『昭和堂薬局』

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ドラッグストアやお医者さんで処方されて飲んでいる方が多い半夏厚朴湯

 我々漢方薬局でも使うことはよくあります。しかし、漢方薬の中でも、やや対症療法的な要素があるのかなぁと思う処方です。

 

 では、どんな時に使うのでしょうか。

 梅核気(ばいかくき)がこの処方の目標です。梅核気とは、咽喉中に何かが詰まったようで、排出もできず、呑むこともできない状態です。(俗に言う「えへん虫」ですね)
どんなことが原因で、梅核気が起こるのでしょう。

 

 処方解説によると、「七情が不暢で肝気が鬱結して疏泄が失調し、気機が停滞し、肺気、胃気が宣降できなくなり、津液の布散が障害されて痰を形成し、痰と滞気が結びついて咽喉で結するため、咽に梗塞感があり嚥下しても喀出してもとれない梅核気が生じる。肺気が宣粛できないので胸苦しい、咳嗽、喘鳴などが、胃気が和降しないので悪心、嘔吐、腹満がみられ、七情不暢による憂鬱、抑鬱などを伴う。」
難しい文章ですが、要はストレスなどで五臓の「肝」がうまく働くなり、気や水を巡らすことが出来ずに、喉のところで気がうっ滞してそこに痰が形成されて起こります。

 半夏厚朴湯は、このうっ滞した気を巡らせ、胃の気を上から下に正常な気の運行にして、痰を取りはぶく方剤です。起こったことを元の状態に戻す方剤なのです。

 

 ここまでお話しすると、ピンとくる方も多いと思います。最初にお話しした、ストレスなどによる「肝」をうまく働かせる方剤が含まれていないのです。(そのことが対症療法的と言ったのです。)その原因の方剤を加えたもので有名な物が、柴朴湯という方剤です。

 

 また、胃腸の不調が関係することがあります。この場合、「肝」系の薬ではよくならないケースです。梅核気以外の症状を考慮して方剤を変えたり、加えたりするといいと思います。

 

 半夏厚朴湯で調子はいいけどやめられない方や半夏厚朴湯では効果がなかった方は、原因を改善するような方剤と組み合わせてみては、いかがでしょうか。


昭和堂薬局 | 2022年5月25日

 

腎臓病が増えている

 腎臓病は、世界で約8億5千万人の人が罹患しており、2040年には死因の第5位に上がると推定されているそうです。腎不全のために透析や移植などを受けている患者は、世界で約260万人いるそうです。そして、透析医療には多大な医療資源などが必要で、持続可能な医療体制の構築が必要なようです。

 

 日本を含む世界的に高齢化社会が叫ばれている今、増える疾患の変わってくることは当然考えられることだと思います。

 

 腎臓病の根本原因はさまざまで、糖尿病性腎臓病、腎炎、高血圧性腎硬化症などがあります。慢性腎臓病の進行は、尿細管とその周囲にある間質領域の障害です。どこの臓器での同様ですが、炎症と線維化が病気を進行させます。

 

 今のところ、腎機能を回復するような薬はありません。これからもしばらくは、進行を抑制する薬の開発になるようです。現在は、最終的には人工透析です。

 

 東洋医学においても、透析に移行したような末期の慢性腎臓病を治すのは難しいですよね。


 東洋医学では、「腎」は成長と発育、生殖を主る臓器です。ですから、「腎」は加齢で衰えていく臓腑なのです。高齢化社会だから腎臓病が増えてるのですね。

 

 このことを踏まえて、初期の段階から補腎や活血薬などの漢方薬を服用し、進行を少しでも抑えるようにすることが大切だと思います。

 

 また、日ごろから生活習慣や即生活に気を付け養生することや養生の一環で補剤の漢方薬を服用していくのも健康を維持していく秘訣かもしれませんね。


昭和堂薬局 | 2022年5月17日

 

鼻茸(はなたけ)とは?

 鼻茸とは、鼻の奥にある副鼻腔の粘膜にできる膨らみのことです。粘膜にキノコが生えるように見えることから「鼻ポリープ」とも呼ばれています。

 

 鼻茸は、慢性副鼻腔炎(蓄膿症)やぜんそく(気管支喘息)、アレルギー性鼻炎などと併発します。粘膜が炎症を起こし、そこに腫瘤ができ、進行してどんどん大きくなることで鼻茸になっていきます。

 

 鼻茸が小さいサイズであれば自覚症状が出てこないでしょうが、大きくなると鼻の穴の空気の通り道をふさいでしまい、鼻呼吸がしにくくなります。

 

 呼吸がしにくくなれば、気になって集中力が欠けやすくなり、日常生活に影響が出てくるようであれば、病院で手術をしてとることもできますが再発しやすいです。再発がみられる場合は再手術になることもあります。

 

 鼻茸の治療では、鼻茸の多くはアレルギーが原因で引き起こされるため、治療にはアレルギーを抑えるためのステロイド剤の点鼻薬や内服薬が用いられます。また、副鼻腔炎などの炎症による病気が原因の場合には、それらを改善するための抗生物質や炎症を鎮める作用のある薬が使用されます。

 

 しかし、これらの薬物療法はうまくいかないことも多く、重症な場合には薬のみで治すことは困難です。このため。手術などで鼻茸を切除する治療が必要になることも少なくありません。

 

 そこで、漢方薬の出番です。

 鼻という場所は、「肺」に属しています。合併しているおおもとの病気(副鼻腔炎やアレルギー性鼻炎など)に対する漢方薬は、東洋医学の尺度でそれがどうして起こってしまったのかを検討して処方を決定していくのですが、鼻茸は、元も病気によって鼻粘膜の炎症が「鼻ポリープ」になっています。鼻茸だけを東洋医学で表現すると、血や湿の滞りでできたものです。血の滞りでできたものを「瘀血」と呼び、湿の滞りで起きたものを「痰湿」と呼びます。

 

 漢方の対応としては、元の病気に対する処方と「瘀血」を取りはぶく活血薬の併用です。但し、一般的な活血薬では中々対応できない場合は、破血剤(水蛭など)が必要になります。


昭和堂薬局 | 2022年4月14日

 

不妊の漢方にはコツがある!

 いよいよ、不妊症の保険適用がスタートしています。調剤薬局にはすでに不妊の薬の処方箋が来ているようです。

 

 不妊症の方たちの多くは、不妊症のクリニックで治療を受け、同時に漢方薬局や鍼灸院に行くケースがあります。

 

 中医学では、人によって違いはありますが、生殖を主る「腎」を補います。主に腎陽と腎精を補います。まれに基礎体温が全体に高いケースでは、腎陰も補っていきます。しかし、この際一般的によく知られている「八味地黄丸(腎陽を補う)」や「枸菊地黄丸(腎陰を補う)」では力不足です。

 

 また、仕事(ちょうど働き盛りの年齢)や不妊症から精神的な抑鬱傾向になると、「肝」という臓がうまく働いてくれなくなるので、排卵や月経がスムーズにできなくなってしまいます。これが続いてしまうと「瘀血」という血の滞りが起こってしまい、妊娠しても流産の原因になったりします。

 

 そのほか、女性は毎月月経で気血を経血として出すので、気血の不足を起こしやすく、体質的に脾気虚(胃腸虚弱)だったりする場合は、脾胃を補って気血を十分に作れるようにしていきます。

 

 少し大まかではありますが、こんな事をして妊娠できる体づくりをいていきます。(妊娠率を上げる)
不妊の漢方は、「この処方とこの処方を飲むと妊娠します。」というものではないと思いますし、いろいろな処方を沢山飲めばいいものでもないと思っています。問診して必要最小限から初めて、必要があったら処方を増やす方法を基本に考えています。(漢方薬局によってはたくさんの処方を提案するところもあるようですが…)

 

 また、経験的に足していく順番もあるように感じています。中医学は理論があり、それに従って進めていくと、そこそこうまくいくのですが、その先は経験がものをいう「匙加減」があります。
折角、漢方薬を飲むのですから、自分でネットで調べたり友達がうまくいった物とかではなく、漢方薬局で相談して服用していただいた方がいいのかなあと思います。


昭和堂薬局 | 2022年4月9日

 

営業時間変更のお知らせ

いつも、当店をご利用いただきありがとうございます。

4月1日より、地下街ポルタの営業時間変更に伴い、当店の営業時間を変更させていただきます。

 

平日    :10時より21時

土日祝日:10時より20時30分

 

ご不便をおかけしますが、よろしくお願いします。


昭和堂薬局 | 2022年3月29日

 

いよいよ、4月から不妊治療の保険適応がスタートします

 いよいよ不妊治療の保険適応がスタートします。
 これを機会に不妊治療をはじめる方が多いのではないでしょうか。実際当店店頭でも、不妊治療の保険適応がスタートすることの話題をよく聞くようになってきています。
この機会に不妊治療をはじめる方は、高度不妊治療をすれば妊娠できると思っている方が多いのではないでしょうか。

 

 現在、日本では約15人に1人が体外受精で生まれています。しかし、1回あたりでお子さんを授かるのは20%程度です。そして、初回の体外受精でうまくいかなかったケースは、その後5年間での出生率は49%です。そう考えると高度不妊治療で子供を授かる確率は約60%ということになります。ある報告では、不妊治療のコンプライアンスが十分得られた場合は、妊娠率が15%上昇することが期待できるということです。不安がなく治療を受けることができると妊娠率が上がる可能性があるということになります。

 

 受精・着床・妊娠・出産のメカニズムは、まだわからないことが多くあります。しかし、出生率を上げるためにはメンタル面をケアすることが大切だということです。

 

 中医学においては、生殖を主る臓腑は「腎」です。不妊の中医学的対応は、補腎を中心に考えますが、ストレスによって「肝鬱」という状態にも対応していきます。中医学では、身体のバランスが崩れると妊娠しにくくなると考えるのです。不妊治療中の方が漢方薬を求める方が多いのは、この様な中医学の考え方の基づく、心身のバランスをとることの有用性を感じるからなのでしょうね。

 

 不妊治療が保険適応になることで、高度不妊治療に踏み切った方達は、期待と不安でいっぱいでしょう。これは夫婦で臨むことです。奥さんだけに多くの負担がかかりますが、ご主人もサポートしていかないとうまくいかないことは知っておいていただきたいです。


昭和堂薬局 | 2022年3月29日

 

あなたの瘀血度チェック!

 瘀血とは、血液の流れが悪く、滞りやすくなった状態です。いろいろな病気に繋がりますので注意が必要です。
 あなたの瘀血度は?是非、チェックしてみてください。

 

□頭痛や肩こりがある(5点)
□目の周りにクマがある(6点)
□体の局所にしこりがある(6点)
□あざができやすい(6点)
□決まったところに痛みがある(5点)
□手足のしびれや麻痺がある(3点)
□狭心症の発作を起こしたことがある(6点)
□手足の静脈が浮き出ている。また静脈瘤がある(3点)
□お腹の静脈が浮き出て蛇行している(6点)
□皮膚につやがなく、かさついたり、ざらつく(3点)
□シミが多い(3点)
□便が黒っぽい(6点)
□生理不順または生理痛(6点)
□月経血が黒ずみ、塊が混じる(6点)
□痔になりやすい(4点)
□子宮筋腫、子宮内膜症、多嚢胞性卵巣、卵巣嚢腫などがある(5点)
□舌の色が暗く、紫っぽい。また、斑点がある(6点)
□舌の裏側の静脈が浮いて蛇行している(6点)
□唇やはぐきの色が黒っぽい(4点)
□集中力にかける、忘れっぽい(4点)

 

10~18点 軽度
19~30点 中度
31点以上  重度

 

解説
舌や唇、皮膚が紫色を帯びることは、血液がドロドロと汚れている証拠です。頭痛や肩こり、神経痛などの痛みは血行不良によって起こります。痛みしびれは血液供給を絶たれた神経の悲鳴と言えるでしょう。痔や生理痛、静脈瘤なども根本原因は瘀血になります。肛門の血流がうっ滞すれば痔になります。月経血がスムーズに排泄できなければ生理痛が生じます。その他、瘀血は動脈硬化を進行させ、ひどい場合は血管の詰まりの原因となります。


昭和堂薬局 | 2022年3月15日

 

新型コロナウイルス感染症内服薬

 新型コロナウイルス感染症の第6波が訪れて1か月以上がたった今ピークは越えたと言われていますが、実感としてそんな感じはしないのですが…

 

 今回のオミクロン株は、上気道感染が主でそれほど重症化しないはずが、死者の数はこれまでのピークの時よりも多くなっています。今までのウイルス感染症の常識では、下気道感染が主であると死者が増え、上気道感染が主だと重症化や死者の数は減るはずでした。そして、これまでのピークではウイルス性の肺炎で亡くなるケースが多かったのでしょうが、今回は高齢者の2次感染による肺炎や持病の悪化でなくなるケースが多いようです。

 

 今回のオミクロン株は感染力が強いと言われ、実際にこれまでの防御方法(マスク、手の消毒など)では防げないケースもあるようです。この状況では感染を防ぎきれないと思っています。しかし、年末から内服の治療薬が特例承認で許可されたことは、新型コロナウイルス感染症対策としては強力な武器になるはずでした。

 

 この2種類の内服治療薬は、症状が出てから5日以内に服用する必要があります。これがネックになっているのでしょうか?

 

 メルク社が開発したムルヌビラビルは、新型コロナウイルスの複製に関する酵素(RNAポリメラーゼ)を阻害する作用で、ウイルスの増殖を妨げます。また、2月に特例承認されたファイザー社開発のバクスロビドは2種類の抗ウイルス薬の組み合わせで、ニルマトレルビルはウイルス増殖に必要なプロテアーゼを阻害し、リトナビルはニルマトレルビルの代謝を遅らせて作用の持続時間を延長する作用を持っています。
許可された時点での臨床データは、数こそ少ないですが2剤ともプラセボと比較して死者・重傷者を優位に減少しています。

 

 コロナ内服薬が、うまく活用されるようになると医療機関に行かなくても服用できますから、医療機関の負担を軽減できますし、感染者本人を入院などする必要がなくなります。

 

 今後、行政と医療機関との連携をうまくやっていただいて、安心して暮らして行ける日が早く来てほしいと思っています。


昭和堂薬局 | 2022年2月22日

 

自己免疫疾患は、なぜ女性に多いのか

 自己免疫疾患は、全身性エリテマトーデスや多発性硬化症、関節リウマチなど、おおよそ80種類ほどが知られています。これらは、自分の免疫系が自分の細胞や組織を誤って攻撃してしまうことで起こされます。そして、約80%が女性です。

 

 以前、このコラム内で、新型コロナウイルス感染症のことで解説しましたが、女性はXX染色体であるため、ある意味免疫力が高いことが一つ上げられます。また、性差によって腸内細菌叢が異なることなどが影響しているようです。人間の進化の過程で、男性は狩りに出て獲物と戦う、女性は家を守り妊娠・出産・授乳ということを受け持っていたことが男女の免疫の進化に違いが生まれてきたものと思われます。

 

 女性は、妊娠・出産・授乳などの子ともを育てることを受け持っていたので、非常に精密で複雑な構造になっています。以前、コラムでも話しましたが、女性は月経周期でホルモンも変動しますが、免疫も変動しています。(着床・妊娠維持のために変動しています)

 

 それだけ、女性の体はデリケートになっているので、何かで歯車がかみ合わなくなると体に不都合なことが起こるのです。そのため女性にとっての節目の時期に自己免疫疾患を患う事が多いのです。


昭和堂薬局 | 2022年2月12日

 

不妊治療は、コロナ禍でも待ったなし

 「厚生労働省は1月26日の中央社会保険医療協議会(厚労相の諮問機関)に、不妊治療について、公的保険適用対象となる治療の適用範囲などを盛り込んだ診療報酬の改定案を示す。」こんなニュースが飛び込んできた。

 

 いよいよ4月から不妊治療の保険適用がスタートする。これを待っていた人たちも多いのではないでしょうか。

 

 しかし、生殖の力は28歳頃をピークに加齢によって衰えていきます。漢方的な表現をすると腎の力の衰えで妊娠しにくくなります。 ということは、なるべく早い段階で妊活を進めていった方がいいということになります。

 

 では、腎の力を保つもしくは衰えさせないためにはどうすればいいのか?時間を止めない限り加齢を止めることはできません。しかし、加齢による衰えは個人差が非常に大きいのです。毎日食べている物や睡眠時間を含め生活習慣などで大きく変わってきます。

 

 ここ数年、当店に不妊で漢方相談にお見えになる方のほとんどは共働きです。その中で仕事の忙しさによって衰え方に違いがあるように感じます。その中でも、睡眠時間が短いケースは婦人科系の不調が多いと感じます。

 

 また、腎の力を補うものの中で妊活によく使う生薬は、鹿茸、紫河車(胎盤エキス)、亀板などがあります。少し乱暴な分け方ですが、鹿茸は腎陽と腎精、紫河車は腎精、亀板は腎陰を補います。卵胞の発育状況や基礎体温の高低などから判断して使い分けていきます。

 

 月経周期を整えることは腎だけの問題でないことが多いので、状況に応じて漢方を組み合わせていくことになりますので、ご相談いただけるとよろしいかと思います。


昭和堂薬局 | 2022年2月2日


横浜ポルタ内にある漢方薬局。あなたの健康な体を取り戻すお手伝いを致します。