食生活を送りましょう。
 少しでも早く腸内環境を変えたい方は健康食品もありますので、ご相談ください。


昭和堂薬局 | 2014年4月1日

 

腸内細菌のおはなし

 胎児は、通常無菌の状態で、母親の産道を通過する際に母体に共生している細菌さらされます。その後空気中の菌などの影響を受けながら、母乳によりビフィズス菌や乳酸桿菌の増殖が始まります。抗生物質の長期使用など特殊な要因がなければ、日々の変動があっても各個人で固有の腸内細菌叢が持続されます。人の常在細菌叢で最大のものが腸内細菌叢で、その菌数は成人で1014個、重さは1~2㎏にもなるといわれています。これら常在菌はヒトと密接な共生関係を形成しており、さまざまな生理機能の発現にも深くかかわっています。
 さらに腸内内容物の解析技術の進歩により、消化された食物、腸管に分泌された胆汁酸、腸内細菌の代謝産物などの情報も得られるようになり、哺乳類などが有さない酵素を腸内細菌が保有しており物質代謝を担うこと、異なる種の腸内細菌同士が栄養を供与し合いながら生存に適した環境形成をしていること、腸内細菌が腸管細胞に影響しホルモン産生を制御すること、逆に腸管から放出されるホルモンが細菌の増殖を促進、抑制することなどが明らかとなり、腸管は一つの独立した”代謝臓器”と理解されるようになってきました。
腸内細菌叢が体脂肪蓄積に影響する
 腸内細菌が食品中の難消化性糖類(食物繊維)を分解し、その最終産物である短鎖脂肪酸が腸管より吸収され、エネルギー源として利用されます。また、腸内細菌叢は脂肪合成酵素などを誘導し脂肪合成を亢進させるとともに脂肪分解を抑制し、体脂肪を増加させます。
腸内細菌叢の肥満の予防
 肥満の脂肪細胞は、余剰のエネルギーを脂質として蓄積しているだけでなく、軽度の炎症状態を呈しており、それがインスリン抵抗性、耐糖能異常を惹起することが明らかとなりました。この軽度の炎症は脂肪酸が原因物質となることが考えられてきましたが、この慢性炎症に対する腸内細菌叢の寄与が最近明らかになってきました。
 また、腸内細菌叢が消化管ホルモンの産生・分泌を介して食欲抑制、血糖調節に寄与しており、ビフィズス菌の増加はこれらホルモンの産生・分泌を増加させ肥満に抑制的に働いていることが示唆されています。
 このように腸内細菌や腸内環境がアレルギーはもとより肥満や糖尿病などの生活習慣病、最近ではうつなどの精神的な疾患にも関連することが解ってきました。
 様々な健康に関する情報の中でも盛んに善玉菌を増やし、疾患の予防や改善の報告がされています。しかし、完全に確立した方法はまだありません。日頃から発酵食品を摂るように心がけて善玉菌を増やし、腸内環境を整えましょう。
 食品から摂ることが難しい方は健康食品でフォローするのも一つの方法です。店頭にてご相談ください。


昭和堂薬局 | 2013年6月28日

 

最近、テレビや本などで話題になっている腸内環境

 最近、テレビや本などで話題になっている腸内環境
 なぜ今腸内環境なのか…
 一昔前までは、腸内細菌を解析する場合、人の便を採取し細菌を培養するしか解析方法がありませんでした。しかし解析技術の進歩で飛躍的に腸内細菌の解析ができるようになったことで、腸内細菌が私たちの体に様々な影響を及ぼしていることが判ってきました。
 腸内細菌は人の腸内におよそ1014個存在し、重さにすると1~2㎏にも及びます。腸内細菌は私たちが消化できない物を分解し私たちの体に栄養素を供給してくれます。また、有害物質の分解や外部から侵入してくる病原菌を増殖しないようにしてくれたり、消化管の上皮細胞の分化誘導をして消化管の機能の恒常性を保とうとしています。
 人の腸内細菌叢は年齢や食事などの生活環境によって個人差があり人によって様々です。しかし、この腸内細菌の構成が病気を誘発したり、逆に病気を防いだりすることが判ってきました。例えば炎症性腸炎、肥満、癌、自己免疫性疾患、アレルギーなど多くの病気と関係していたのです。この事実で多くの研究者が腸内細菌叢に注目し、新しい事実が次々に解明されています。
 正しい表現ではありませんが、大まかにいうと善玉菌を多くして悪玉菌を減らすことにより腸内環境を良くすることができます。しかし、悪玉菌や日和見菌の必要がないわけではなく、これらの菌も免疫細胞の誘導などを行って我々の体に影響を及ぼしています。例えば最近問題になることの多い食物アレルギーですが、本来人間は食物のような体に無害なものには免疫が働かない仕組みがあるため食べ物では免疫反応は起こらないはずです。しかし食物アレルギーがある場合は免疫反応が起こってしまうのです。
 体に無害なものに反応しないようにするためにはTreg細胞(免疫細胞の一つ)を誘導する必要があり、この誘導に悪玉菌と呼ばれているクロストリジウム属が働いていることが判っています。このように”悪”と名がついていても体にとって必要不可欠なこともしているのです。
 健康でいるためには腸内環境を良い状態にしておく必要があります。善玉菌と悪玉菌は常に勢力争いを繰り広げており、相手の勢力を奪おうと虎視眈々と互いの勢力を狙っています。ストレスが多かったり、肉を多く食べ過ぎていたりすると悪玉菌が優勢になります。野菜を多く摂り日本の伝統食である発酵食品やヨーグルトなどを摂ると善玉菌が増えてくれます。最近の食環境はどちらかというと悪玉菌に加勢しており、ストレスも善玉菌を減らす傾向にありますので注意が必要です。



昭和堂薬局 | 2013年4月10日

 

腸も老化する?

 高齢の男性も女性も便秘で悩んでいる方が多くいらっしゃいます。前回のコラムでも書きましたが、水分を除いた3分の1が食べカス、3分の1が新陳代謝によってはがれた腸粘膜、残り3分の1が腸内細菌です。加齢により食事量が減ってくるため食べカスが減ってきます。また、新陳代謝が低下することによりはがれる腸粘膜も減ってきます。すると便の量が減る事により便の腸管への刺激が少なくなり、腸の蠕動運動が低下してしまい便秘がちになってきます。
 また、腸の働きを助けている腸内細菌にも変化が現れます。乳幼児の時に多かった善玉菌が減少し、乳幼児の時にはあまりいなかった悪玉菌、特にウエルシュ菌という嫌気性菌(酸素が少ない方が元気でいられる菌)が増え、ガスが増えて腸内がアルカリ性になっていくために便は黒っぽく臭くなります。
 では、自分の腸年齢はどうしたら若くのでしょうか?
 腸内細菌研究で有名な辨野義己先生の「腸年齢チェックシート」を紹介します
その1:生活習慣
□トイレの時間は決まっていない
□たばこをよく吸う
□肌荒れや吹き出物が悩みのたね
□運動不足が気になる
□オナラが臭い、臭いといわれる
□顔色が悪く、老けて見える
□ストレスをいつも感じる
□寝つきが悪く、寝不足
その2:食事編
□朝食は食べないことが多い
□朝はいつも忙しい
□食事の時間は気にしていない
□外食は週4回以上
□野菜不足だと感じる
□肉が大好き
□牛乳や乳製品が苦手だ
□いつもアルコールを多飲する
その3:トイレ編
□いきまないと便が出ないことが多い
□排便後も便が残っている気がする
□便が硬くて出にくい
□コロコロした便が出る
□ときどき便がゆるくなる
□便の色が黒っぽい
□出た便が便器の底に沈みがち
□便が臭い、臭いと言われる
3個以下…腸年齢=実年齢
4~9個…腸年齢=実年齢+10歳
10~14個…腸年齢=実年齢+20歳
15個以上…腸年齢=実年齢+30歳

 あなたの腸年齢はどうでしたか?
 最近の日本人で腸年齢が若い方は少ないと思います。この多くの原因は食事にあります。
 食のバランスを考え、食物繊維や日本の伝統的な発酵食品を摂り、腸内環境を良くし、腸年齢を若く保ちましょう。
 腸内環境を整える健康食品もありますので、ご相談下さい。


昭和堂薬局 | 2012年12月25日

 

あなたは自分の”うんち”を見ていますか?

 あなたは自分の”うんち”を見ていますか?
 大便は健康のバロメーターです。腸の環境の変化が便の状態に現れるのです。食べた物によって便が変化することを経験したことがありませんか?
 大便の大部分は水分で健康な便で80%を占めています。その水分を除いた3分の1が食べカス、3分の1が新陳代謝によってはがれた腸粘膜、残り3分の1が腸内細菌です。そして食べた物やストレスなどで腸内環境が変化し、その腸内環境が大便の状態として現れるのです。
 戦後の日本人は食物繊維を1日およそ27gも摂取していました。しかし、今の日本人はその半分以下の12gしか摂取できていません。その結果大便の量が減ってしまっています。量が減っただけでなく腸内細菌にも変化を与え、それまであまりなかった病気が増えてきています。
 では、どんな大便が良いのでしょうか?
 大便の色は茶色でやや黄色がかっています。黄色は胆汁の色で、脂質が多い肉などを多く食べると胆汁が多く出て腸内がアルカリ性に傾き褐色になり、腸内細菌の悪玉菌が増えます。穀物、豆類、野菜を多く食べると酸性に傾き大便は黄色くなります。食物繊維が多くなると大便は粘り気がなくボソボソとほぐれやすくなります。こんな感じが良い便で、黒っぽくネバネバした便は良くない便です。
 大便の色が変化すると大便の臭いやガスの臭いも変わります。それは食べた物で腸内細菌が変化するためです。腸内細菌には善玉菌と悪玉菌、それらのどちらでもない菌(日和見菌)がいます。肉や加工食品などを多く摂ると悪玉菌が増えて大便やガスが臭くなり粘りが多い黒っぽい便になります。
 じゃあ、悪玉菌を無くせばいいではと思うかもしれませんが、そんな簡単なものではありません。腸内細菌は善玉菌や悪玉菌のバランスが大切なのです。善玉、悪玉というネーミングが体に必要なものと不必要なものというイメージになりますが、悪玉菌も体には必要なのです。
 また、肉などで悪玉菌が増え、この結果腸内環境が悪くなるのであれば肉を食べなければいいのではと思いますが、これも間違いで、食もバランスが大切です。タンパク質・脂質・炭水化物・ビタミン・ミネラル・食物繊維がバランスよく摂れないと体に必要なものが不足してしまします。
 黄金色でバナナのような形の臭わない大便になるように、食のバランスを整えて心身の健康を手に入れましょう。毎日の大便を観察し、その前にどんな物を食べたか考えて下さい。いい便にするための食がきっと見えてきます。
 どうしても早くいい便にしたいという”せっかちな人”は腸内環境を整える健康食品を…


昭和堂薬局 | 2012年12月14日

 

日本人の食と腸内環境

 戦後日本人の食は大きく変わり、日本の伝統食が敬遠され欧米食が好まれるようになってきました。同時に生活が豊かになり十分な栄養をとる事で日本は世界トップクラスの長寿国になりました。しかし、これに反してアレルギー疾患とうつ病が急激に増えています。10月、11月に免疫の専門家(インターフェロンの第一発見者の小島保彦博士とカイチュウ博士の藤田紘一郎先生)の講演を聴く機会があったのですが、お二人とも食の変化がアレルギーやうつ病を増やしていると述べています。日本の伝統食は植物繊維も多く、また発酵食品が多いことから腸内環境を良好に保ち、便を多くし快便にします。免疫の70%は腸管免疫が担っており、腸は第2の脳といわれるほど「心」に関わっています。心身の健康には腸内環境を改善することが重要だという事です。
 しかし、今の日本人は簡単便利でおいしい食べ物を好みますし、人によっては時間短縮や空腹を満たすことのみを目的にインスタント食品ばかりを食べたりしています。忙しく働き、便利な交通手段やインスタント食品、加工食品を食べることで運動不足や食品添加物をたくさん体に摂り入れていては心身のバランスが崩れてしまうのも当然です。
 また、日本人の糞便量が減っているそうです。その原因は植物繊維の摂取量の減少と日本の伝統食である発酵食品が敬遠された事や、ストレスや食品添加物の摂取が腸内細菌の減少を招き、その結果便が少なくなったのです。(便の約半分は腸内細菌です)よい便をたくさん出すことがアレルギーやうつ病を防ぐ指標になります。
 日本の伝統食を見直し、腸内環境を改善する健康食品の力を借りて心身の健康を保ちましょう!


昭和堂薬局 | 2012年11月28日

 

腸内環境と花粉症  ~フジテレビの特ダネで~

 2月14日のフジテレビの特ダネ(朝の報道番組)で、「ビフィズス菌がO157(腸管出血性大腸菌)感染を阻止する作用機構解明」の研究発表記事に触れ、腸内細菌を改善すると花粉症を軽減するという特集をしていました。
 ここで紹介されたウンチ博士こと辨野義己博士が出てきて漬物や味噌などの発酵食品を食べたりすると腸内環境を改善し、特にヨーグルトを1日200g摂ると花粉症に良いことを言っていました。
 辨野博士は腸内細菌研究の第一人者光岡知足博士の後継者だそうで、私も以前光岡博士の本を何冊か読み感銘を受け、腸内細菌の重要性を認識しました。光岡博士もヨーグルトを食べることを勧めていますが、ヨーグルトは体を冷やすので冷えがある方には薦めにくい場合があります。この番組ではヨーグルトばかり言っていましたが、今は良い健康食品があるのでそのような物を利用するのも良いかもしれません。
 ヨーグルトについてもどれでもよいのではありません。人により腸内細菌は違うので自分に合ったヨーグルトを見つけることが大切で、合っているかどうかは良いウンチ(臭くない黄金色でバナナ状のふわりと浮く便)が出るようになることと言っていました。
 確かに腸内環境はアレルギーなどの免疫疾患に重要で、陽での免疫は体全体の60%を占めると言われています。ですから、腸管免疫を正常にすることにより全体の60%は改善するのです。そして、その腸管免疫は腸内細菌に影響を受けやすく、善玉菌が多く存在しないと正常に働かなくなるのです。
 しかし花粉症などの免疫疾患はヨーグルトだけでなく食生活やストレスなどにも関係するのでこれらも改善しないといけないと思います。腸内環境のことで言うと植物繊維やミネラルを摂るという意味で野菜多く食べたり、善玉菌を減らす肉食を減らすことも重要ですし、腸を正常に動かすために適度な運動も必要です。
 今、日本人の大多数の人たちが花粉症になっていて、みんなが花粉症だからしょうがないと思われるかもしれませんが、たかが花粉症ですがされど免疫疾患であることを忘れないでください。大きな病気につながる前に食生活や生活習慣の見直しをしてみてください。


昭和堂薬局 | 2011年2月23日

 

大便をチェックすることが健康維持につながる!?

店頭に立っていると、『便秘のお薬ください。』とおっしゃる方が非常に多いです。さらに、その大半の方は『漢方の便秘薬って優しんですよね。』なんておっしゃいます。この言葉をかけられるとすごく不安を覚えます。確かに、当店でお勧めする便秘薬は、お腹が痛くなりにくく、しっかり効いてくれるものをご提案していますが、漢方薬とはいえ、下剤は下剤です。お薬の力で便を出しているにすぎません。
便秘の原因には、食生活をはじめ生活習慣や社会的ストレスなどが関係しています。これらの要因に長くさらされることで、腸内環境が劣悪化し、腸がうまく働いてくれなくなってしまっているのです。さらに、下剤を使い続けることも、腸がうまく働かなくなる原因となってしまいます。
 『腸の働きって何?排便してくれるとこでしょう?』と思われる方も多いでしょう。確かに、便をつくって排泄するだけなら、下剤を使い続けることでもいいかもしれませんが、腸には他にも重要な役割があります。そのひとつに免疫器官としての役割(腸管免疫)です。人間の免疫力の60%以上が腸管免疫です。腸内環境が悪いということは、免疫のバランスが崩れ、アレルギー(花粉症・アトピー・喘息など)などの免疫疾患を引き起こす可能性が非常に高いといえます。また、抵抗力が落ち、風邪を引きやすくなっている人もいます。
また腸は、老廃物を排泄するだけでなく、必要な栄養分を消化吸収する器官でもあります。血行が良く、肌のキレイな方は、腸管からの栄養補給がスムーズな方がほとんどです。
腸を単なるゴミ(老廃物)溜めだと考えて、掃除しないでいると、美肌が得られなくなるだけでなく、腸管内に悪玉菌が増殖して腐敗物質を産生し、それが血液循環に入り込み、血流が悪くなり、血栓ができやすい体質となり、高血圧・動脈硬化や肝機能障害など様々な病気を引き起こしてしまいます。
腸は老廃物の処理だけでなく、私たちの健康維持に大きく関わっている器官です。腸内環境を変えることは可能です。まずは、毎日便通がある方でも、出ている便の状態をしっかり観察して、腸の環境がどんな状態なのかチェックしてみてください。
目指す便は『臭みがなく黄金色でバナナ状のふわりと浮く便』です。


昭和堂薬局 | 2010年7月2日


横浜ポルタ内にある漢方薬局。あなたの健康な体を取り戻すお手伝いを致します。